堀込泰行『GOOD VIBRATIONS』インタビュー

堀込泰行『GOOD VIBRATIONS』インタビュー

ー ちょっと「笑ゥせぇるすまん」的な…。

ああそうですね。確かに「笑ゥせぇるすまん」的だ(笑)。曲調にもこういう歌詞の方が合っている気がしたんですよね。

ー 後半、ギターソロで堀込さんが「最高」と言っているのもニヤニヤしてしまいました。

あー、はいはい(笑)。

ー ギターの音も格好良いです。

ありがとうございます。最初、デモの段階ではアコースティック・ギターでポロポロ弾いていたんだけど、実はそれって僕としては間奏に何もないとつまらないから、ただ入れていただけで、使うつもりではなかったんです(笑)。

ー そうだったんですか(笑)。

だけどtofuくんがそのギターソロ部分も入れた形でMIXを作ってくれたので、それならと思い、「ガットギターに変更して弾き直すのはどうだろう?」というアイデアを彼に投げかけてみたんです。そしたらtofuくんも「それは良さそうですね!」っていうことになって録り直したんです。結果的には曲としても良かったかもしれない。

ー その部分、曲全体の音的にもフックになっているというか。

そうですよね。あまりガットギターでああいうギターソロを弾くということは邦楽ではあまり聞かないかもしれませんから。

ー シャムキャッツとの“Beautiful Dreamer”は、特にソロになってから堀込さんのライヴで感じるナチュラルさを一番感じました。

それはあるかもしれませんね。元々こういう8ビートのポップなロックンロールはずっと好きだったんですが、自分だけではこういう仕上がりに出来なかったと思うんです。

ー と言うと?

シャムキャッツが実際そうかは分からないけど、結構バンドってアマチュア時代の名残から、例えばレコーディングやライヴがなくても週一でスタジオに入ったりすることってある気がするんです。そういうのを感じさせる一体感が彼らにはあって。だから僕がレコーディングで良いと思うミュージシャンを集めて、最初にベースとドラム録って、キーボードやギターを重ねたりという作り方では出せないであろう一体感がすごく詰まっている気がします。これだけ勢いのある、かつ息が合っている演奏というのはなかなか僕は表現出来ないだろうなと思うし。だからシャムキャッツというバンドをとても羨ましく思いました。

ー バンドならではの一体感ですか。確かに良いですね。私もシャムキャッツ好きなんです。ちょっと90年代のギターポップバンドやネオアコに通じるメロディを感じて。

良いですよね。わりとネオアコも好きみたいですよ。実際詳しいし。多分僕より全然詳しいんじゃないかな。僕はそんなにネオアコを通ってこなかったから。

ー え、そうなんですか?

どちらかというとギターポップだから。

ー ああ、なるほど。ジャケットも少し当時のギターポップっぽくて個人的にも好きなんです。

このジャケット、良いですよね。実際デザイナーさんがどこまでそういう部分を意識しているか分からないけど、僕もすごく気に入っています。格好良いジャケットを作ってもらったなと思って。

ー 今回は世代で言うと結構若いアーティストも多かったですが、世代間で音の捉え方の違いなど感じましたか?

それはあまり感じなかったかな。世代間というより、そのバンドの個性と僕の個性の違いが合わさることの方が面白かったです。年齢で言うと、WONKとD.A.N.とtofuくんは僕の年齢の半分…とまではいかないけど、かなり違うんです。

ー 平均すると大体24、5歳ですよね。

ええ。それくらい離れているということに自分でもびっくりしているんですが(笑)。

ー アハハ。

でも僕自身、色々なタイプの音楽を聴くのが好きなので、そういう意味でのキャパシティは広いつもりでいるんです。だからそれぞれのアーティストから上がってくるサウンドに違和感はなかったし。そうだな…やっぱり世代での音楽観の違いは感じなかったな。ただ今言った3組は偶然なのか、結構落ち着いていて大人っぽい印象があったんですよね。

ー じゃあレコーディングでも静かな感じだったんですか?

WONKの健斗さんは明るかったけど(笑)。

ー あ、意外です。勝手に寡黙な方だという印象を持っていたので(笑)。

いや、そうでもないですよ(笑)。 “Dependent Dreamers”は英詞なので、発音の部分など歌のディレクションは健斗さんがやってくれたんです。だからもしかしたらレコーディングの歌入れの時など努めて普段よりテンション高めにしてくれていたのかもしれないけど。ただ僕の23、4歳の頃と比べたら、皆さん交渉能力は全然高いです。SNSなどインターネットを使って交渉していくことに慣れているんでしょうね。そういう中で年上の人間とも関わる機会が多いだろうし。だからみんな何となく堂々としているというか。勿論そこには自分がやっていることへの自信もあると思うけど、やっぱり交渉能力の高さは感じるし、そこが落ち着いてみえる要因なのかもしれないです。

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