MIYAVI アバンギャルドなのにダンサ
ブルな熱狂の宴、さらなる進化を遂げ
たサムライ・ギター

SAMURAI SESSIONS vol.2 発売記念ツアー“Day 2 Begins”

Zepp DiverCity(TOKYO)
MIYAVIがアーティストと真剣勝負を繰り広げる対戦型コラボレーションアルバム第2弾『SAMURAI SESSION vol.2』発売を記念して行なったショートツアー『MIYAVI“Day 2 Begins”』を12月7日、東京・Zepp DiverCity公演で締めくくった。
なんなんだ、このアバンギャルドなのにダンサブルな熱狂の宴は!! “こんなギタリストのライブ、これまで観たことない”という驚きが、またまた更新されているではないか。
MIYAVI 2017.12.7 Zepp DiverCity 撮影=Yusuke Okada
MIYAVIといえば、スラップ奏法でテイラーのセミアコをしばくようにバッチバチかき鳴らす“サムライ・ギター”が有名だが、現在のMIYAVIはそのさらに先を走っている。この日もMIYAVIがステージでメインで鳴らしていたのはエレクトリックな白いテレキャス。USの洗礼されたダンスミュージックを反映させたサウンドメイク、その上でテレキャスにエフェクターをかけ、アバンギャルドにギタリスト・MIYAVIを解放してロックやファンク、EDMなど様々な音楽のパッションを飲み込んだ独創的なギターミュージックを生み出した『FIREBIRD』を経て、MIYAVIはそこからさらに進化を遂げていた。
進化の扉を開けるカギとなったのは、この日サプライズで登場したニューアルバムで対戦したゲストシンガー4人と、BOBO(Dr)、DJ Jonny(DJ)以外に本ツアーに帯同していた2人のシンガー(Seann Bowe、Meron Ryan)らが曲ごとに奏でる歌と、MIYAVIが奏でるフレーズやソロの旋律。つまり“メロディ”の存在だったことが、今回のステージを観て分かった。
MIYAVI 2017.12.7 Zepp DiverCity 撮影=Yusuke Okada
ライブはいきなり、アルバムで三浦大知が歌っていた「Dancing With My Fingers」で幕開け。チケットは完売、パンパンに人で埋め尽くされた場内は、すぐさまものすごい熱気を放って揺れまくる。センター、左右にもマイクを立て、縦横無尽にギターを弾きながら跳ね上がって「もっと高く飛べるだろ?」とオーディエンスを煽りまくっていたMIYAVI。「Dim It」のアウトロがやってくると、センターのお立ち台で足を広げ、体をブリッジさせながらロングトーンでソロを弾き倒し、そのまま背中からお立ち台に倒れこんだ。アクロバテイックなパフォーマンスに、すぐさまフロアが沸く。フロアから伸びた腕が左右に揺れる「Come Alive」は後半、MIYAVIのギターが独特な音色を放ちながらアルペジオからパッション溢れるギターソロへ登りつめる。そこから“1、2、3”で観客が一斉に跳ね、満場のオーディエンスが熱い一体感あるノリを作り出してみせる。演奏し終わったMIYAVIからはすぐさま「熱いねTOKYO!」という言葉が笑顔とともに飛び出した。
MIYAVI&Masato(coldrain) 2017.12.7 Zepp DiverCity 撮影=Yusuke Okada
中盤戦は、ツアー最終日ということでシークレットゲストがMIYAVIの呼び込みで次々とステージに現れた。最初に登場したのはMasato(coldrain)。「Bumps In The Night/MIYAVI vs Masato(coldrain)」ではMasato のパワーボーカルに叫ぶようなギターフレーズを入れ、アグレッシヴなロックな風景を描き出す。このあとすぐにステージを去ってしまったMasatoに代わって「coldrainは熱いバンドで来年武道館やります」と告知するMIYAVIのやさしさに、ファンはほっこり。ビヨンセばりの(?)の黒いコスチュームで、MIYAVIを挑発しながら「No Thanks Ya/MIYAVI vs ちゃんみな」のラップで登場したのはちゃんみな。MIYAVIがスクラッチ音のようにトレモロアームをウァンウァン鳴らす上で、ラップをカッコよくキメたちゃんみなをMIYAVIは「こんなフテブテシイけど弱冠19才。でも中身は可愛らしい」と紹介。「ここでは10代のヒリヒリした痛みを表現してもらった」と曲についても説明を加えた。
MIYAVI&ちゃんみな 2017.12.7 Zepp DiverCity 撮影=Yusuke Okada
MIYAVI&SKY-HI 2017.12.7 Zepp DiverCity 撮影=Yusuke Okada
