L→R 木村雅人(Dr)、広瀬臣吾(Ba)、服部栞汰(Gu)、井上竜馬(Vo&Key)

L→R 木村雅人(Dr)、広瀬臣吾(Ba)、服部栞汰(Gu)、井上竜馬(Vo&Key)

【SHE'S インタビュー】
SHE'Sの可能性が
より広がる作品になったと思う

今年に入って1stフルアルバム『プルーストと花束』と4thミニアルバム『Awakening』をリリースしたSHE'Sが、早くも2ndフルアルバム『Wandering』を発表する。今作品でいくつかの新たなチャレンジをした結果、どんな手応えがあったかを井上竜馬(Vo&Key)に訊いた。

今作は初めてプロデューサーを迎えたそうですね。

以前までは“自分たちでできるところまでやろう”と思っていたんですけど、今回は漠然と“誰かと一緒にやってみる?”とチームで話していて。その中で誰がいいかみんなでリストアップしたんです。で、GREAT3はみんな知っていたし、SHE'Sのルーツにある洋楽的な感覚も活かしたかったので、そこを一番やってくれる方ではないかと思って、片寄明人さんにお願いすることにしたんです。片寄さんは自分の持っているものを出しつつ、SHE'Sのことをすごく俯瞰的に見てくれ、いろいろ考えてくれたので、第五のメンバーみたいな感覚で一緒に制作できました。片寄さんのアドバイスでBPMががっつり変わった曲もあるんですよ。

アルバムの幕開けを告げるのが「All My Life」。この曲への思い入れというのは?

この曲は“Wandering=放浪”という旅の1曲目を飾る上で、今年5月にイギリスに旅行した時に、最初に出会ったおじいちゃんとの会話が歌詞の中に入っています。

歌詞に《白髪をたくわえた老人は言う》とありますね。

そのおじいちゃんが“大事にすることも必要だけれど、時には離してしまうことも必要だ”みたいなことを言ってくれて。自分の座右の銘で“やってみないと分からない”というのがあるんですれど、そういう意識を持ちながら旅をしていた上で、“ここに来て良かったな”とも思ったし、バンドも同じように進んでいくのかなと。この曲は旅の歌とも取れるんですけど、サビでは“この景色をずっと見たかった”ということを歌っているんですね。ライヴでどんどん大きくなって、この曲をみんなで歌ってくれているところを想像してみて、そういうのも自分が待っている景色なんだろうなといったことから書いた曲です。

ちなみにアルバムタイトルも今回の旅が影響しています?

それもありますが、イギリスに行く前からタイトルは“Wandering”にしたいと思っていました。今年の1月に1stフルアルバムをリリースしたんですけど、今作を作る時に“もっといろいろな試みをしたいな”と思ったし、自分の中でSHE'Sはどういうところに向かって行くのかも、まだ見えてなかったんですよ。だから2ndアルバムは“旅をする”という意味で、“放浪”をタイトルにしたいと思ったんです。“放浪”の前に“目覚め”が必要かなということで、『Awakening』を作ったし。実際に旅に出てみてそこから生まれる曲は多かったから、“Wandering”から変えることはなかったですね。

2曲目の「Blinking Lights」は弱い心を持ちながらも、諦めない力強さを歌っていますね。

一番自分っぽい感じはします。「All My Life」もそうですけれど、誰かと出会えたことは、真逆だけど別れとかそういうものと同じで。だから、悲しみと同じくらい喜べるものなんだろうなと思って書きました。この曲はもともとBPMが遅かったんですけれど、片寄さんが“もう少しアップテンポのほうがいいんじゃない?”と言ってくれてカッコ良く仕上がりました。

次の「Flare」は自分の本気を問うようなナンバーだなと。

自分の中でSHE'Sの原点というか、こういうエモ要素のあるロック調の曲というのは、書き続けたいと思っているんですよ。インディーズ2作目の『WHERE IS SHE?』に入っている「Night Owl」を超えたいと思っていて。サウンド的にもいろいろなアプローチをして、最初のフィルターがかかっているところから開いていくとか、ピアノじゃなくてオルガンみたいな音がメインでリードしているなど、いろいろな試みをした上で、また違った曲が書けたなという実感はありますね。

今回、片寄さんと作業して一番影響を受けたことは?

