【ライブレポート】the peggies、パ
スピエ、tricot、ねごと、女性ボーカ
ル4バンドが<DECEMBER'S CHILDREN>
で熱演

年末の恒例イベント<DECEMBER’S CHILDREN>が、2017年は3日間4公演の規模で開催された。先ごろ、12月1日に六本木VARIT.で徳永憲沖ちづるを迎えて行われた<DECEMBER'S CHILDREN EXTRA>のレポートを公開したが、続いて、12月2日に赤坂BLITZで開催された<DECEMBER’S CHILDREN ~supported by J-WAVE SONAR MUSIC~>の模様をお届けしたい。
同日の公演は、The peggies、パスピエ、tricot、ねごとといった女性ボーカルバンド4組を迎えて行われたもの。
▼ねごと
2017年のトップバッターとして登場したねごとは、高揚感溢れるサウンドで観客を根こそぎ別世界へと連れ去ってしまった。血肉となったエレクトロはさらなる深化を遂げ、ビートは多彩に、グルーヴは重めに、歌声はキラキラとエモーシナルに。“考えてる頭より 感じている気持ちがいい”と歌われる「アシンメトリ」で突き刺さるまっすぐな意志とノイジーなギターの余韻から、しばらく抜け出すことができなかった。
▼tricot
ふらりとステージに現れ、当たり前のように楽器を抱えて始まったのはtricotのステージ。4人4様にアクの強いプレイ、美しいハーモニー、緻密なアンサンブルが絡み合い、立体的に楽曲を描いていく。どんなにエキセントリックに振り切れようと、芯を貫く歌心でポピュラリティミュージックへと落とし込む。新曲「ブームに乗って」からラストソング「メロンソーダ」までの流れは、まるで1本のドラマを観ているようだった。
▼パスピエ
3番手のパスピエは実に多彩でジャンルレス。オルタナティブに、EDMに、クラシックに、はたまた童謡的に、目の前の景色をガラリと変えてしまう。この日出演した様々なバンドがお目当てで集まった多様なオーディエンスも、大胡田の歌声とパフォーマンスが指揮者の如くひとつにまとめあげられていく。その様は見事で、美しい。ダイナミズム溢れるバンドサウンドに、フロアから伸びた無数の拳が揺れて踊って飛び跳ねて、最後は一緒に歌って大団円を迎えた。
the peggiesは2014年に同イベントでオープニングアクトを務め、2016年はメインアクトに、そして2017年、遂にトリを飾る。というわけで、メンバーは登場早々、SEに合わせて気合いのキメポーズ。挨拶代わりに「ドリーミージャーニー」「BABY!」をぶん投げた。the peggiesファンはもちろん、のびしろ(3人は初めてのお客さんをこう呼ぶ)のハートも掴むべく、自分たちの信じるポップナンバーを容赦なく響かせていく。
また、MCではゆるキャラぶりを発揮するなど、あらゆる方向から攻め込んでくる多彩さ。「文房具屋さんにある試し書きだけで作った」という新曲「I御中」に心を鷲づかみにされ、気がつけば“スイカスイカスイカスイカ わっしょい!”と全力で叫んでしまうほどのライブ巧者。この日、ボーカルの北澤が誕生日を迎えてメンバー全員が22歳になったthe peggiesは、愛すべきロックバンドとしての貫禄が漂っていた。

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