続いて左手を上げ、颯爽とステージに現れたのはSKY-HIだ。「Gemstone/MIYAVI vs SKY-HI」でラップ、サビの歌メロとテンションを上げたあと「MIYAVI!」とSKY-HIが叫び、MIYAVIがギターでキャッチーなフレーズを繰り出すと、2人は声とギターでものすごい叫び声をあげる。「こんな声初めて出しました」と興奮気味に話すSKY-HI。「SKY-HIも三浦大知くんもそうだけど、若手で闘ってる頼もしいアーティストとやってみたかった」とセッション相手に選んだ理由をMIYAVIが伝えると、SKY-HIは「I Love You!」と返してステージを後に。
MIYAVI&EXILE SHOKICHI 2017.12.7 Zepp DiverCity 撮影=Yusuke Okada
暗転した舞台でMIYAVIがそっと「Love You、Too」と呟くと、女性ファンから悲鳴が上がった。舞台袖からEXILE SHOKICHIが姿を現すと、歓喜の声が一段と大きくなり、アゲアゲの「Fight Club/MIYAVI vs EXILE SHOKICHI」へとなだれ込む。イケメンかつ長身のこの2人が向かい合わせになるだけで、ど迫力のオーラがメラメラと立ち上る。MIYAVIがソロを弾きだすと、SHOKICHIはバックに下がり、ダンスでギターとバトル。SHOKICHIには「松岡修造かSHOKICHIかというほどの熱い男の美学を感じたからオファーした」といって、みんなの笑いを誘ったMIYAVI。先日は夜の六本木でテキーラバトルを開催したらしく、そこではSHIKICHIが先にダウンしたというエピソードも伝えられた。
シークレットゲストに続いて、次にHYDEシェネルとセッションしたナンバーを帯同しているシンガーとパフォーマンスしたシーンも素晴らしかった。「All My Life /HYDE vs MIYAVI」は2回目からみんながサビが歌えるほどキャッチーなパーティーソングとして場内の一体感を高め、「Forget You/シェネルvs MIYAVI」はなんといっても歌メロのバックでMIYAVIが奏でるカウンターメロディーに感動! ひたすら陶酔しまくった。こうして、様々なタイプの楽曲、シンガーを活かして万能に対応しているように見せかけて、実はあちこちに誰もやらないようなアバンギャルドでエッジーでカオティックな音色、リフワーク、フレージングを入れてシンガーの歌うメロディと戦っていたMIYAVI 。そのエネルギッシュな闘争心、その熱演にただただ魅せられた。
MIYAVI 2017.12.7 Zepp DiverCity 撮影=Yusuke Okada
「The Other」から流れ込んだ後半戦、MIYAVIはオーディエンスと一丸となって熱狂空間を生み出していく。「TOKYO、ともに世界を飛ぼう」とって手を大きく羽のように広げて始まった「Fire Bird」では高音ギターソロがこれでもかと炸裂、“何度だって生まれ変われる”とメッセージする「Day1」ではMIYAVIが繰り出す“3、2、1、Go”の合図でフロアが激しくジャンプ。スポットライトが人指し指を掲げたMIYAVI のシルエットを浮かび上がらせたあと、爆音でシンセが響き渡り、大きなシンガロングとともに場内が最後尾までダンスフロア化していった「Horizon」。こうしてラストに向かって壮絶なまでの高揚感を作り出し、本編は終了した。
MIYAVI 2017.12.7 Zepp DiverCity 撮影=Yusuke Okada
アンコール。エレキをアコギに持ち替えて現れたMIYAVIはまず、2018年の春から7度目のワールドツアーを行なうことを発表。「もちろん日本も回ります」という言葉に、フロアは狂乱。さらに、L.A.チームと制作している次のアルバムも「ほぼできている」という嬉しい報告に、オーディエンスからは驚きと感激の声が上がった。また先日、日本人初のUNHCR(国連難民高等弁務官)親善大使に任命されたMIYAVIは、活動を通して「平和だからこそできる音楽で、平和じゃない時代が来そうないまだからこそ、僕たちが歌えることを発信していきたい」と宣言。そして「目の前に銃を持った人がいて、ギターでみんなのことを守れるかっていったら守れない。けど、ジョン・レノンもマイケル・ジャクソンもやってきたように、音楽を作って、世界中が僕の音楽を聴いて“Co-miyavi=仔雅(ファンの呼称)”になってくれたら戦いを止めてくれるかもしれないし。音楽に肌の色、国境は関係ない。音楽やってるときは一つになれる。それは確か」と音楽が持つ可能性について伝えた。
その後、難民キャンプから帰った直後に書き上げたという「Long Nights-Acoustic Version」を本編とは違うアコースティックバージョンで再び披露。住む場所を追われ、知らない土地で生きていく一人の少女の決意を自ら歌い上げた後は「世知辛い世の中をみんなでぶった斬っていきましょう!」といって再びフロアを揺らしてオーディエンスを熱狂させ、場内が歓喜と高揚感に満ちたなか、アンコールを締めくくった。
2018年、MIYAVIはこの進化したギターで、再び世界を踊らせにいく。
取材・文=東條祥恵 撮影=Yusuke Okada
MIYAVI 2017.12.7 Zepp DiverCity 撮影=Yusuke Okada
リリース情報

