BOØWY、30年を経て蘇る渋谷公会堂で
の伝説的ライヴ上映会@ユニカビジョ

2017年12月24日(日)、数多くのアーティストの上映会が開催されていることで注目を集めている新宿のユニカビジョンで、「BOØWYスペシャル上映会」が行われ、集まった大勢のファンを熱狂させた。
1981~1988年に活動、カリスマ的人気でバンドブームの火付け役となり後の音楽シーンに多大な影響を与えた4人組ロックバンドBOØWY。このイベントは、11月30日(木)~12月6日(水)にかけてユニカビジョンで放映を行なったBOØWY特集番組の好評を受けて実施されたもの。彼らが30年前の1987年12月24日に東京・渋谷公会堂で行い解散を発表した伝説的ライヴが、今年新たに発見されたオリジナル・フィルムを用いて新たに編集され、高画質、高音質、そして、初めての16:9の画角になった完全版『BOØWY 1224-THE ORIGINAL』としてこの日発売されたこともあり、当時のライヴ開演同日同時刻の12月24日(日) 18時30分から新宿ユニカビジョンにて上映されるという、日本のロック界に名を刻むBOØWYに相応しいスペシャルな企画となった。
日曜日でさらにXmasイブということもあり、多くの人が行きかっている中、上映会場となったユニカビジョンの向かい側にある西武新宿駅前ペペ広場には、BOØWYの全盛期を知る往年のファンから若い世代まで幅広い年齢層の姿が見られ、BOØWYが時代を超えて多くの音楽ファンに支持されていることを示していた。ユニカビジョンの上映イベントではお馴染みの高音質サウンドで視聴できるヘッドフォン視聴イベントも実施され、上映開始の45分前からは先着100名にヘッドフォンの無料貸し出しも行われるということもあり、時間が近づくにつれ多くの人がヘッドフォンを求めて集まってきた。
寒空の下、ユニカビジョンを見上げながら、今か今かと上映を待ちわびている観客の中には、当時渋谷公会堂で突然の解散宣言を直接聞いた人もいたかもしれない。ネットや携帯電話がなかった時代にも関わらず、ライヴ当日はどこからか広まった解散の噂を聞きつけたファンが集まり、入場できないファンが会場の周りを取り囲んでいたという。また、翌朝の新聞広告での解散宣言を目にして呆然とした人もいるはずだ。とくに地方に住んでいたファンは新聞で第一報を目にした人が多く、かくいう筆者も高校時代にBOØWYファンの同級生が教室に持ち込んだ新聞で解散を知り驚いたことを覚えている。まさに日本全国の音楽ファンが衝撃を受けたクリスマスの解散宣言だったのだ。いずれにせよ、30年経った今もこうしたイベントが行われること自体異例のことであり、 BOØWY が起こしたムーブメントの影響の大きさを感じざるを得ない。
18:30 になり、いよいよ上映がスタート。「ガシャーン」とガラスの割れる音から映し出されたのは、鋲付きのライダースジャケットに身を包んだヴォーカルの氷室京介だ。この日は、『BOØWY 1224-THE ORIGINAL』から厳選された5曲が全曲ノーカットフルバージョンで上映された。1曲目は3rdアルバム『BOØWY』からの「ハイウェイに乗る前に」。
黙々とダウンピッキングでベースを弾く松井恒松、ギターの布袋寅泰は間奏で上段に組まれたドラムセットに座る高橋まことの横でギターソロをキメる。使用ギターはもちろん幾何学模様のHOTEIモデルだ。大画面の中で蘇る全盛期の4人のライヴは迫力満点。続いてライヴ・アレンジされたギターの前奏からイントロへと繋がる「CLOUDY HEART」へ。氷室はマイクスタンドを両手で握りしめ、真っ直ぐ前を向き歌い上げる。“そうネ終りは あたり前の様にくるものだし”と歌われる歌詞に、思わずバンドの終わりを重ねて聴いてしまった。
「夜のヒットスタジオ」に出演した際に披露してバンドの知名度を一気に上げたミディアム・チューン「わがままジュリエット」では、リズム隊のシンプルでタイトな演奏と氷室のクールなボーカル、布袋のメロディアスなソロに、改めてこのバンドの多様な音楽性を認識させられた。後半には熱量を上げて曲のエンディングへ。場面は変わり、氷室がヒョウ柄の衣装にチェンジしてからの「B・BLUE」では、広場に集まった観客も会場のファン同様、体を揺らしてノっていた。スクリーンの中の氷室が曲名を叫び始まったのは、ライヴ当日に本編のラストで演奏された「NO. NEW YORK」だ。飛び跳ねながら弾く布袋、微動だにせずビートを刻む松井。メンバーそれぞれの個性もハッキリしている。氷室はドラムセットの前で歌い、サビでジャンプしてステージに降り立つと観客にコーラスを促し、会場は一体となる盛り上がりに。曲を終えると「愛してるぜ!」と叫び、映像の中のメンバーたちはステージを降りて行き、上映会は終了となった。時間にして20数分の映像だったものの、バンドの代表曲の連発で稀代のビートロックバンドの歴史を振り返るだけでなく、臨場感溢れるサウンドで時を越えた感動を味わうことができるものとなっていた。
終了直後、興奮冷めやらぬ中、余韻に浸っている方に上映会の感想を訊いてみた。「中学校に入ってすぐの頃に初めて聴いたとき、メンバー1人1人のリズム感と音の出し方に“何このバンド!?”って衝撃を受けてからのファンで、解散後も30年間ずっとBOØWYと一緒にいました」という男性は、「やっぱり、でかいビジョンで観ると全然違いますね!」と興奮気味。BOØWYに憧れて音楽をはじめ、HOTEIモデルのギターをはじめほぼ同じ機材をそろえてセッティングしていたこともあったというから相当なマニアだ。地元が近かったとのことで、群馬のBOØWYゆかりの場所を聖地巡礼したこともあるらしい。最近では、この上映会の前日に群馬県で行われ高橋まことが生ドラムを披露した『BOØWY 1224-THE ORIGINAL-』発売記念イベントにも足を運んだというから、筋金入り。もちろん、すべての音源や映像作品も揃えており、今回の『BOØWY 1224-THE ORIGINAL』も入手済み。高音質での上映会については、「ヘッドフォンをして聴いていたんですけど、普段聴こえないようなドラムのバスドラとか低音がすごく聴こえて良かったです。やっぱり、まこっちゃん(高橋まこと)の力強いリズムを聴いたら感動しました」と、マニアならではのじつに音楽的な感想を述べてくれた。当時、最後のスタジオ・アルバム『PSYCHOPATH』発売時のツアーでライヴも体験しているそうだが、その時点ですでに解散の噂があったため、映像の渋谷公会堂ライヴにも行こうと思っていたものの行けず、翌年の東京ドームでの解散ライヴ「LAST GIGS」もチケットを取ることができなかったという。解散後もメンバーそれぞれの活動を追っているそうだが、やはり再結成してほしいという気持ちもあるのでは?「一夜限りでもやってほしいですね。でもヒムロックはストレートな人なので、やらないと思いますけど…」と、コアなファンならではの複雑な心境を語ってくれた。ちなみに一番好きな曲は活動中最後のシングルとしてリリースされた「季節が君だけを変える」だという。「BOØWYの曲なら全部弾けますよ!」とのことで、現在も音楽活動をしているという男性は、スペシャル上映会が大いなる刺激にもなったようだ。
上映予定のアーティストや上映日時などをユニカビジョンの Web サイトで確認のうえ、気になる上映会があったらぜひ参加してみてほしい。
取材・文●岡本貴之

