Best Tracks Of 2017 / Toyamer キュ
レーター、Toyamerによる2017年の年
間ベスト・トラック!

今年は(ほぼ)初めて海外に行き、初めて会社勤めをし、初めて一人暮らしをするという刺激に溢れた1年に。仕事もプライベートも音楽漬けでした。


5. Sacred Paws / Rest
2月にヨーロッパを旅した時、ロンドンのRough Tradeでたまたまインストア・ライブを観たバンド。ライブ後にApple Musicでアルバムをダウンロードし、ロンドン観光中によく聴いていたら、以降曲を聴くたびにロンドンの街並みがフラッシュバックするようになってしまいました。旅の記憶や土地の質感が音楽と密接に結びつくという経験はありそうでなかなかないような気がする。リリースされたのは実は昨年なのですが、その経験に感謝をこめてベスト・トラックに選出。


4. ARTHUR / Scared
フィラデルフィアを拠点に活動する20歳のトラックメイカーによる、わずか1分40秒の楽曲。
これをポップと呼ぶにはあまりにも実験的過ぎますが、聴き終わった後に思わず口ずさみたくなるようなポップさがあります。
この1曲だけと言わず、ぜひ〈PLZ Make It Ruins〉からリリースされた彼のデビューEP 『Challenger』(https://plzmakeitruins.bandcamp.com/album/challenger) (3曲入り約5分)を聴いてみてほしいです。変幻自在の展開に頭がクラクラしてしまうはず。

https://plzmakeitruins.bandcamp.com/album/challenger


3. Vince Staples / Crabs In A Bucket
■ 関連記事:Vince Staples / Love Can Be… ft. Ray J, Damon Albarn, Kilo Kish(https://spincoaster.com/vince-staples-ft-ray-j-damon-albarn-kilo-kish-love-can-be)

個人的に今一番イケているラッパーは間違いなくVince Stapleだと思います。6月にリリースされた新作『Big Fish Theory』は流行のサウンドやヒップホップのセオリーを一切無視し、自分の表現を徹底的に追求するという彼のアーティストとしてのスタンスが明確になった1枚。結果として、SOPHIEやFlumeがプロデュースで参加するなど、クラブ・ミュージックに接近したクールな仕上がりとなっています。何より金魚のジャケットが最高。その中でも、The Streetsを彷彿とさせる「Crabs In A Bucket」はアルバムで最もお気に入りの1曲


2. Qiezi Mabo loves PUNPEE / Qiezi Mabo Forever (Fried Chicken Mix)
■ 関連記事:Qiezi Mabo / Star Beach Love(https://spincoaster.com/qiezi-mabo-star-beach-love)

Giorgio Givvnがプロデュースしているということ以外一切の情報が明かされていない謎の覆面ラッパー、Qiezi MaboがPUNPEEを迎えて公開した楽曲。曲の構成や奇想天外なリリックの応酬に完全に面食らってしまいました。どうやら2019年リリースのデビュー・アルバムからの先行曲らしいのですが、果たしてふざけているのかマジなのか……(笑)。


1. Frank Ocean / Biking (feat. JAY Z & Tyler, the Creator)
昨年『Endless』と『Blonde』という2枚の傑作アルバムをリリースし、世界を震撼させたFrank Oceanですが、今年も一年フル稼働していました。自身がホストを務める『blonded RADIO』で発表した新曲は、『Blonde』以降の世界観を明示したものに。そして現行の音楽シーンからは距離をおき、自身のストーリーを淡々と語るかのような彼の音楽は、いつも孤独を肯定してくれるような気がします。今年最も聴いた1曲。


Comment
前文にも書いた通り、大きな環境の変化があった1年でしたが、今年から仕事としても音楽に携わるようになったため、オンオフ問わずたくさんの音楽を聴く機会に恵まれました。一方で、昨年と比べるとライブハウスやクラブに行った回数は少し減ってしまったかも……。また、音楽を取り巻く環境全体を俯瞰的に見ると、多くの方が指摘している通り、ストリーミング・サービスによるプレイリスト文化がこれまで以上に普及し、各々が自分の好きな曲をピンポイントで聴くようになったことにより、一度ストリーミングでバズった曲やトップ・アーティストの曲は最新曲でもライブでフルコーラスの大合唱が起こるようなおもしろい時代になったと思います。これはロンドンでDrakeのライブを観たときに強く感じました。個人的にはストリーミング・サービスをまだまだ使いこなせていない部分があるので、来年はまだ誰も知らないようなアーティストをがつがつ探していきたいです。


番外編 マイ・ベスト
【ベスト・チャレンジ】

フジロックで3日間野宿(その後1ヶ月間なぜか顎関節症に……)

■ 過去記事:Toyamer https://spincoaster.com/author/hiroki-toyama

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