【Hi-STANDARD ライヴレポート】
『THE GIFT TOUR 2017』
2017年12月14日 at
さいたまスーパーアリーナ
2017年12月14日 at さいたまスーパーアリーナ
“これからも生き続けっからね! こうなったら3人のうち、誰かがくたばるまで(ハイスタを)畳まねぇぞ!”。ライヴ中盤、横山 健(Gu&Vo)の力強い宣言に、大会場を埋める観客から歓喜の声が上がる。あぁ、新譜が聴けてツアーが観られただけで奇跡みたいな話なのに、こんな力強い言葉が聞けるなんて夢じゃなかろうか?
怒号のような歓声に包まれて3人がステージに登場すると、難波章浩(Vo&Ba)が“THE GIFTってみんなへの贈り物じゃなくて、俺たちが“まだ何かやれる”って授かったってことだと思う。この3人がこのステージに経って、ツアーファイナル迎えるっていう奇跡。自分たちのパンクロックを信じてきてほんと良かったと思います”と語り、「The Gift」でライヴが始まる。この3人じゃないと絶対に生まれないダイナミックでドライブ感ある歌とサウンドが強烈な興奮と高揚感を生み、ライヴハウスのような熱気が大会場を包んだ。
「Growing Up」「Summer Of Love」といった過去曲と「All Generations」「I know You Love Me」といった新曲を交互に披露した前半戦。現在進行系で進化してる3人の演奏に、新旧どちらの曲もキラキラした強烈な輝きを放つ。あくまで自然体、たった3人しかいないのに、ステージや会場の広さをまったく感じさせないハイスタの求心力、説得力といったどでかい存在感にも改めて感動。「Dear My Friend」や「Glory」に歌や手拍子を合わせながら当時の気持ちが蘇ったり、「Going Crazy」や「We're All Grown Up」に現在の気持ちを重ねたり、「Pacific Sun」の横山のギターに酔いしれたり、感情揺さ振られまくった中盤。矢継ぎ早に演奏される一曲一曲を噛み締めながら、過ぎていく時間に名残惜しいような気持ちも生まれ、“この時間が終わらないでほしい!”とさえ思う。
横山がアドリブ的な歌やプレイを挟んでいたずらな表情を見せたり、終始笑顔だった恒岡 章(Dr)の煽りで起きたニッポンコールが会場を震わせたり、“Hi-STANDARDやってて、今が一番楽しい。バンドっていいね!”と難波が正直な感想を語ったりと、メンバーもライヴを思い切り楽しむ中、真っ暗な会場を観客のスマホの光が星空のように美しく照らした「Starry Night」、“俺も1曲歌わせてもらおうか”と横山がヴォーカルを取った「The Sound Of Secret Minds」と続き、早くも終盤。「Stay Gold」「Free」「Maximum Overdrive」で会場中が一体となり最高潮の盛り上がりを見せ、美しく切ない「Brand New Sunset」がたっぷり余韻を残す中、本編が幕を閉じた。
“まだまだハイスタ行くぜ、また始めよう!”と難波がハイスタの新しい始まりを宣言した「Another Starting Line」で始まったアンコールでは、“ハイスタから、ちょっと早めのクリスマスプレゼントです”と「Happy Xmas(War Is Over)」のカバーも披露。さらに観客も驚いたダブルアンコールまで行ない、この日は全30曲を披露。もう、大満足っ! アンコールラスト、希望あふれる未来を指し示す「Mosh Under The Rainbow」を聴きながら、僕はこの夢みたいな素敵な夜が再び訪れる日を想像していた。
撮影:【Hi-STANDARD】Teppei Kishida、半田安政(Showcase)、Takashi "TAKA" Konuma、Yuji Honda 【マキシマムザホルモン】浜野カズシ/取材:フジジュン
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