【WANIMA インタビュー】
音楽を通じてともに生きていこう
“どういう時に俺は音楽が必要やっけ？
”って、今回も何度も考えました
それでは、新作『Everybody!!』についてうかがっていきます。フルアルバムということで気負う部分もあったのかなと想像しますが、そのあたりについてはいかがですか？
KENTA
期待に応えたくて気負いはいつもありますけど、それはいつもと同じで。フルアルバムでもシングルでもそこへ臨む温度は変わりません。
何かテーマとして考えたことはありました？
KENTA
音楽って感じるもので、世の中になくてもいいって方もいるとは思うんですが…でも、僕たちは音楽に助けられて、音楽がないと楽しく生きていけなかった人たちなので、“どういう時に俺は音楽が必要やっけ？”って今回も何度も考えました。そうなった時、音楽は難しく考えるものじゃないなと再確認しました。考えれば考えるほど面白くなくなっていったし、難しく考えんとこうって。
妙に小難しく考えそうになったところもあったと。
KENTA
無意識のうちにチカラ〜が入っていたかもしれません。
実際、今の状況を踏まえたら当然のことだと思います。
KENTA
でも、そこからオフィシャルサイトにも掲載した“みんな誰にでも届くアルバムになるように”というところへ向かって行こうとメンバーに話して決意しました。
まず先駆けとして「ヒューマン」の配信が開催され、かなり大きな反響が起こりましたが。
KENTA
この曲を作るにあたって“生きるって何だろうな？”って考えました。
挫折を乗り越えようとする、踏み出そうとするメッセージを感じましたし、曲の始まりと終わりの弾き語り調のアレンジも相まって、いい重さがある曲だなと思います。
KENTA
それぞれたくさんの正解がある中から、自分で納得いく答えを手繰り寄せないといけないと思ったんです。その時、“そういった立場に代わることはできないけど、音楽で何かできないかな？”と。
その救いになれば？
KENTA
少しでもきっかけや支えになれば。僕も「ヒューマン」ができて救われたし、また曲が作れてすごく嬉しいです。
その“救われた”というのは、イメージが具現化した喜びとはまた違うんでしょうか？
KENTA
もちろん、かたちにできた、辿り着いた喜びや達成感はあるんですけど。救われたと感じるのは、聴いたみなさんが反応してくれて、届いてるなと感じた時です。励みになります。チカラ〜!!
WANIMAは3人で曲を作ってかたちになったとしても、まだ完成じゃないのかもしれない。お客さんへ届いて、そこで命が吹き込まれるような。
KENTA
お客さんとつながって完成という。曲を作る時、いつも“これが最後だ”っていう向き合い方をしてるし、例え僕たちがいなくなっても曲は残る。伝えたいことがあるうちは、いろんな曲を作ります。
側から見たら3年後でも5年後でも作品を発表できるだろうと思うんでしょうけど、そんな気持ちじゃやっていけないですよね。
KENTA
先のことは分からないです。今です、今。まさか、僕もこんな短髪になると思ってなかったし（笑）。
似合ってますし、IT企業とかにいてもおかしくないような雰囲気ですよ。
KENTA
そうですよね。元カノから“今の彼女さんそんなにうるさいの？ ロン毛が嫌いなの？”って連絡が来ました。
ハハハハ。また、リリースを発表したトレーラーでは「CHEEKY」がフォーカスされましたが、スピード感があってWANIMAっぽい仕上がりの曲ですけど、どうしてこの曲を選んだんですか？
KENTA
ここ最近はちょっと真面目なことばっかり歌いすぎたかなと（笑）。
FUJI
トレーラーでは2分ぐらいで曲も途中で終わってるんですけど、あそこからもうひとエロ、ふたエロ、みエロぐらいあるんで（笑）。SEX下手そうランキング１位の僕でも分かりやすかったです。
この振り幅はWANIMAならではの自由度ですよ。
KO-SHIN
それを一枚の作品としてギュッとできたのが良かったもん。
KENTA
同じアーティストが歌ってると思わないですよね、「ヒューマン」と比べたら（笑）。でも、みんなそれぞれそういう部分もあると思うんです。だから、いろんな想いやシチュエーションにはまればいいなと。生活のいろんな場面で聴けるだろうし。
そして、作品の核になりそうなのが「シグナル」だと感じました。
KENTA
『18祭』という1,000人の18歳世代と一緒にステージを作るという企画番組の話をいただいて、“自分たちのその時期はどうやったかな？”って思い返しながら作った曲です。18歳世代のみんなからの応募動画を観てハッとしたんですよ。大切なこと、大事なことを再確認させられたっていうか。みんな、照れながらも自分たちの想いを伝えてくれたんです。
18歳って不安定な時期ですよね。
KENTA
当時を振り返ったら、“いろんな人に認めてほしかった”っていう想いがあって。周りからは大人でも子供でもない扱いの18歳、“完璧じゃないと駄目なんだ”とは思ってほしくないなと。そこから歌詞にもある《未完成でいい 肩並べて》という言葉に辿り着いたんです。“未完成でもいいけん、全力で自分がやりたいことに向き合う姿勢が大切”ってことを伝えたくて。
WANIMAの背骨みたいな想いが込められた曲だと感じました。まず、“そのままでもいいんだよ”と自分の存在を肯定してくれた上で語りかけてくれる曲だなと。加えて、《駄目なら戻って来い》というのもWANIMAらしいですよね。
KENTA
ライヴハウスやったり、アリーナやったり、僕たちがWANIMAっていう帰って来れる場所を作っておけたら、生活の中でそういう場所があれば、ちょっと心にスペースができるかなって思うんです。
リリース後には、その場所が各地で開催されるツアーも予定されてますね。アリーナとライヴハウスを行き来する面白い試みだと思います。
KENTA
もともと、『Can Not Behaved!!』（2014年発表の1stミニアルバム）の時は全部で17分しかないから2回転させてたバンドが、みなさんの応援があってこの規模でやれるようになったので、“みんなとどこへ向かいたいのか？”っていうのをメンバーとスタッフで意識を統一しました。
アリーナとライヴハウス、臨む気持ちとして違いはありますか？
FUJI
いや、やることも臨む気持ちも一緒です。ワンマンですのでやる気マンマンのManです!!
