© WBJ and DLE

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【DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団】
「認知度微妙なDCヒーローもポップに
盛り上げる」FROGMANインタビュー

映画『DC スーパーヒーローズvs鷹の爪団』が現在公開中!あの低予算Flashアニメ「鷹の爪」とどの様に融合しているのか? 本国に怒られないのか?監督・脚本・脚本・声優を務めているFROGMANにお話を伺ってきました。

DCヒーローをいじって本国に怒られないの?Youは何しに東京へ? Flashアニメの「鷹の爪」とバットマン、スーパーマンら「DCスーパーヒーロー」がコラボした、映画『DC スーパーヒーローズvs鷹の爪団』が現在公開中!
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11月23日に全国公開となる映画『ジャスティス・リーグ』よりも、1ヶ月先に日本上陸を果たすDCヒーロー達。
あの低予算Flashアニメ「鷹の爪」とどの様に融合しているのか? 本国に怒られないのか? あらゆる意味で全世界から注目を集めています。
この世紀のコラボについて、「鷹の爪」を生み出し、『DC スーパーヒーローズvs鷹の爪団』の監督・脚本・脚本・声優を務めているFROGMANにお話を伺ってきました。
――映画拝見しまして、豪華な内容でヒーロー達の格好良さも味わえつつ、鷹の爪のシュールな面白さが活かされていたのが感激でした。
FROGMAN:ありがとうございます。最初にお話をいただいた時は驚くばかりで、正直に言うとその時の気持ちってよく覚えて無いんです(笑)。
企画がスタートしたのが2015年で、翌年はじめに作品の方向性が分かるパイロットフィルムの様な物を作ってアメリカに提出しました。
話が進んでいってトラブルが起こったりすると“予算ゲージ”が減っていくってアイデアも最初から入れていました。
アメリカ人にすごくウケたのは…――アメリカの方にも鷹の爪のシュールな笑いが通じるんだってちょっと意外でした。
FROGMAN:予算ゲージとかはすごくウケてたみたいですね。
後は政治家とかテレビのパロディをやっている所は、もちろん分からないと思いますけど、日本のワーナーさんが「これが日本で面白いんですよ」と説明してくれたりして。
――では割と気を遣わずにFROGMANさん自身やりたい様に作れたと。
FROGMAN:そうですね。もちろんアメリカからの戻しとか要望はたくさんあったと思います。
でもそれを日本のワーナーさんが説得して、修正が僕の所にたくさん来ない様にしてくれていて。
アメリカから日本に依頼が来た修正や要望が10だとしたら、僕の所に来るのは1くらいという感じで、日本のワーナーさんにはすごくお世話になりました。
なぜ、DCヒーローは認知度が微妙なのかワーナーとDCの実写映画化プロジェクトって、クリストファー・ノーランの『ダークナイト』三部作をはじめ、映画ファンにはアツく支持されているのに、子供や女性まで広く認知度が広がっているかというと微妙じゃないですか。
重厚な世界観でシリアスすぎると言いましょうか。僕はその世界観は大好きですが、今回「鷹の爪」にお声がけいただいたのも、親しみやすいエンターテイメント、子供が楽しめる気軽さを求めているからで、ワーナーさんは「鷹の爪」の世界観を守る為に色々と動いてくださったので本当にありがたかったです。
山田孝之起用の裏側――今回、声優陣もとても豪華ですよね! それぞれのキャスティングの理由を教えていただけますでしょうか?
FROGMAN:アメコミはマニア的なファンがとても多くて、変な人を起用すると絶対叩かれるじゃないですか(笑)。だから、きちんとした方にお願いしたかったというのがまずあります。
そんな時に「山田孝之がバットマンファンらしい」という話を聞いて。山田さんとはずっとお仕事してみたくて、『天才バカヴォン ~蘇るフランダースの犬~』(2015年公開のFROGMAN監督作品)の時もオファーはしていたのですかスケジュールが合わなくて。
なので今回ご一緒出来て本当に嬉しかったです。でも、いざ話してみたら山田さんはそこまで『バットマン』のファンでは無かったという(笑)。
――(笑)。山田さんの声すごく素敵でしたね。
FROGMAN:僕もとても気に入っています。安田顕さんも僕と奥さんが『水曜どうでしょう』のファンだった事もあって、その言葉数は少なくても存在感が抜群な所がすごく好きでしたので、お願い出来て嬉しかったです。
知英さんは、もともとハーレイ・クインに現実味の無い透明感と可憐さを感じていたので、なかなかこれだという人が見つかりませんでした。
プロデューサーがいくつかの候補を挙げてくれて、知英さんの名前を聞いた時に「それだ!」と。実際にお会いしても透明感がありながらも、いるだけで周りを惹きつけてしまう存在感があって、この選択は正しかったと思いました。
