【対談】フルカワユタカ × 米田貴紀
(夜の本気ダンス)、「“選ばれた”と
いう気持ちで」

フルカワユタカが2018年1月10日、3rdフルアルバム『Yesterday Today Tomorrow』をリリースしたことに加え、1月28日に新木場STUDIO COASTで主宰フェス<フルカワユタカ presents「5×20」>を開催する。アルバムおよびフェスにはソロ5周年と活動20周年を共に歩んできた朋友や先輩後輩が参加、その豪華メンツも話題だ。
BARKSでは、先ごろ公開したプロデューサーTGMX(FRONTIER BACKYARD)対談、フルカワユタカ10000字ロングインタビューに続いて、アルバムにもフェスにも参加する夜の本気ダンスの米田貴紀を招き、先輩後輩対談を行なった。米田はフルカワを「憧れの人」と公言し、フルカワも初対バン時の思い出話を連載コラム『フルカワユタカはこう語った』に熱く記すなど、結びつきは深い。両者の対談は初ということで、馴れ初めやお互いの印象、『Yesterday Today Tomorrow』レコーディングや、間近に迫った<フルカワユタカ presents「5×20」>への意気込みについて語り合ってもらった。
なお、同対談取材を行なったのは<夜の本気ダンス「ZENKOKU O-BAN-DOSS TOUR」>の最終日、フルカワユタカをゲストに迎えた2017年12月21日の京都・KYOTO MUSEにて。ライブの熱気冷めやらぬ両者のトークをお届けしたい。
   ◆   ◆   ◆
■夜ダンのルーツにある洋楽が

■僕が好きなものに近い──フルカワ
──まず、フルカワさんと米田さんの出会いから教えてください。
米田:最初は下北沢SHELTERの周年イベント(<SHELTER 25th Anniversary -THE REAL THINGS->2016.10.2)です。「ツーマン、どうですか?」っていう風に言われまして、対バンさせてもらう形になりました。
──対バンされるまでフルカワさんにどういう印象を?
米田:高校時代、DOPING PANDAの楽曲を聴きながら自分のバンドをずっとやっていましたので、憧れの人で。当日は嬉しい気持ちもありつつ、やっぱり緊張しましたね。憧れがあればあるほど、いちファンという気持ちが出てしまいますから、それが入り混じった感じで“どうしよう”と思っていました。あとはバンド的な話ですが、対バンの手前にギターが抜けまして。新しく入ったギターのお披露目がその日だったということもあり、いろいろテンパって。憧れの人との対バンだし、新しいギターともここで初めてだしって、そんな状態でドキドキしていましたね(苦笑)。
フルカワ:そうだったね(笑)。
──フルカワさんは夜の本気ダンスとライブをすると決まった時、どう思われました?
フルカワ:名前は聞いていたんですよ。DOPING PANDAの解散から2年後くらいに、彼らがバッて出てきましたよね。フレデリックKEYTALKあたりから4つ打ちのバンドがワーっときて、夜の本気ダンスもいわゆる一波のバンドという捉え方をしていたんです。だけど、「ドーパンのこと、好きみたいよ」っていう話がちょこちょこ僕の耳に入っていて。この年齢になると、若いバンドのこととか調べたほうがいいんでしょうけど、なかなかね(苦笑)……あれ?……でも俺、対バンより先にライブを観にいってますよね? O-EASTだったかな?
米田:そうです、はい。前のギターの最後のライブぐらいの時で。
フルカワ:そうそうそう。後輩ですし、正直にパッと観た感じで言うと、最初はそんなにドキッとするような印象はなくて。いわゆるロックンロールなコード進行、4つ打ち、スピード感からしても、the telephonesとかに近いのかなと思いましたね。それはSHELTERの周年イベントの打ち上げでも言いました。
米田:はい。
フルカワ:SHELTERで対バンした時はドラムの鈴鹿くん(夜の本気ダンス)が、「僕らthe telephonesに似てるって言われるより、ドーパンに似てるって言われるほうが嬉しいです」ってMCで言ってて。それを米田くんが「the telephonesと一緒の時は逆のことを言うけどな」って(笑)。でも、“ドーパンが好き”とか“ルーツです”って言ってくれてるのも分かる気がして。彼らのルーツにある洋楽が、僕が好きなものに近いんです。8ビートでメロディアスな曲があったりしてね。新しい音源を貰って、それを聴いた時はそう思いましたね。
──フルカワさんにも響くような音源だった?
フルカワ:そうですね。さっきの話じゃないですけど、もっと僕が能動的に人に興味を持ててれば良かったんですが、こういう性格なので……でも、最近は貰ったCDも聴くようになったんですよ(笑)。彼らの音源はすごく良かったですよ、5〜6曲入りだったので、その範囲ですけど(笑)。
米田:ははは(笑)。
フルカワ:その時のライブでも演奏してましたよね。で、8ビートの曲とかすごくいいなと思って。
米田:いやーもう、本当にシンプルに嬉しいです。
フルカワ:いやいやいや、偉そうな感じになってますが、いちリスナーとしてそう思っているんですよ。
──ボーカリストとしての米田さんの魅力は?
フルカワ:米田くんには「nothin' without you」(アルバム『Yesterday Today Tomorrow』収録曲)のレコーディングにコーラスで参加してもらったんだけど、ソウルっぽくて難しいメロディー部分も、一発二発くらいですぐにピッチを当てられるんです。僕は、夜ダンのボーカルはピッチ感があまり強くないというか、楽器っぽい位置にあるなと勝手に解釈していたので、こういうメロディアスなものもきっちり歌えることに感心しましたね。
──米田さんは、「nothin' without you」レコーディングに参加していかがでした?
米田:本当にびっくりしたことがあったんですよ。僕がコーラスの節をアドリブで変えたのに対して、そのメロディーでフルカワさんが瞬時にあて直したんです。これはアーティストとしてあるべき姿ですよね。今は修正とか加工とかなんでもできるじゃないですか。でも、そんなことをしなくても、僕が今まで聴いてきたCDと全く同じ声で瞬間的に対応出来るんだということに、すげえなって改めて驚きました。それをめっちゃ覚えています。
フルカワ:いやぁ……照れます、あんまり後輩たちと積極的に絡まないので(笑)。
■同じ言語で通じ合っている人達