上映情報


BOØWY スペシャル上映会

2017年12月24日

1 .ハイウェイに乗る前に

2 .CLOUDY HEART

3 .わがままジュリエット

4 .B・BLUE

5 .NO.NEW YORK

全曲ノーカットフルバージョン
リリース情報


『1224 -THE ORIGINAL-』
【DVD】UPBY-5064 ¥5,400(税込)
【Blu-ray(5.1ch)】UPXY-6046 ¥6,480(税込)
【Ultra HD Blu-ray +Blu-ray(5.1ch)】UPZY-9001 ¥12,960(税込)
DVD[本編]

LIAR GIRL

ANGEL PASSED CHILDREN

BLUE VACATION

ハイウェイに乗る前に

GIGOLO&GIGOLET

PSYCHOPATH

CLOUDY HEART

MARIONETTE

わがままジュリエット

LONGER THAN FOREVER

季節が君だけを変える

WORKING MAN

B・BLUE

RENDEZ-VOUS

HONKY TONKY CRAZY

PLASTIC BOMB

BEAT SWEET

IMAGE DOWN

NO. NEW YORK

[アンコール]

MEMORY

ONLY YOU

DREAMIN'

Blu-ray

[本編]

LIAR GIRL

ANGEL PASSED CHILDREN

BLUE VACATION

ハイウェイに乗る前に

GIGOLO&GIGOLET

PSYCHOPATH

CLOUDY HEART

MARIONETTE

わがままジュリエット

LONGER THAN FOREVER

季節が君だけを変える

WORKING MAN

B・BLUE

RENDEZ-VOUS

HONKY TONKY CRAZY

PLASTIC BOMB

BEAT SWEET

IMAGE DOWN

NO. NEW YORK

[アンコール]

MEMORY

ONLY YOU

DREAMIN'

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