12月27日@横浜アリーナ

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超特急、アクシデントを乗り越えて
掴んだ8号車との強い絆

結成6周年を迎え、全国4都市5公演にのぼる自身最大規模の全国アリーナツアー『BULLET TRAIN ARENA TOUR 2017-2018 the end for beginning』を開催中の超特急が、初の横浜アリーナ公演を12月27日に行なった。

史上初のメインダンサー&バックボーカルグループとして人気加速中の彼らだが、ツアー3日目となるこの日はダンスリーダーのユーキが当日のリハーサルで負傷を負い、一部楽曲に参加できなくなるアクシデントが発生。しかし、逆境だからこそ力を発揮するのが超特急で、開演前の「皆様と最高の思い出になるライブに絶対にします」という力強いリョウガのアナウンスには大きな歓声と拍手が湧き、事実、ライブでは未だかつてない声とペンライトの光で会場を揺るがす8号車(超特急ファンの呼称)の姿が。そこにメンバーの全力サポートも加わって生まれた史上最高の一体感が、逆に彼らの絆をより強固なものとして、超特急史上に残る歴史的なステージで集まった15000人の胸を感動で震わせた。

ユーキが総合演出を務める等、メンバーそれぞれが得意分野を活かしてライブ制作に参加している今ツアー。横浜アリーナからの東名阪アリーナツアーはクリスマス公演とは全く異なるメニューが用意されており、近未来や宇宙をイメージさせる要素が巨大モニターでの映像や舞台装置、セットリスト等に数多く盛り込まれていた。ユースケのプロデュースによるオープニング映像で、たくさんの8号車と出会い、愛を届けるために困難を乗り越えながらも宇宙船で旅を続ける7人が宇宙空間に飛び出して高速ワープすると、天井のシャンデリアが輝きながらセンターステージに降下。再び上昇すると共にステージが天高くせり上がり、今ツアーのメインビジュアルでもある近未来風のスーツに身を包んだ7人が現れて、クリスマス公演でラストを締めくくった東名阪3 公演のテーマ曲「The End For Beginning」から再びツアーの幕を上げる。

まずは普段通りに踊るユーキの姿をそこに認めた客席から大歓声が湧くが、壮大なサウンドに乗ってもがき、苦しみながらも未来へ歩み出すのだという強い決意を表した曲は、まるで今の彼らを歌っているようで、《強くなったんだ僕らも》という歌詞を歌うコーイチの声音もいつになく力強いもの。また、モニターに映し出された宇宙空間をバックに、天高く上った7人が踊る様はまるで宙に浮かんでいるかのように神秘的で、ユーキが掲げた右手に皆がすがりつくクライマックスだけで早くも涙腺が緩んでしまう。

そして「新たな旅が始まった! みんな声出して、最高に楽しんでいこうぜ!」とユーキが絶叫して「Drive on week」へ。“新たな旅”とは東名阪ツアーの始まりという意味でもあり、困難を乗り越えて旅をするという今回のツアーストーリーと、奇しくもピタリとシンクロしてしまったリアルな現状を乗り越え、新しい超特急になっていくのだという想いが込められたものだっただろう。悔しくてたまらないはずの彼に力を与えるべく、ダンサー陣の名前が順にコールされるこの曲は、特別なアレンジに。「全員ユーキって言ってくれ!」(ユースケ)、「もっと! ユーキ!」(カイ)、「8号車のみんな、ユーキに聞かせて! ここからが始まりだぜ!」(コーイチ)というメンバーの煽りに応え、全てが「ユーキ!」コールに塗り替えられてゆく。そんな8号車の声援を受け、ようやくニッコリと笑顔を見せたユーキに、また8号車の歓声が。こうして宇宙を舞台にした物語を綴りながら、どんどん笑顔が連鎖していくこととなる。

クールなエレクトロEDM「Time Wave」では、怪しい宇宙船を映すモニターとシンクロしたアクションで、異空間へのワープしてゆく様が迫力満点。そのワープをステージ上の動きで表したのが「pani pani」で、メンバーが代わる代わるステージに吸い込まれたり、回転するセンターステージに突然登場したりと、これまた超特急らしいコミカルなムードを誘う。かと思いきや、ダンサー陣による巧みなベスト使いのメリハリ利いたソロダンスへと雪崩れ込み、彼らの持つ表現力の幅広さを証明。極めつけに超特急史上最高にロックな「Beautiful Chaser」では、ユーキが腕を振り下ろした瞬間ステージが火の海に! 太陽のコロナを映した映像と併せ、燃え滾る炎は困難に負けまいとする彼らの心の炎とも重なって見えた。また、曲中ではチェーンで拘束されたユーキが、見事に脱出するイリュージョンも。最後にニヤリと笑みを浮かべたユーキに、尋常でない歓声が湧いたのは言うまでもない。