■という雰囲気──米田貴紀
──確かに後輩と積極的に絡んでるイメージは、フルカワさんにはあまりないですね。
フルカワ:怖いように見えるかもしれないですけど、後輩に対してグイグイいくようなパンクな縦社会で育っているから、殻を作っているだけなんです。たぶん、ドーパンのリスナーだった人たちって米田くんくらいの年齢からだと思うんですね。逆に僕は、そういう人たちと会って恐縮されると、どうしていいのか分からない。それが普通なんでしょうけど、僕にはそういうのがないし、ずっと一緒にいるような直の後輩とかは、僕のことを若干なめていたりするから(笑)。だから、鈴鹿くんくらい何にも考えてないほうが……(笑)。
米田:ははは(笑)!
フルカワ:今日も早めにライブ会場 (<夜の本気ダンス ZENKOKU O-BAN-DOSS TOUR>2017.12.21@京都MUSE)に着いたんですが、「おはようございます!!」って、マスクして誰かわからないスタイルの鈴鹿くんにいきなり声かけられましたから。彼には壁が一切ない。本当に俺、尊敬されてないなって(笑)。彼はたぶん、峯田くん(銀杏BOYZ)がいればいいんでしょ(笑)。
米田:彼の中でルーツとしては別格ですね(笑)。
フルカワ:でもね、それはすごいよ。銀杏とか峯田くんが好きっていうことが夜ダンにエッセンスとして一味加えていると思うから。もしドーパン好きなドラマーだったら、そこは少し違ったと思う。他のバンドと比較するものではないけれど、その乱暴さが夜ダンの爆薬とか火薬になっているのかなと。パンクさが出ているよね、彼のおかげで。
米田:そうですね。それは結構いろんな方からも言われます。フルカワさんという僕のルーツと、ほかのメンバーのルーツが上手く混ざり合っているので。
フルカワ:米田くんが脳みそで、鈴鹿くんが胴体じゃん。逆じゃなくてよかった。まぁでも、鈴鹿くんが僕に影響を受けてたらそれはそれで面白いか(笑)。
米田:いや、逆はちょっとヤバそうです(笑)。自分でも逆じゃなくてよかったと思いますから(笑)。
フルカワ:あんまり言うと悪口みたいになるね(笑)。でも夜の本気ダンスは、いいバンドだよ本当に。
──では改めて「nothin' without you」の話を。米田さんにコーラス参加してもらおうというアイディアはフルカワさん発信ですか?
フルカワ:「ゲストボーカルをたくさん入れたほうがいい」という考えはプロデューサーのTGMXさんにありましたけど、米田くんとは面識がないので、僕ですね。いわゆる僕が育ってきたパンク界隈だけじゃなく、「後輩で」という話であれば絶対に米田くんに参加してほしいと思ってましたから。まあ、後輩の知り合いが少ないってのもあるけど(笑)、そこは彼の音楽を認めていないことには始まらない。SHELTERでライブやって音源聴いてという流れの中で、僕には確証があったんです。コーラスをいろいろな人に頼もうという前から、米田くんとは何かやりたいという気持ちがあったし、実際にこれまでも声をかけてますね、確か。
──いいタイミングだったんですね。
フルカワ:そうです。でもこれはただの先輩風ですよ、誘ったら断れないじゃないですか。
米田:いやいやいや、喜んで! 夢のような話ですよ。
──米田さんは、「nothin’ withi you」にコーラス参加してほしいというオファーを受けた時、率直にどう思われました?
