【ライブレポート】wyse、13年ぶり全
国ツアー完遂「すごく大きな1年だっ
た」

16年ぶりのメジャーデビューアルバム『Breathe』を引っ提げて13年ぶりとなる全国ツアー<wyse Live Tour 2017 Breathe>を廻ったwyseが、12月10日に新宿 ReNYでファイナル公演を開催した。
大歓声の中、モノトーンの衣装で登場したwyseはのっけからハイテンション。月森が煽り、銀テープが放たれたオープニングナンバーは2011年に再始動したwyseのことを歌った希望が溢れるポップチューン「Primal」だ。続いて、最新アルバム『Breathe』の幕開けを飾る新たなwyseを感じさせる覚醒のナンバー「Open Your Eye’s」が放たれた。月森とTAKUMAのダブルボーカルにHIROの太いラップが加わり、MORIのギターの深みのあるカッティングも印象的。華やかなステージに拍手が沸き起こった。
そしてHIROのギターリフで始まる「Heart」は歯切れの良いアッパーでメロディックなナンバー。下手でテクニカルなソロを奏でるHIROの横で月森が歌い、前半から立て続けに新作からの曲が披露された。
「こんにちは、wyseです。13年ぶりに全国廻って帰ってきました! 全国からの熱い想いを引き継いで帰ってきたので、ここにいる全員で最高のファイナルにしようぜ! いいか!?」──月森
全国各地を廻ってエネルギーがみなぎっているwyseと、この日を待ち望んでいたオーディエンスの熱で早くもフロアは一体に。イントロから歓声が上がった「J・E・T」では盛り上がりまくり、痛快なロックンロール「Rollin’ Rollin’」も新しい曲とは思えないぐらいの熱気で月森とTAKUMAのヴォーカルの掛け合いもスリリング、MORIのギターソロも冴え渡る。今から16年前にリリースされた懐かしい曲「3years later I.」もプレイされるなど、予測がつかないセットリストだ。そして、ステージに立っている4人は時間を止めてしまったのでは? と思うぐらいにフレッシュでアグレッシヴだった。月森は下手上手と動きまわりながら歌い、ベースを弾きながら歌うTAKUMAもステップを踏み、ジッとしていられない様子である。
「前世も来世もすべて今日のこの瞬間にこの場所にあると、そう思いませんか?」とTAKUMAが問いかけ、披露されたのは『Breath』収録曲であり、東日本大震災の2年後に仙台で行なわれたライブで“この曲が支えになってくれれば”という想いで演奏された「RinNe」だ。慈しむような演奏と歌。続く「J‘s Song」でも琴線に触れるような切なく変わらない愛の歌が届けられた。月森の声はスイートでTAKUMAの声はビター。この2人の声がクロスする心地よさもwyseの醍醐味だと思う。
「今日は楽しんで帰ってください。13年ぶりのツアーですからね。でも、人間ってやってみるとどこか記憶の中に残ってるんですね。新しいハコもありましたけど、ライブが始まるとなんかシンクロしていくような感覚があって、その土地土地のライブができたんじゃないかと思います」──TAKUMA
TAKUMAが月森にツアーの感想を振ると、照れる月森は「(BARKSの)コラムを読んでくれれば全部書いてある」とつれない答え(笑)。サポートドラマーの安東祐介は本ツアーでwyseの“W”のアルファベットのサインを考案。各地でファンのみんなと盛り上がったエピソードが明かされ、MORIは「初めて行くところもあって、当時の感覚やその土地の熱を再確認しながらセトリを組んで挑んだんですけど、僕たちの完璧なるオーディエンスたちのレスポンスが返ってきて、僕らが思うのが100だとしたら120とか140のライブが続いてきたから、今、ReNYで最高の景色が見れています」と笑顔。HIROも「ツアー、楽しかったですね。僕的にはいちばん思い出に残ってるのは札幌で。2DAYSやることの楽しさを今回、味わったなって」も満足気。MCタイムでは彼ららしいボケツッコミの楽しさもありつつ、再結成前の楽曲を中心に組んだ中盤戦からは、wyseのヒストリーを彩ってきた楽曲が立て続けに演奏された。
ハンドクラップの中、照明が虹色へと変わり、手を振るフロアを照らした「Rainbow」では開放感たっぷりの空気がReNYを包み、サビのメロディが秀逸な「無色の雪」が鳴らされた。久しぶりのwyseのステージを見て感じたことは彼らの楽曲や奏でる音が10年以上たっても少しも変わらないキラめきを放っていることだった。そして、その不変の輝きを持つ曲たちを宝物のように大事に歌い、演奏しているメンバーが何より素晴らしいと思った。
復活前のライブの定番だった「Plastic Monkey」では弦楽器陣もステージの淵まで出てきて煽り、月森が下手にHIROが上手に移動し、フロアもヘドバン。攻めのステージに歓声もどんどん大きくなり、タイトル通りの怒りブーストソング「やってらんねぇ」ではアツさもマックス状態に。間髪入れずに投下されたスピード感たっぷりのハードエッジな新曲「Fake Monster」が全く違和感なく響いてきた。そして復活後にリリースされたナンバー「L.A.S.P.U.P-Unperformed Performer-」はTAKUMAのスラップがフィーチャリング。wyseのライブ力を見せつけた。
「このへんで聴いていただきたい曲があります。今回のアルバムに入っている中で唯一、昔からある「With…」という曲です。俺らが大阪から東京に出てくる時にできた曲なんですけど、その時々でWithの対称っていろいろ変わる気がしていて……。家族だったり、仲間だったり、メンバーだったり、ファンだったり。今日はその全部が1個でも欠けちゃいけないような想いでこの曲を届けられると思います」──月森
長い月日の中で育まれてきた想いが詰まった名曲「With…」が届けられ、騒いでいたオーディエンスが静まりかえり、続けて「Friend」を披露した。
TAKUMAは「解散よりエネルギーを使った」というアルバム制作を含むこの1年の決断に触れた上で、「今、振り返って俺たちは生きてるんだってことをちゃんと音にライブに出せたんじゃないかと思います。すごく大きな1年だったから終わっちゃうなという気持ちもありますけど、今からみんなで歌う曲は過去だけじゃなく、未来を作るための決断だったので、そういう曲を一緒にみんなで残せたらなと思います」と伝え、今までの自分たちとファンのみんなと一緒に過ごした時間、思い出、未来に向けた想いを込めたという至福のナンバー「Glorious Story」を披露。そして、「I’m a dreamer」に続く本編ラストの曲は「in the Moonlight」。月森はフロアに降りて、MORIのギターソロを讃えるように両手を広げ、最後は全員、ジャンプをキメてのエンディングだった。
メンバーがはけるやいなや、アンコールの大合唱。ツアーTシャツに着替えて再び登場したメンバーはTAKUMAの「ライブにはちょっとしたサプライズが必要」という言葉とともにいきなり、本ツアー初公開の新曲「Break Off」を披露。早くもwyseの未来を提示してみせた。
そしてTAKUMAは2月7日に「Break Off」を収録したニューシングルがリリースされること、その3日後に<360°~1999-2018~>と題してTOKYO FM HALLでコンサートを開催することを報告。360度のライブに関して「どんなライブになるか絵が浮かばないでしょ? 絵が浮かばないような未来を歩きましょう。ぜひ、僕たちの未来に向かって進んできてください!」とメッセージし、会場からは大きな拍手が沸き起こった。
まだまだエネルギーが有り余っている様子のwyseはアンコールで4曲を披露。さらにダブルアンコールに応えての「I believe」は大合唱となった。メンバーが去っても熱い歓声はいっこうに鳴り止む気配がなく予定になかったトリプルアンコールが実現。最後はwyseの代表曲のひとつ「chain」で締めくくられた。
wyseは2018年2月14日に結成19周年を迎え、以降2018年の全公演に<Opening of the 20th year>なるキーワードを掲げて活動することが明らかとなっている。この運命的とも言える本格復活を心から祝福したい。
取材・文◎山本弘子
◆<wyse Live Tour 2017 Breathe>12月10日@新宿 ReNYセットリスト


