インタビュー直前まで「今日はピリピリした空気感になるかもしれない」と思っていた。それはFLOW×GRANRODEOのTHE・男くさい7人を相手にするわけだから当然だ。しかし、インタビューを行う部屋へ通されると、ずっと冗談ばかりが飛び交っている。IWASAKIが「みんなが集まると男子校みたい」という言葉の通り、まさに大人のホームルームのような雰囲気。そんな7人に終始翻弄されっぱなし。気になる方は本文でご確認いただきたい。

Interview&Text_Satoshi Shinkai
Edit_Satoru Kanai

伝説のバンドFLOW×GRANRODEO

これまで17ヶ国以上もの国でライヴをした記録的数字を持ち、去年はデビュー15周年を迎え、年末に日本青年会館でワンマンライヴを成功させた百戦錬磨のロックバンド・FLOW。
かたや、横浜アリーナ、さいたまスーパーアリーナ、大阪城ホール、幕張メッセ国際展示場、日本武道館などアリーナクラスを常に満員にしてきたアニソン界の至宝・GRANRODEO。

この2組からなる最強のバンドこそFLOW×GRANRODEOだ。彼らが結成したのは2014年。FLOWの熱烈なラブコールによって誕生した。
その後、シングル「7-seven-」を発表して大きな話題をさらったのだが、それ以降のリリース情報はなく、一時は「もう活動することはないのでは?」と囁かれていた。そんな伝説のバンドが4年の沈黙を破り、ついに再始動することになった。「7-seven-」のリリースは、お互いのバンドにとっても得るものも大きかったようで、楽曲制作からライヴ活動、プロモーションまで全てが刺激的。TAKE曰く「何もかもが楽しくて、まるで夢のような時間だった」そうだ。
結成以降、さらに親交を深めていった両者が2ndシングルで目指した形が、これまで以上にFLOWとGRANRODEOのDNAを注入すること、だった。そこで、作曲の全てを担っていたTAKEがe-ZUKAに共作することを打診して生まれたのが「Howling」。曲を聴けば、その変化は一目瞭然で「7-seven-」以上に攻撃的で、野生的なサウンドに進化している。

音楽性において両者の共通点を探っていくと、歌謡曲の要素を取り入れたサウンドが大きなポイントだと言う。パフォーマンスは先進的だが、どこか耳馴染みのいい懐かしいメロディ、これこそがFLOW×GRANRODEOの魅力なのかもしれない。

非常事態が生んだ奇跡のケミストリー

制作はすべてが順調に進んだのかと思いきや、カップリングの「GLOW」はFLOWにとって思わぬ珍事件があったそう。なんと、KISHOWの歌詞が当日まで上がってこなかったのだ。

KISHOW:FLOW×GRANRODEOのリーダー格であるTAKEちゃんは、歌割を前もってやりたい人なんだけど、こっちはロックなんで“そんなことはさせませんよ”っていう(笑)。ギリギリまで歌詞を上げないから、割り振れない。「GLOW」は譜割、歌割、仮歌を全部当日にやって……その結果、ライヴ感が出たんです。

ちなみに、この出来事をKISHOWは“歌詞を遅らせたことによって生まれたケミストリー”と称している。

とまあ、こんな具合で終始にこやかで笑いの絶えない現場だった。誰かが喋れば必ず1回はボケて、それに対して全員がツッコむ。ちなみにどんな状況なのか、一連の会話を紹介しよう。

——3月には台湾でワンマンライヴも行いますよね。国内と海外で、臨む姿勢は変わりますか?

KISHOW:海外といえば……まず日本語が通じない。

KEIGO:すげえ当たり前のこと言ってる!

KISHOW:あとは海外と言うぐらいだから、海を越えちゃってる。あと、海外の諸国は外国のことを海外って言わないんじゃないかな。

 TAKE:自国ですからね。

KISHOW:それに国境線を超えてしまいますよね。

 ——……何の説明を聞かされてるんですか。

一同:(爆笑)。

 KISHOW:僕はプライベートでも初海外なので頑張ります(笑)。FLOWは海外に関しては百戦錬磨だし、自ら「地球がホーム」っていうぐらいの冒険野郎だから頼もしいですよ。

 TAKE:「地球がホーム」で「冒険野郎」って、もはやバンドじゃないですよ!

こんな感じで、どこまでがマジでどこまでボケなのか分からないやり取りが続いた。結成当初の思い出を訊くと、KISHOWが痛風で苦しんでいたことが7人にとって一番印象的だった、という始末。

これはマズイ……と思い「4年間の付き合いで胸が熱くなったエピソードなんてありますか?」と意を決して尋ねるとGOT’Sが口火を切った。

「俺はリリイベでやったハイタッチ会かなぁ」。遡ること4年前、「7 -seven-」発売記念イベントをららぽーと豊洲にて開催した時、雨が降ってしまい野外なので楽器をステージに持ち込めない事態になった。ただし、お客さんが集まっているので中止にできない、というピンチの中、まさかのカラオケを披露した。すると降っていた雨も次第に止んで、暗雲が被いかぶさっていた空に光が差し込んだのだ。そんな奇跡的なエピソードをなぜ話さなかったのか、という話は置いておいて心の中でガッツポーズをした。

ちなみにフルアルバムの制作は現在検討中とのこと。現在4年に1枚のペースでシングルをリリースしているので、もしかしたら16年後になるかも、という信じがたい発言もあった……。

掴めそうで掴めない、7人の絶妙な空気感こそFLOWでもなくGRANRODEOでもない、FLOW×GRANRODEOでしか作れない雰囲気。

今後もリスナーを含め、音楽シーンを翻弄してもらいたい。

【FLOW×GRANRODEOリリース情報】

Howling

発売日:2018年1月24日(水)
通常盤

【CD】KSCL-3015 ¥1,204(税抜)
初回生産限定盤

【CD+DVD】
KSCL-3013/4 ¥1,713(税抜)
初回限定LIVE DVD盤

【アニメ盤/CD+DVD】
KSCL-3016/7 ¥1,713(税抜)

(CD収録内容)
1, Howling
2, GLOW
3, 7-seven- (Animelo Summer Live 2017 -THE CARD-)
4, Howling -Instrumental-
5, Howling -TV Size- 期間生産限定アニメ盤(KSCL3016)のみ収録

(初回限定盤DVD 収録内容)
・「Howling」ドキュメンタリー映像
・「Howling」 -Music Video-

 (期間生産限定アニメ盤DVD 収録内容)
・「Howling」 -Music Video-
・ ノンクレジット オープニング映像

【ツアー概要】
『FLOW×GRANRODEO 1st LIVE TOUR”Howling” in Taiwan』

(日程)
日時:2018年3月10日(土)/場所:台北・Legacy Taipei(台湾)/開場18:00 開演19:00
日時:2018年3月11日(日)/場所:台北・Legacy Taipei(台湾)/開場17:00 開演18:00

■チケット
VIP NT$3,300[VIP特典:終演後ハイタッチ会/直筆サイン入りフォトカード]
一般 NT$2,500

FLOW×GRANRODEOオフィシャルサイト
FLOW×GRANRODEO 公式ツイッター

FLOW×GRANRODEOが生んだ奇跡のケミストリーはミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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