米田:最初にお話をいただいた時は、いちリスナーとしての純粋なワクワク感……フルカワさんの新しい曲を聴けるんだという気持ちもありつつでしたが、この楽曲は途中で結構展開もあるので、“任せてもらったけど大丈夫かな?”ということも思いました。
──確かに楽曲構成が複雑ですよね。
フルカワ:ですね。僕のソロにはああいう展開はあんまりないですが、僕とTGMXさんが一緒にやるとああなってしまう、という節回しの癖ですね。ドーパンのインディーズ時代は構成も複雑でプログレッシヴなところがたくさんあったんです。メジャー1枚目ぐらいまではその残り香もありつつ、だんだんループものが多くなりストレートになっていったという。
米田:そしてデモの段階ですでにクオリティーが……。
フルカワ:ああ! あれはほとんど本チャンだったからさ。
米田:本当にスタジオでパッと録ったようなデモを渡す方もいらっしゃるし、人によってさまざまですけど、フルカワさんのデモのクオリティの高さにもびっくりしたんですよ。
──実際のレコーディング現場はどんな感じでしたか?
フルカワ:僕のメインボーカルは録り終わっていたので、「せーの」で歌っているわけではなくてね。さっき米田くんが話したのは、最後のフェイクの掛け合いみたいなところのことなんですけど、TGMXさんから「そこは米田くんに合わせる形で、フルカワが追っかけたほうがいい」とアドバイスを受けて。でも一緒に歌ったらもっと面白かったかもしれないね。
──米田さんはフルカワさんに見られてのレコーディングってどういう気持ちでしたか?
米田:そこを意識しすぎたら本当に歌えなくなるので(笑)、歌に集中しました。現場の空気も本当に歌いやすくしていただけて。だけど、TGMXさんもいらっしゃいましたし、自分が一番後輩ですからやっぱり……。
フルカワ:スタジオのヒエラルキーがおかしいんです。これだけ米田くんがリスペクトして来てくれたんだけど、インディーズ時代からお世話になってるTGMXさんとエンジニアの及川さんは僕よりも年上だから、順位が分からなくなりますよね。「フルカワの何が好きなの? 本当に尊敬してるの?」みたいなことを及川さんが米田くんに聞くんですよ。「いやいや、してますよ」みたいな(笑)。本当に楽しかったですよ。米田くんはスタジオにおたべを持ってきてくれて。
米田:夜ダンは京都のバンドなので、京都と言えばおたべかなとお土産に持っていきました(笑)。
──現場の雰囲気的には緊張感も和気あいあい感もありつつ?
フルカワ:米田くんは分からないですけど、僕は和気あいあいでしたね。
米田:ここで録られていたんだなーという感じがすごくしたというか。“同じ言語で通じ合っている人達がいる”という雰囲気を感じました。
フルカワ:ドーパンの『PINK PaNK』『WE IN MUSIC』、オムニバス盤『Dive into Disney』の収録曲「GO THE DISTANCE」は今回のスタジオで録ったのね。メジャーに行ってからはあのスタジオじゃないけど、インディーズ時代はあそこであの人たちと録ってたから。
──フルカワさんのホームですね。
フルカワ:ただ、実は僕も13年ぶりに使ったんですよ。メジャーに行った時は青葉台スタジオでプロデューサーを立てずにやりましたし、最後のほうは自分でスタジオを作って、自分でエンジニアも含めて全てやっていた。ソロになっても普通のスタジオを使っていましたしね。今回、TGMXさんのプロデュースが決まって、じゃあエンジニアはどうしますか?という流れから及川さんが担当してくれて。トリオで13年ぶりのレコーディングをしたんです。
■「フルカワさんに寄せてないか?」

