【インタビュー】新世代のクリエイタ
ーは歌って踊る── MADKID、メジャ
ーデビュー

2014年からインディで活動してきたダンスヴォーカル・グループ“MADKID”が1月31日にシングル「Never going back」でメジャーデビューを果たす。これを記念してBARKSでは彼らへのインタビューを実施し、5人が考えるダンスヴォーカル・グループ像や、彼らの表現する音楽について訊いた。MADKIDは、歌って踊る、新しいタイプのクリエイターだ。このフレッシュな感性に是非とも触れてみてほしい。
◆MADKID 画像ページへ
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■ MADKIDはこの5人以外考えられない
── MADKIDはどのようにして結成されたのですか?
KAZUKI:もともとは、みんなそれぞれが音楽活動や芸能活動をしていたんです。高校の同級生だったり、オーディションとかで知り合ったりして、僕とYOU-TA、LIN、YUKIが繋がり意気投合して結成しました。
YOU-TA:最初は、まだSHINではない別のヴォーカリストを入れた5人組のダンスヴォーカル・グループだったんです。僕は高校まで野球一筋で生きてきたんですが、カラオケで友達が僕の歌で泣いてくれたことがきっかけで、高校を卒業してから音楽の道に進みました。その中でMADKIDのプロデュースをしている北浦正尚さんと知り合いまして、ちょこちょこ歌のお仕事をいただいていたんですね。で、MADKIDを結成したタイミングで「プロデュースしてほしい」とお願いしにいきました。
── SHINさんはどんな経緯で加入したんですか?
YOU-TA:SHINは別のグループで活動していて、その頃から存在は知っていました。そのグループが解散しちゃって、僕らもメンバーの脱退があったから、1年くらいずっとSHINをMADKIDに誘い続けてたんですよ。でもなかなかいい返事ももらえなくて。
SHIN:タイミングが合わなかったんですよ。でもたまたま観たMADKIDのライブがあまりにカッコよくて。それで「一緒にやらせてほしい」と僕からお願いしたんです。YOU-TAは本当に男らしいやつで快諾してくれました。今は5人で少しでも高いところに行きたいと思っています。僕は別のグループにいた時に、4人がすごく頑張ってて苦労してきたのを見てたから、余計にそう思う。
── 4人での活動はどんなところが大変でしたか?
YOU-TA:5人でのパフォーマンスを前提に振り付けを作っていたから、1人抜けてしまうとその構成を全部作り変えなきゃいけないんです。僕らはダンスありきのグループなので、メンバーが脱退するたびの降り出しに戻る感覚でした。歌もダンスもパフォーマンスも、やる人によって全然違う。だから僕はメンバーが簡単に脱退してしまう感覚がわからないんですよ。MADKIDはこの5人以外に考えられないですね。
KAZUKI:僕もSHINちゃんがダメなら4人でいいと思ってました。
SHIN:自分で言うのもアレなんですが、僕はちょっとアイドルっぽい雰囲気があるんですよ(笑)。でもそういうのが嫌で。MADKIDはみんなが僕と正反対のキャラクターを持っているので、僕が素のままでいてもちゃんと成立する。本当に理想的なグループだと思います。
YUKI:ダンスヴォーカル・グループというと、どうしてもアイドル的なイメージを持たれてしまうんですけど、僕たちは作詞作曲も自分たちでしているし、この5人でしかできない表現をしていきたいんです。
LIN:そうだね。ダンスヴォーカル・グループなんて、昨今は誰でも簡単に組めちゃいますから。J-POPやK-POPの人気アーティストの感じをパクればいいんですもん。
SHIN:とはいえ僕らがアイドルなのか、アーティストなのかは、最終的に観ている人たちが決めることだから、僕らは自分たちの音楽を追求していくだけです。僕は途中で加入しているからこそ、みんなの人生を背負う覚悟でやってます。