スペシャルな演出は、まだまだ続く。カジュアルなストリートスタイルに着替えると「Gravitation」では、ユーキ以外の6人でステージに設置されたトランポリンを使いパフォーム。LED縄跳びや宙返り等、空中で高度な技を披露して、最後にはタクヤが張力だけで見事90度の壁を登り切ってみせた。そして「ちょっとドジっ子しちゃった。心配かけてごめんなさい。気持ちはとても元気なので笑顔になってください!」と、ドジっ子担当らしく頭を下げたユーキを加えて、2017年を振り返るMCへ。ユーキはバラエティ番組出演、カイとタカシは役者業、ユースケは初の作詞作曲と活動の幅を広げられたことを語った他、タクヤは史上最長となった春夏ツアーで初開通の地を数多く回り、その土地土地の美味しいご飯が嬉しかったと話す。

グループとして、しっかりと成長を果たせたことを確かめてからの後半戦は、さらにヒートアップ。その勢いを倍増させていたのはクリスマスに6周年を迎えた今、改めて隣に互いがあることを噛み締められる喜びだった。「My Buddy」でユーキと手を取っていつになく楽しそうに跳ねるリョウガに、「Shake body」ではユーキを気遣ってお姫様抱っこで運ぶユースケの姿も。「gr8est journey」や「バッタマン」といった曲中に号車のカウントのある曲では、5号車ユーキの“ファイブ"の声が入ることに本当に嬉しそうなメンバーに、こちらまで笑顔になってしまう。それは8号車ももちろん例外ではなく、特に「Burn!」等の盛り上がり必至のライブチューンの爆発力は凄まじいもの。15000人がカラフルなペンライトを力の限り振りたくる横浜アリーナは、まさしく絶景と言うほかなく、その様子にユースケは「8号車も超特急も大好きだ!」と心からの叫びを迸らせた。

アンコール一発目の「BREAK OFF」も、24・25日のクリスマス公演のテーマ曲として作られた新曲ゆえ今日で3 度目の披露にもかかわらず、8号車は迷いなく声を入れ続けて、リョウガに「疲れない?」と言わしめたほど。続くMCでは「8号車の一人ひとりが大事なメンバーだなって改めて感じられた」と、タカシが感謝を述べる。また、横浜が地元なので本当に楽しみにしていたというカイの「こういう状況だからこそ8号車との絆、メンバーとの絆を再確認できて、思い出になるライブになった。この絆をもっともっと固いものにして、もっと良い景色を見せると約束する」という言葉には、誰もが頷いたことだろう。最も辛いはずのユーキも「今日しか来られない8号車の皆さんもいる中で、僕が100%の力でパフォーマンスできなかったのが本当に悔いが残るんですが、次に会ったときは絶対精一杯の力で笑顔にします。これからもっと切磋琢磨して、最高のパフォーマンスと笑顔を届けたい!」と、目を真っ赤に腫らして宣言してくれた。思わず涙目になる8号車に、リョウガが「悲しむことはいつでもできるよ。でも楽しむことは今しかできない!」とリーダーらしく一喝しての「超えてアバンチュール」では、そんな彼も曲中でユーキと全力でハグし、最年少のタカシに「泣いたらアカン!」と言われる場面も。メンバーの中でも最も付き合いの長い二人の熱い信頼で再び涙を誘えば、ユースケも「ユーキ、頑張ったな!」と決め台詞を言い替えるダメ押しぶりだ。

そして花道の先のセンターステージでラスト曲「fanfare」を披露し、「必ずこの借りは返す!」「まだまだ足りないところもありますが、超特急はこれからも突き進んでいきます!」と全力で決意表明したユーキ。最後の幕が下り切る瞬間まで「またね! 必ず!」と、名残惜しそうに何度も繰り返してくれた。下りてきた紗幕には「We are THE BULLET TRAIN!」と気合入れする7人と、飛び去ってゆく宇宙船の映像が。また、新たな8号車と出会うため、より多くの人々を笑顔にするために12月30日の日本ガイシホール、来年1月6日の大阪城ホールとツアーは続いていくが、8号車の笑顔を守るのは超特急。そして超特急の笑顔を守るのは8号車だと確かめ合うことのできたこの日のライブは、その場にいた全ての人々に間違いなく最高の思い出を残してくれただろう。そして、さらに最高の旅が、この先にまだまだ待っているのだ。

BULLET TRAIN ARENA TOUR 2017-2018『the end for beginning』

12月30日(土) 愛知・日本ガイシホール
<2018年>
1月06日(土) 大阪・大阪城ホール
※全公演ソールドアウト

■特設サイトURL
http://bullettrain.jp/tour2017-2018/

12月27日@横浜アリーナ
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OKMusic編集部

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