■とも言われたんですよ(笑)──米田貴紀
──それにしても、アルバム収録曲はバラエティに富んでいるのに、米田さんを含む各ゲストボーカルの方にもピッタリ合っています。「この曲をこの方に歌ってもらおう」というイメージは最初からあったんですか?
フルカワ:最初はコーラスに誰を入れるかまで考えてなかったんです。本来僕はコーラスも全部自分でやっちゃうんですが、制作の中盤くらいにTGMXさんから「いろいろな人の声が入っていたほうがいいよ。今のお前のモードもそこに現れるし、音源として彩りも奥行もつくから」というアイデアが出てきて。だから「nothin' without you」も“米田くんをイメージして書きました”とかではなく、仕上がったものの中からお願いしましたね。
──なるほど。
フルカワ:米田くんは分かるかと思うんだけど、例えば“米田くんに歌ってもらおう”って作ることって、なかなかできないんですよ。やっぱり作家とは脳の使い方が若干違いますから。逆に、出来上がった楽曲を聴き直して“この曲を米田くんが歌ったら面白いかもな”って、多少誤差を調節するような作業は面白いですね。“歌ってもらわなきゃ!”と思って制作すると、たぶんそんなに簡単にはいかないんじゃないかな。
──結果的にピッタリ合ったという。
フルカワ:そう、狙ったわけではなかったので。楽曲的にはそこまで米田くんっぽくないけど、確かにハマってますよね。
米田:それって説明しろと言われても難しくて、たぶん感覚で“これは歌いやすい/歌いづらい”があるんです。“そこでそういくのか……”みたいなやりづらさを感じることも、なかにはあるから。今回はそういう違和感がまったく無かったんです。
フルカワ:「スッと入ってきた」って言ってたもんね。
米田:レコーディングで歌った時も、どなたかから「フルカワさんに寄せてないか?」とも言われたんですよ(笑)。自分の中ではそんな気はなくて、普通に歌っているつもりで。やっぱりルーツとしてフルカワさんがあるから、そういう風になるのかなと気づきましたね。
フルカワ:声の混ざりがすごく良かったですね、僕との。今回の収録曲の中でも一番良かったかもしれない。だからといって個性が消えることもなかったし、そこは僕もびっくりしました。リズムが合ったのかな、僕の楽曲を聴いてくれてた証拠だと。
──出来上がった楽曲を聴いた夜ダンメンバーの反応は?
米田:鈴鹿とか周りのメンバーからも「めちゃめちゃ最高やわ」って言われたんです(笑)。僕は歌っている当事者なので、冷静にはなかなか聴けないところもありつつですが、客観的に聴いた人からそういうことを言ってもらえたので、すごく嬉しい。「フルカワさんと一緒にハモったんだぞ」っていうことが形に残り、自慢できるものになりました。
──では、主宰イベント<フルカワユタカ presents「5×20」>が間近に迫って参りましたが。
フルカワ:メインはソロ活動5年。ただ、出演してくれるACIDMANストレイテナーとかは、この5年間で絡んだわけではないですよね。だから、みんなを呼ぼうと決めた時、こじつけかもしれないけどキャリア20年も含めようと。
──だから、「5×20」というタイトルなんですよね。
フルカワ:そう。ただ、僕がサポートギタリストとして参加しているLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERSの活動があるから、ACIDMANの大木(Vo&G)と喋ったりしている部分もあって、だから今回の「5×20」に誘うことができたのかもしれない。開催日が近づいてきて、いろいろ細かいことを構成しているうちに、これは結局、ソロとして活動してきた5年間の話だなとも思っていますね。ややこしい話ですけど(笑)。
──今回のアルバムに参加した夜の本気ダンスやLOW IQ 01、the band apartも出演しますよね。となると、『Yesterday Today Tomorrow』収録曲のステージ再現もあるのかなと?
フルカワ:でもね、フルカワユタカのステージ時間も限られているので、共演ばかりになると“ソロ活動5年間の表現”ができなくなっちゃうじゃないですか。だから、ステージ上で一緒にアルバム曲をやるかどうかは決まってないし、難しい気がしています。ただ、別の機会になったとしても、やらないといけないしやりたいんですよね。
米田:そうですよね。
フルカワ:もしですよ、夜の本気ダンスに余裕があって「nothin' without you」のコピーをしてくるなら、「5×20」の夜ダンのステージで僕が歌うことはやぶさかではないですよ。マネージャーや先輩からは「全部のステージに出れるだけ出ろ」と言われてますから、逆に夜ダンのところに出ていくのは全然ありなんだけど。これがまた強要になってしまうと……ね(笑)。
米田:ははは(笑)! それが出来れば、お客さんも絶対喜んでくれますよね。
フルカワ:僕は当日の負担が多ければ多いほど、出演者のみんなに許されるらしいので(笑)。やれるだけやれって言われてます。
──<フルカワユタカ presents「5×20」>では、いろいろなフルカワさんが見られるということですね。
フルカワ:それよりなにより、僕の見たいバンドがいっぱい出てくれるという、それがありがたい。
■この一日が20年の集大成になり