『SAMURAI SESSIONS vol.2』
発売日:2017年11月8日(水)
ジャンル/キャリア/国境さえも超えた
アーティストと真剣勝負を繰り広げる対戦型コラボレーション・アルバム第2弾!
収録楽曲※初回盤、通常盤同様内容
01. Dancing With My Fingers / MIYAVI vs 三浦大知
02. Gemstone / MIYAVI vs SKY-HI (「TOKYO TRIBE」STAGE テーマソング)
03. Fight Club / MIYAVI vs EXILE SHOKICHI
04. Banzai Song / MIYAVI vs VERBAL (m-flo/PKCZR)
05. Bumps In The Night / MIYAVI vs Masato (coldrain) (Amazonオリジナル「東京ヴァンパイアホテル」主題歌)
06. No Thanks Ya / MIYAVI vs ちゃんみな
07. Flashback / MIYAVI vs KenKen (LIFE IS GROOVE, RIZE, Dragon Ash) (アニメ「刻刻」主題歌)
08. All My Life / MIYAVI vs HYDE
09. Forget You / MIYAVI vs シェネル
10. Slap It / MIYAVI vs 雅-MIYAVI-
◆◆初回限定盤(CD+DVD)¥5,000(税別) TYCT-69120
【CD】全10曲収録
【DVD収録内容】
●「Dancing With My Fingers」MIYAVI vs 三浦大知 Music Video 監督:三池崇史
●「MIYAVI 15th Anniversary Live“NEO TOKYO 15”」ライブ映像5曲
●「MIYAVI 15th Anniversary Live“NEO TOKYO 15”」ドキュメント映像
◆◆通常盤(CD)¥3,000(税別) TYCT-60108
【CD】全10曲収録
◆◆デジタル
●デジタル特典トラック
音源:「Long Nights feat. Sonita」 *デジタル限定配信
映像:The Making Of "Dancing With My Fingers" Music Video / MIYAVI vs 三浦大知 *iTunes pre-order特典

iTunes「SAMURAI SESSIONS vol.2」プレオーダーURL:http://po.st/it_miyavi_ss2
レコチョク「Dancing With My Fingers」単曲URL:http://po.st/reco_miyavi_dm
レコチョク「Gemstone」単曲URL:http://po.st/reco_miyavi_gem
レコチョク「No Thanks Ya」単曲URL:http://po.st/reco_miyavi_nty
『MIYAVI SAMURAI SESSIONS vs 15 Photographers』
発売日:11月2日(木)
発行:扶桑社
著者:MIYAVI+15 Photographers
(有賀幹夫、池田敬太、江森康之、佐藤ジン、三浦憲治、長塚誠志、柿本ケンサク、大和田良、田村和一、鈴木親、操上和美、富永よしえ、伊島薫、久保憲司、井出情児)
A4判 128ページ オールカラー
定価:4000円+税
ISBN:978-4-594-07845-4

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