01.Primal

02.Open Your Eye's

03.HEART

04.Vision

05.J.E.T.

06.Rolli'n Rolli'n

07.Vanising

08.3years later, I

09.RinNe

10.J's Song

11.Rainbow

12.無色の雪

13.Plastic Monkey

14.Feeling

15.やってらんねぇ

16.Fake Monster

17.L.A.S.P.U.P.

18.With...

19.Friend

20.Glorious Story

21.I'm a dreamer

22.in the Moonlight

encore 1

23.Break Off(新曲)

24.Air

25.終わらない夜のマーメイド

26.BLAST

encore 2

27.I believe

encore 3

28.Chain

◆シングル「Break Off」/「キミグラデーション」


2018年2月7日(水)発売

【Aタイプ】1,700円(税抜)

「Break Off」/「キミグラデーション」

▼Bonus track

Primal / Magic / Vision / Countless Trigger / Slow Time / 終わらない夜のマーメイド / Fake Monster / My name is Japanese Breaker / Like sewing up / Glorious Story

【Bタイプ】1,700円(税抜)

「Break Off」/「キミグラデーション」

▼Bonus track

Heart / Plastic Monkey / 誘惑なパラダイス / Vanilla Sky / RinNe / Air / Miss txxx/ L.A.S.P.U.P. / 無色の雪 / Chain

【Cタイプ】1,700円(税抜)

「Break Off」/「キミグラデーション」

▼Bonus track

Open Your Eye's / Rainy / To Shy / float / Tears of snow / Feeling / Rollin' Rollin' / BLAST / With... / I believe
■<Opening of the 20th year Special Live「360° 〜1999-2018〜」>


2018年02月10日(土) TOKYO FM HALL

OPEN16:30 / START17:00

▼チケット

4,800円 / 5,300円 (別途 D代)

一般発売:12/16(土)10:00〜

【Yahoo!チケット先着先行】

受付期間:12/9(土)15:00〜12/13(水)21:00

■<RUIDO × REX SPECIAL NIGHT 2018>


▼Day1 石月努 × wyse

2018年1月20日(土)SHIBUYA REX

▼Day2 wyse「拳NIGHT」

2018年1月21日(日)SHIBUYA REX

▼Day3 CARESS × wyse

2018年1月27日(土)OSAKA RUIDO

▼Day4 wyse「拳NIGHT」

2018年1月28日(日)OSAKA RUIDO

OPEN16:30 / START17:00 (全ヵ所)

▼チケット

前売4,800円/当日5,300円

e+一般発売:10/28(土)10:00〜

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