▲左からSHIN、LIN、YOU-TA、YUKI、KAZUKI
── みなさんはどんな曲を聴いてるんですか?
SHIN:最近だと、僕はサム・スミスをめちゃめちゃ聴いてますね。
YOU-TA:僕はDJもするので、いろんな音楽を聴きます。ヴォーカルという部分に関して言うと、ブライアン・マックナイトとかジェイピー・クーパーとかが好きです。日本人だったら玉置浩二さん。歌い回しのテクニックを少しでも吸収したくて。移動の時はEDMが多いですね。
KAZUKI:僕はK-POPが多いですね。あとはジャンルを決めずに好きなものを聴いてます。
YUKI:僕はマイケル・ジャクソンが好きで、彼に影響を受けたアッシャーとかを聴きます。80〜90年代のダンスヴォーカル・グループの曲も好きだな。
LIN:俺はインストものが多いですけど、特に好きなのはtofubeatsさんやseihoさんです。でもラップをはじめたきっかけはPSGなんですよ。
SHIN:みんな違う感性で違う音楽を聴いているので、メンバー同士で音楽の話をすると常に発見がありますね。深まっていくというか。
──楽曲制作はどのように行なっているんですか?
YUKI:制作の時は俺とLINの2人が頭を抱えながらやってます(笑)。
LIN:でも曲によりけりですね。北浦さんがベースを作ってくれることもあるし。そこから全員で煮詰めていきます。
──プロデューサーの北浦さんはどのように制作に関わっているんですか? 彼は東方神起をはじめとするさまざまなアーティストの楽曲制作に携わっていますね。
YUKI:俺らがやりたいことを聞いて、形にしてくれるんです。荒削りなアイディアを整えてくれるというか。
YOU-TA:とにかく仕事が早い。僕らがとまどうスピード感でいろんなことが進んでいきます(笑)。
◆インタビュー(2)へ
■ もちろん世界にも進出しますよ
──メジャーデビュー曲「Never going back」はどのように制作したのですか?
YUKI:この形になるまではかなりいろいろな試行錯誤がありましたね。最初は今の自分たちを表現しようとしすぎて、USのトレンド取り入れた複雑でわかりづらい曲でした。
LIN:そこを北浦さんが軌道修正してくれて。MADKIDのカラーを消さずに尖った部分を丸くしてくれました。客観的に聴いても今の形がちょうどいいと思いますね。
──歌詞にはどんな気持ちが込められていますか?
YUKI:やはりメジャーデビュー曲なので、自然と「前を向いて進んで行こう」という内容になりました。過去にもそういう曲は作ってきましたが、まさに今の気持ちがそのまま歌詞になっていますね。
YOU-TA:僕はメインヴォーカルなので、歌に芯を持たせることを意識しました。あとKAZUKIとSHINとの調和も大事にしていますね。
KAZUKI:僕は細い声質なんですが、YOU-TAの声との相性がすごくいいんですよ。レコーディングエンジニアの方も驚いていました。お互いちょうど喧嘩しない音域なので、自然なハーモニーが作れる。ほとんどの曲で高音部のコーラスを歌っているので、曲により厚みを出すことを意識してます。
── 2人がそこまで完璧なハーモニーを作れると、後から入ったSHINさんは苦労が多かったんじゃないですか?
SHIN:悩んだ部分は多かったです。僕は前に所属してたグループでアイドルっぽい曲をたくさん歌ってたから、どうしてもJ-POPっぽくなっちゃうんですよ。でもMADKIDの曲を歌うんだったら、もっと声を太くしなきゃいけないと思ったし、もっと曲に合わせた声の出し方をしなきゃいけなかった。いまもまだ修行中です。でもこの「Never going back」はしっかり思いを込めて歌うことができたと思います。
YOU-TA:そこは本当に大事で。僕もうまく歌うことより、聴いてる人にメッセージが伝わるような歌い方を常に意識しています。
──曲作りの段階で、YUKIさんとLINさんがヴォーカルチームにディレクションすることはありますか?
LIN:ディレクションという感じではないかな。
YUKI:そうだね。作った時にイメージしてたグルーヴを伝えたりしますけど。ただヴォーカルチームもそれぞれ考えてきてると思うから、そのアイディアを尊重しつつ、北浦さんも含めた全員がチームになって少しずつ1曲を組み立てていく感じです。
YOU-TA:例えば「Stuck on U」ではYUKIとLINがまっすぐな歌詞を書いてくれたので、ヴォーカルはあえてエッジの効かせたり。サビで切なさが際立つようにBメロをシンプルしたりしました。
YUKI:逆に「Rain」は僕がサビを作ってるし。この曲はラップが難しかったな。
LIN:「Rain」は「Never going back」とBPMが同じだからね。
YUKI:だからちょっと工夫しないと、代わり映えしないラップになっちゃう。LINちゃんはいつもはサクッと歌詞を書くタイプなのに「Rain」は珍しくすごく悩んでたよね。リズムの取り方やフロウをかなり工夫しました。
──最後にみなさんの目標を教えてください。
LIN:俺はラッパーとして「割といいラップしてんじゃん」って思われるようになりたいですね。
KAZUKI:僕らは日本コロムビアが初めてリリースする本格的なダンスヴォーカル・グループなんです。東方神起に憧れてダンスヴォーカル・グループを始めた僕からしたら、夢みたいな気持ちです。でも今後はその夢が現実になるように努力して、いずれは日本コロムビアの看板アーティストになりたいです。
YOU-TA:そうだね。でもMADKIDのスタイルは崩したくない。今回メジャーデビューしましたけど、あくまで自分たちの音楽をやっていきたいです。
YUKI:ダンスヴォーカル・グループっていう枠組みにとらわれずに表現したいよね。俺らのステージを観に来たいって思われるような存在というか。でもそれは俺1人の力では実現できない。だからチームとして一丸となって、みんなとどこまでも前に進んでいきたい。
SHIN:目標はたくさんあるんですよ。5人で音楽番組に出たいとか、武道館でやりたい、東京ドームのステージに立ちたいとか。とにかくたくさんの人にMADKIDの音楽を届けたいんです。もちろん、世界にも進出しますよ(笑)。
取材・文◎宮崎敬太
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▲SINGLE「Never going back」Type-A(CD+DVD)

▲SINGLE「Never going back」Type-B(CD)
MADKID MAJOR 1st SINGLE「Never going back」


2018年1月31日(水)発売

Type-A【CD+DVD】 ¥1620(tax in)

Type-B【CD】 ¥1300(tax in)
【CD収録内容】

1.Never going back

2.Stuck on U

3.Rain

4.Never going back(Instrumental)

5.Stuck on U(Instrumental)

6.Rain(Instrumental)
【DVD収録内容】

1.Never going back(Music Video)

2.Making of Music Video
MADKID LIVE2018 <Never going back>


2018年4月30日(月・祝)16時30分開場 / 17時30分開演

会場:新宿ReNY

チケット価格:前売り3500円(1D別)

問い合わせ:DISK GARAGE 050-5533-0888 (平日12時~19時)

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