KENTA
ただ、スタイルというか、闘い方が違うというか。みんなを楽しませたい、驚かせたいっていうのはどっちも変わらないし、なるべく多くの人と楽しい時間を過ごせるように作戦を練っています。
アリーナだからできることもあるでしょうし、ライヴハウスだからこそ表現できることもあったり。
KENTA
どっちも良さがあるじゃないですか。ライヴハウスには現場に来ないと分からん空気感があったり、アリーナは格別な解放感があったり。どちらかしか味わったことがない人は、知らないほうも知ってほしいし。このツアーでは、アリーナとライヴハウスをWANIMAが貸し切ってみんなを楽しませるってことがどういうことか思い知らせたい！ いくらかかったと思っとるんや!!（怒）
ハハハハ。これからも突き進んでいくわけで、努力も必要でしょうし、楽しいことだけじゃないと思うんです。それでも続けていける原動力はどこにあるんでしょうか？
KENTA
いろんなメディアに出させていただき、心ない言葉が目についたり、言われたりもしますけど、それよりも“ともに生きていきたい”と応援してくれる人がいて、そういった人たちの言葉や想いで僕らは救われて、励まされてるんです。また、さまざまなジャンルの方と共演し、華やかな大舞台での経験を重ねる中で、ロックバンドが一番カッコ良いな、バンドって音楽っていいなと最近強く思いました。
WANIMAとしては、その気持ちにしっかりと応えていきたいと。
KO-SHIN
それぞれに悩みがある中で、僕らもみなさんも立場は一緒だと思っていますもん。気持ちを音で伝えれるようにします。
KENTA
たくさんの方に音楽を届けられる人間になる準備をしっかり積み重ねていきます。WANIMAを引き続きよろしくお願いします。
取材：ヤコウリュウジ
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アルバム『Everybody!!』2018年1月17日発売
unBORDE／WARNER MUSIC JAPAN
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『WANIMA Everybody!! Tour』
2/01（木） 神奈川・CLUB CITTA'
2/03（土） 静岡・浜松アクトシティ 展示イベントホール
2/04（日） 静岡・浜松アクトシティ 展示イベントホール
2/14（水） 香川・festhalle
2/16（金） 愛媛・松山市総合コミュニティセンター
2/17（土） 高知・CARAVAN SARY
3/11（日） 大阪・大阪城ホール
3/21（水） 宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ
3/25（日） 新潟・朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター
3/30（金） 北海道・Zepp Sapporo
3/31（土） 北海道・Zepp Sapporo
4/06（金） 沖縄・ミュージックタウン音市場
4/07（土） 沖縄・ミュージックタウン音市場
4/14（土） 広島・広島グリーンアリーナ
4/18（水） 愛知・日本ガイシホール
4/21（土） 千葉・幕張メッセ 国際展示場 9-11
4/22（日） 千葉・幕張メッセ 国際展示場 9-11
5/03（木） 福岡・マリンメッセ福岡
5/04（金） 福岡・マリンメッセ福岡
ワニマ：2010年結成。熊本出身の3ピースロックバンド。14年10月、1stミニアルバム『Can Not Behaved!!』リリース後、11月から全国ツアー『Can Not Behaved Tour』を33カ所で行なう。その後、大型フェスティバルへの出演を軒並み果たし、いくつもの入場規制を記録。15年8月に1stシングル「Think That…」を、同年11月には1stフルアルバム『Are You Coming?』を発表。17年5月にはワーナーミュージックのレーベルunBORDEよりシングル「Gotta Go!!」をリリースし、勢いよく駆け抜けた同年末、『NHK紅白歌合戦』の出演までも果たした。WANIMAオフィシャルHP
「シグナル」MV