■ソロとして歩けるようになる──フルカワユタカ
──米田さんの「5×20」への意気込みは?
フルカワ:メンツがね(笑)。
米田:そうですね、フルカワさんとは関わりがあるんですけど、それ以外の出演者さんで考えると……なかなかの緊張ですね。
フルカワ:全員先輩もいいとこだね(笑)。フェスを除くと、たとえば4バンドくらいのイベントでACIDMANと共演とかってないでしょうからね。the band apartは好きだったでしょう?
米田:はい、好きです。
フルカワ:彼の世代はドーパンが好きだとバンアパも好きで、バンアパが好きだとドーパンも好きという人が多いんですよ。インディーズの頃は一緒にやってたから。
米田:今回は出演者の方々がそういう世代の先輩ばかりなので……。Base Ball Bearも学生時代に聴いていましたから、憧れの存在なんです。
フルカワ:僕も出演者の半分は先輩ですから、当日はもうてんやわんやですよ。さっきのヒエラルキーの話じゃないけど、僕が一番心配しているのはこんなに尊敬してくれている米田くんが、酔っぱらった先輩たちにいじられている僕の姿を見て嫌いにならないかなって……だって、すごいんだから(笑)。
米田:縦社会ですね(笑)。僕らより上の世代はそういう縦の文化が濃くて、僕ら世代以降はそういうのが無くなったみたいなんです。10-FEETさんから聞いたんですけど、「先輩後輩の関係性も昔と今とでは全然違う」って。良い悪いではなく、そういう文化が当たり前だったって。
フルカワ:そうかもね。でも、もちろん絡まれたりはしないよ、みんな今はもう大人だから。相撲の世界と一緒です。昔はそれで良かったけれど、“かわいがり”はもうやめようぜって(笑)。
米田:フルカワさんたちの世代がそう言ってくださっているから、僕らが助かっているような状態ですね。
フルカワ:だったらよかった(笑)。
──<フルカワユタカ presents「5×20」>は舞台裏も楽しそうですね。最後にフルカワさんからも意気込みを。
フルカワ:月並みですが、この日が20年の出口になり、次の入り口になればいいなと思っています。今、やっと昔を振り返れるんですよね。自分が尖っていた理由も今なら説明できるような気がしています。当時はよく分からなくて、とにかく尖らなきゃいけない、寄せつけないようにしなきゃいけないと考えていたんです。そこまでストイックにしてこそ、すごいものが生み出せると。でも今思うと、芸術家気取っててチャンチャラおかしいんですよ。そう言えるようになったのはここ数年のことで、過去を振り返れるようになると、今度は未来の話が分かりやすく表現できるようになってくる。
──アルバムタイトルの『Yesterday Today Tomorrow』にも通じる話ですね。
フルカワ:そういった意味では、この一日が20年の集大成になり、そこから、晴れてフルカワユタカとして活動できるのかなって。ソロ最初の3年はドーパンの曲を絶対やらないって決めていたんですよ。自分の中でもどう昇華していいかわからない時期がずっとあって。今回のイベントを成功させることでソロアーティスト・フルカワユタカとして歩けるようになることを期待しています。自分本位な話ですが、そのために夜ダンとかに出演してもらうんだという気持ちがあります。
──夜ダンの責任も重大ですね。
フルカワ:いや~、夜ダンにはカマしてほしいね。中堅やベテランばっかりの中、彼らは圧倒的に若いですから。
米田:緊張をうまくプラスに変えて、絶対に変な感じにしないように(笑)、ライブでバシッと見せないと。
フルカワ:あまり偉そうに言うと老害っぽくなっちゃうし、僕が言うと変なことになっちゃいますけど、心の中では、「他のバンドではなく、夜の本気ダンスが選ばれたんだ」という気持ちでカマしてほしいと思ってます。ひとつの若者カルチャーとして夜の本気ダンスは活躍しているわけで、僕らがやっていないことで人々を魅了してる。当日はそう思ってカマしてもらえたら面白いことになるはず。あとは鈴鹿くんが変なこと言わなきゃいいなって(笑)。
米田:そこはリアルにそうですね(苦笑)。ライブ中のMCで鈴鹿が変なこと言って……。
フルカワ:いじり間違えるっていうね。
米田:結果、裏でごちゃごちゃなるというのは……。
フルカワ:そうなると……もう目もあてられない(笑)。
米田:あ~もう、そういうことがないように、そこにも気を遣いつつ(笑)、精一杯頑張ります!
取材・文◎小西麻美

