おすすめ書籍:QUIZ JAPAN Vol.8(セブンデイズウォー/ほるぷ出版)

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ロマン優光のさよなら、くまさん
連載第101回 東大王の字が汚い「今回のテーマは東大王(『東大王』の東大王チーム)の字が汚い問題でお願いします。」というメールが編集氏から届いた時の私の気持ちをみなさん想像してみてほしい。この話題、俺に聞いてどうするんだ? 解せぬ……。いや、「解せぬ」とか、いきなりオタク丸出しな言葉を使って何やってるんだ。落ち着け、俺! 逃げちゃダメだ……って、引用先が古すぎて、おっさん丸出しなこと言い出してしまった! だいたい、これは『問題』なのだろうか? このことが世間に何らかの大きな影響を与えているのだろうか? もしかして、編集氏が見ていて気になったことを単に俺に聞いてみただけでは……。いや、俺も一介の男児だ! 挑まれた以上は逃げるわけにはいかない! しかし、そういうマチズモに溢れた考え方を捨てて、素直になることが社会を変え平等な社会をつくる一歩になるのかも、って、それは絶対に違いますな……。とにかく落ち着こう。
 気を取り直して、まず「東大王の字が汚い問題」について考えてみましょう。私は東大合格者を毎年50人くらい出すような中高一貫の私立の進学校に通っていたのですが、基本的に頭がいい人はノートの字が汚い人が多かった記憶があります。そして、スゴく綺麗な字で授業の内容をまんべんなくノートに取っている人は、ほぼ例外なく成績が悪い人でした。世間では字が汚いと頭が悪いみたいな考え方があるようですが、現実には必ずしもそうではありません。これはどういうことでしょう。
ノートに全部記録するタイプは本質を履き違えている まず、ノートというものは自分が学習するためにあるもので、自分が内容を理解できさえすればいいわけです。だから必ずしも誰にでもわかるように書く必要はありません。必要なことを要領よく自分にわかるようにまとめればいいだけです。教師の言ったこと、板書したことを、余談・雑談も含めてノートに綺麗な字で全部記録してしまうようなタイプの人は本質を履き違えているのですね。非常に効率が悪いと言えるのでしょう。こういうタイプの人は情報の取捨選択が苦手な人が多く、書き出したものの中から必要なことだけを抜きだすのが苦手な人も多かったです。ノートを取った本人よりも、それを借りて見せてもらった人の方が成績がいいということはよくあります。ノートを取った本人は全てを覚えようと労力をかけてしまうのに対し、他人のノートをあてにして試験やレポートに挑むような人は要領がいい人が多いわけで、やっぱり要領よくポイントだけを押さえるやり方ができるからでしょう。内容が整理されたノートと綺麗な字で書かれたノートは違うわけで、綺麗な字で書かれたノートは見た人が内容を把握しやすいけれど、書いてる人が内容を把握できているかといえば必ずしもそうとは言えないのです。
 ノートのような情報の記録がメインなものだけではなく、レポートとか書き物全般で字が汚い人もいますよね。そういう人は思考の流れの速さに手の動きがついてきてないということなんだと思います。考えるスピードが速ければ速いほど、手書きで文字を書くという作業が追い付かなくなっていくわけで、必然的に雑に文字を書くようになり汚くなっていくわけです。頭の回転が速いからといって必ずしも頭がいいわけではなく、間違った方向で回転している人もいるわけですが、頭がいい人で頭の回転が悪い人というのはいないわけで、頭がいい人の字は汚くなりがちなのです。
 もちろん、ノートでも書き物でも、どんな条件で書いても字が綺麗な頭のいい人というのは存在しますが、字が綺麗なのと頭がいいのとは別な才能なので、それは天が二物も三物も与えたような人なのです。東大に合格するような人は基本的にある程度以上頭がいい人なわけで、字が汚い人が多いと考えた方が自然です。天が二物も三物も与えた人などそういないのですから。だから東大王の字が汚くても全然おかしくないのです。特にクイズみたいに時間制限がある条件では時間に追われて書くスピードはよけいにあがってしまうわけで、必然的に雑になるわけです。単に普通のことです。しかも、そこまで字が汚いでしょうか? あれより汚い字を書く人見たこといっぱいありますよね。だから、あの程度は普通です。
 ちなみに私は授業中、ろくに授業を聞かずに「ぼくの考えたモビルスーツ」をノートに落書きしたり、「早く授業終わらないかなあ」と思いながら脳内で音楽再生してたりするタイプでノートはまともに取ってないし、元が雑なので字が最初から汚く、ノート借りる相手もいないから試験前に何の準備もできないし、必然的に国語と歴史(趣味で知識があったもの)以外のテストの成績が悪いというタイプの人間でした……。
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【ロマン優光:プロフィール】
ろまんゆうこう…ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『日本人の99.9%はバカ』『間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。現在は、里咲りさに夢中とのこと。
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