作詞の部分ですね。片寄さんが書かれる歌詞は“今、なんて言った?”と聞き逃せないんです。だから、“同じ表現でも、違うワードで作れたらいいよね”というのをすごく話し合った上で、どの曲の歌詞も書いていきました。

ところで、8曲目の「C.K.C.S.」のタイトルの意味が気になるのですが。

あっ、これはうちの愛犬の歌なんですよ(笑)。なので、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの頭文字をとって…。

そうだったんですね! 愛にあふれた歌詞ですね。

でも、《待ってくれたり 手を差し伸ばしてくれたり 大の大人より君は賢いからね》という皮肉とかも…それこそ片寄さんの“毒を膨らませよう”と話し合って。ただ愛を歌うだけでなく、そういう皮肉も入れたのも新しい試みでしたね。

あと、10曲目の「The World Lost You」は初めて作った会場限定盤CD(現在は廃盤)の1曲目だそうですが、当時からどんなふうに変わりましたか?

大まかな構成は変えていませんが、曲の世界観がもっと伝わるようにコントラストをはっきりさせる作業をしました。

そして、最後の「Home」はストリングス、ブラスと入っていて壮大な曲ですね。

郷愁感というか、その感覚をサウンドスケープで作りたかったんです。だから、歌詞が少ないというか。歌というよりサウンドで想像力を膨らましたいというのが第一の目標でした。“Home”というタイトルは、家に居場所がなかったとしても、ライヴハウスで一緒に歌って、ここを家にしてくれてもいいっていう…だから、“居場所を作れる歌でありたいな”と思って書きました。

アルバムを作り終えて、今はどんな景色が見えていますか?

今までは「C.K.C.S.」みたいな4つ打ちの曲は絶対やらないと思っていたんですけど、実際にやってみたらもっと可能性が見えてきて、自分がやりたい曲をSHE'Sに落とし込むことができるっていうことを、このアルバムで確信しました。6曲目の「White」には1番まるまるEDMみたいなベースが入っているんですけど、ベースの臣吾って“シンセベースはロックじゃない!”みたいなタイプなんですよ。でも、意外と気に入ってくれて(笑)。そういう電子的な部分も、これからちょくちょく遊びで入れられるかなとか。SHE'Sとしての芯はありつつ、聴き手が“こういうのもあるんだ!?”とワクワクできるような作品がこれからも作れそうだ、という確信も生まれましたね。

取材:桂泉晴名

アルバム『Wandering』2017年12月6日発売 Virgin Music
    • 【初回限定盤(DVD付)】
    • TYCT-69125 ¥3,500(税抜)
    • 【通常盤】
    • TYCT-60111 ¥2,800(税抜)

『SHE'S Tour 2018 “Wandering”』

■with guest
2/07(水) 長野・松本ALECX
w)BIGMAMA
2/09(金) 神奈川・F.A.D YOKOHAMA
w)go!go!vanillas
2/11(日) 栃木・HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2
w)WEAVER
2/14(水) 滋賀・U★STONE
w)Czecho No Republic
2/15(木) 兵庫・神戸VARIT.
w)Czecho No Republic
2/17(土) 三重・松阪M'AXA
w)片平里菜
2/19(月) 京都・MUSE
w)androp
2/21(水) 静岡・浜松 窓枠
w)片平里菜
2/24(土) 岩手・盛岡CLUB CHANGE WAVE
w)TOTALFAT
2/25(日) 福島・郡山HIP SHOT JAPAN
w)TOTALFAT
■one man
3/02(金) 福岡・DRUM LOGOS
3/03(土) 広島・CLUB QUATTRO
3/09(金) 岡山・YEBISU YA PRO
3/11(日) 大阪・なんばHatch
3/17(土) 石川・金沢 AZ
3/18(日) 新潟・NEXS
3/21(水) 北海道・札幌 PENNY LANE 24
3/23(金) 宮城・仙台 darwin
3/31(土) 愛知・名古屋 ダイアモンドホール
4/01(日) 東京・EX THEATER ROPPONGI

SHE'S プロフィール

シーズ:“聴けば、きっととらわれる。旋律に愛されたバンド”。メンバー全員大阪出身の次世代ピアノロックバンド。2012年の『閃光ライオット』ファイナリストを契機にその高い音楽性が一気に注目を集め、16年6月にシングル「Morning Glow」でメジャーデビュー。全作品のソングライティングを担う井上が奏でるピアノをセンターに据え、エモーショナルなロックサウンドから心を鷲掴みする珠玉のバラードまで、壮大かつ圧倒的な存在感を放つ。また、18年5月には東京と大阪にて弦・管楽器を従えたホールワンマン公演『Sinfonia “Chronicle” #1』を成功させた。SHE'S オフィシャルHP

OKMusic編集部

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