撮影◎キムラユキ
■<フルカワユタカ presents「5×20」>


2018年1月28日(日) 東京・新木場STUDIO COAST

開場13:15 開演14:00

▼出演 フルカワユタカ and many bands & musicians

ACIDMAN / ART-SCHOOL / Keishi Tanaka / the band apart / FRONTIER BACKYARD / Base Ball Bear / ホリエアツシ (ストレイテナー, net) / 夜の本気ダンス / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS (※50音順・敬称略)

▼チケット

スタンディング 4,800円(税込)

※「スタンディング」「整理番号付」「ドリンク代別途徴収」

※3歳以上要チケット

一般発売:2017年11月25日(土)

(問)DISK GARAGE 050-5533-0888 (weekday12:00~19:00) http://www.diskgarage.com/

【プレイガイド】

・e+ http://eplus.jp/furukawayutaka18/

・ローソンチケット http://l-tike.com/ 0570-084-003 Lコード:72823

・チケットぴあ http://pia.jp/t/ 0570-02-9999 Pコード:346-255

■全国ツアー<フルカワユタカ presents 『yesterday today tomorrow TOUR』>


2018年1月13日(土) 愛知県 伏見JAMMIN'

2018年1月14日(日) 大阪府 Shangri-La

2018年2月11日(日・祝) 静岡県 Shizuoka UMBER

2018年3月17日(土) 岡山県 岡山ペパーランド

2018年3月18日(日) 福岡県 INSA

2018年3月21日(水・祝) 宮城県 enn 3rd

■<yesterday today tomorrow TOUR extra>


2018年2月12日(祝) 鹿児島県 Live HEAVEN

2018年2月18日(日) 福島県 Player’s Cafe

2018年2月25日(日) 北海道 musica hall cafe

2018年3月10日(土) 京都府 SOLE CAFE

2018年3月11日(日) 石川県 もっきりや

w/荒井岳史 (the band apart)

▼チケット

3,300円 (+1ドリンク代別)

全自由/整理番号付

一般発売:1月13日(土)
■アルバム『Yesterday Today Tomorrow』


2018年1月10日(水)発売

NIW137 3,000円(+税)

01. revelation

02. シューティングゲーム

03. busted

04. 僕はこう語った

05. days goes by

06. デイジー

07. DAMN DAMN

08. nothin' without you

09. バスストップ

10. no boy no cry

プロデュース:TGMX(FRONTIER BACKYARD)

▼ゲストヴォーカル

M1:LOW IQ 01

M5:UCARY & THE VALENTINE

M8:米田貴紀(夜の本気ダンス)

M9:荒井岳史(the band apart)

▼作詞

M7:須藤寿 (髭)

関連サイト

BARKS

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