当初、日本語だけは若干不安があったのですが、とても上手で、先日奥さんが試写を観た時も「知英さんすごく上手だったね」と言っていたので安心しました。
豪華声優陣も集結!
豪華声優陣も集結!――鈴村健一さん、松本梨香さん、浪川大輔さん、中井和哉さん、高木渉さんと豪華な声優さんも集結しました。
FROGMAN:松本梨香さんは何度かお仕事させていただいているんですけど、本当に素敵な方で、自分の演技にブレーキをかけないというかやりきってくれるんですよね。
実は、アメリカのワーナーから来たオーダーの一つに「ワンダーウーマンをセクシー要素としてや、ヒロインとして描いて欲しくない」というものがあり、梨香さんなら可愛さも残しつつ凛とした格好良いワンダーウーマンを演じてくれると思いました。
僕は正直声優さんにはあまり詳しく無いのですが、“声優界のアベンジャーズ”を作りたいと思い、DLE(FROGMANさんが所属している会社)で、声優に詳しい女性スタッフにリストを作ってもらって、社内で投票して決めました。
皆さん素晴らしくて、自分が描いたキャラクターなのに声が吹き込まれると「アクアマンがアクアマンらしく」なるので不思議だなあと。
――どのキャラクターもとても魅力的で、「ジャスティス・リーグ」のキャラクターって、スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン以外の知名度って今はまだ無いですよね。
でもこの作品を観ることで、それぞれのキャラクターと能力が分かるのが嬉しかったです。
FROGMAN:そうですよね。僕はクリストファー・リーヴの『スーパーマン』シリーズが直撃世代で、高校生ぐらいのころにはティム・バートン監督の『バットマン』シリーズ、30代で『ダークナイト』を観ているのでバットマンがやっぱり大好き。
ジャスティス・リーグは魅力的なキャラクターがたくさんいますが、「鷹の爪」なので色々いじらせてもらいましたけど、愛を持っていじらせてもらっているので、キャラクターの設定等にも細かくこだわりました。
KenKenの曲のパワーに「音楽ってすごいなあ」――また、音楽もGLIM SPANKYさんが主題歌、KenKenさんが挿入曲を担当と非常に豪華です! こちらも監督のこだわりが?
FROGMAN:音楽に関しては完全に僕の意見を通させていただきました。
GLIM SPANKYは、去年『ONE PIECE FILM GOLD』の主題歌をやっていたのがめちゃくちゃ格好良くて嫉妬しました。
曲作りも、本当僕みたいな素人が申し訳無いんですけど、最初からガッツリ一緒に入らせてもらって、DCヒーロー達の正義感だったり葛藤だったり、表現出来る最高の曲に仕上がっています。
KenKenは実は「鷹の爪」のファンでいてくれたそうで、去年映画『スーサイド・スクワッド』のレッドカーペットを僕が吉田くん達と歩かせてもらった時にKenKenも出ていて、初対面したんです。
それで「DCヒーローも鷹の爪も好きならKenKenにお願いするしかないだろう!」と思い、実現しました。
僕は知り合うまでKenKenの事をあまりよく知らなかったんですけど、曲を聴いたらめちゃくちゃ格好良くて。
先日の試写会でも、鷹の爪ファンというよりも謎解きゲームファンの方が多かったのですが、KenKenの曲が流れるシーンですごく盛り上がるんです。
DCヒーローも鷹の爪もよく分からない方がいた中でも観客が手を叩くほど盛り上がらせるKenKenの曲のパワーに「音楽ってすごいなあ」と思いました。
製作者は安易に芸能界に頼るのをやめるべき――監督のこだわりがバシッとハマって、見事に作品を盛り上げていました。
FROGMAN:さきほどの声優起用の話もそうですが、どうしても日本でエンターテイメントを作る時って、芸能界の事務所との兼ね合いって色々あって。
「今この子売り出し中なので」って売り込みがきたり、「この子を使えばこのテレビで番宣が流せる」とか。
でも僕は、製作者は安易に芸能界に頼るのをやめるべきだと思っていて。
これまで色々な都合で自分が納得していないキャスティングをすることもありましたが、そうすると自分の作品なのに好きじゃなくなっちゃうんですよね。見返した時に辛い気持ちになる。
もう二度とそんなことはしたくないと思い、本作ではとことんこだわった、納得したキャスティングになりました。
きっと観客の皆さんにも気に入っていただけるとおもいます。
――「アメコミ」と聞くと敬遠してしまう方も、本作はとても楽しく見れる映画なので、アメコミへのとっかかりにもして欲しいですよね。
FROGMAN:DCヒーローズのこれまでの作品は、ダークな世界観のものが多くてもちろんそれが魅力的だと思うのですが、もっとポップに見れる作品があっても良いのでは無いかと。
「鷹の爪」がDCヒーロー達を盛り上げる一員にこれからもなれたら良いなと思っています。

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