「臼井孝のヒット曲探検隊
~アーティスト別 ベストヒット20」

「臼井孝のヒット曲探検隊
~アーティスト別 ベストヒット20」

「臼井孝のヒット曲探検隊
~アーティスト別 ベストヒット20」
2018年限りで引退を発表した、
安室奈美恵のベストヒット20を探る!

総合3位は2018年になって
なお注目を浴びている「Hero」

総合3位は、2016年のシングルで、NHK『リオデジャナイロオリンピック/パラリンピック』テーマソングとなった「Hero」。2016年夏以来ロングヒットを続け、2017年1月にダウンロード25万件を達成、さらに引退発表後週間ダウンロードチャートで1位に返り咲き累計50万件を突破。2017年のNHK『紅白歌合戦』にも特別枠で出場し、神々しい光の演出と前向きな歌詞と彼女の前向きな決意との相乗効果もあって、2018年になってなお注目を浴びている。ちなみに、CDのほうは2018年1月現在約8万枚のヒットだ。

2000年代で最大の配信
&カラオケヒットとなった
「Baby Don't Cry」が総合4位に!

総合4位には、2007年のシングルでフジテレビ系ドラマ『ヒミツの花園』の主題歌となった「Baby Don't Cry」。すでにヒップホップ色を色濃くした時期に突入していたが、ドラマ主題歌ということで、春らしいポップスに仕上げることで、配信が75万件超の2位、カラオケ部門でも6位と2000年代では最大の配信&カラオケヒットとなっている。

ちなみに、安室の配信ヒット状況を見ると、ミリオンヒットは1作、ダウンロード25万件以上が13作、10万件以上まで含めると29作と、ダウンロード全盛期の00年代半ばにデビューした後進のアーティストとそん色のないほどの賑わいが感じられる。このことも、彼女が“アムラー”時代以降もトップに君臨し続けてきた確固たる証拠と言えるだろう。

この「Baby Don't Cry」あたりから、安室は“ドラマ主題歌は分かりやすいバラードかポップスで、LIVE用には海外進出も意識したダンスナンバーで”といった“二枚舌”戦略が顕著になってきたように感じる。ちなみに、2015年に発売されたオリジナルアルバム『_genic』には、その前にリリースされたシングルを収録せず、全曲新曲、しかもその大半が英語曲という構成に。つまり、キャッチ―な代表曲を複眼的に調べているこの分析ですら、彼女のすごさは測れなくなっているのだ。

総合5位は
自身初のレコード大賞受賞曲となった
「Don’t wanna cry」

そして総合5位に、1996年のシングルで自身初のレコード大賞受賞曲となった1996年の「Don’t wanna cry」。この1週間前に発売された華原朋美の「I’m proud」が発売され、パワフルな歌声と日焼けした肌で黒っぽいイメージで決めるアムロと、愛らしいルックスと繊細な歌声が純粋な白というイメージのトモちゃんという対照的な存在で、どちらも小室哲哉プロデュースながら、どちらも毎週シーソーゲームを展開するように大ヒットし、ともに130万枚を超えるミリオンセラーとなった。初期の山口百恵 vs 桜田淳子、80年代の松田聖子vs中森明菜、そして後年の少女時代vs KARAのように、とりわけ女性ポップスはいつの時代もライバルが出現したほうが、相乗的なマーケットが盛り上がるような気がする。なお、本作を含む同年のアルバム『SWEET 19 BLUES』は約336万枚の売上で、当時女性ソロとしては歴代最高のセールスとなった。
90年代の楽曲では、1位の「CAN YOU~」、5位の「Don’t wanna cry」と日本レコード大賞受賞作としても有名な2作に続き、1996年の「SWEET 19 BLUES」もカラオケが強く、総合では16位にランクイン。本作はアルバムからのリカットだったため、前後のミリオンヒットの半分以下のCDセールス(45万枚、安室の中でもCD15位)となったが、20年以上経ってもこうしてカラオケの上位となり、また2012年の20周年ツアーのリクエストでも第4位(1位、2位はやはりカラオケと同じ)と、忘れられない人気曲となっている。ただし、同タイアップである山口達也とのW主演をした映画『That's カンニング! 史上最大の作戦?』については、安室本人もスタッフサイドも忘れたい存在なのか、決して公に語られることのない作品だ。現に、安室自身も本作を最後に本人役以外での映画・ドラマへの出演が途絶えている。

OKMusic編集部

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