SWANKY DANKが夢を叶えるために上げ
た狼煙という名のツアー2日目をレポ
ート

SWANKY DANK ”Smokes TOUR” 2017/10/09(月祝) 渋谷TSUTAYA O-WEST
YUICHI(Vo/G)、KOJI(Vo/B)の兄弟からなる4ピース・バンド、SWANKY DANKが今年結成10周年を迎えた。昨年10月から今年1月にかけて47都道府県ツアーをやり遂げ、バンドは精神と肉体の両面においてより一層鍛え上げられた。その経験値を持ち、今年9月に出たメジャー1stアルバム『Smokes』(狼煙という意)は、ポップ・パンクのダイナミズムと型にハマらない衝動を解き放ち、エモ、ラウド、R&Bなど持ち前の引き出しを自由に出し入れするフットワークの軽さを見せつけ、作品トータルの完成度も素晴しかった。
 そのレコ発ツアー2日目にあたるTSUTAYA O-WESTは2組の対バンを迎えて行われた。トップ・バッターはSWANKY DANKとは昔から親交の深いAIR SWELLが務めた。「Hey 渋谷!Mother Fucker!」とhamaken(Vo/G)が威勢よく挨拶すると、ガンズ&ローゼズの『APPETITE FOR DESTRUCTION』(*今年デビュー作30周年)Tシャツを着たhiromitsu(B/Cho)のブンブンうねるベース、歯切れのいいリズムを叩き出すYudai(Dr)が織り成す骨太サウンドで攻め立てる。加えてキャッチーな同期もポップ性に優れ、軽快にして重厚な音色を轟かせる。「灼熱にするためにトップにされたと信じてる」とhamakenは言い、有言実行、フロアを激しく焚き付けた。
 次は大阪発の6人組、FABLED NUMBERだ。女性鍵盤奏者を含む編成で、ロック、パンク、ダンス、EDMなど多彩なジャンルを織り交ぜ、似たバンドが浮かばない独自の音楽性を紡ぎ出す。アッパーでカラフル、ダイナミックでスケール感を帯びた曲調で観客を虜にしていた。それから11月8日にリリースされる2ndアルバム『THUNDER』から新曲「Like a Thunder」も披露。躍動感漲るビートを基調に、天に突き抜ける力強い歌メロが冴え渡っていた。
SWANKY DANK
 そして、遂にSWANKY DANKの登場だ。YUICHIが先頭を切ってステージに現れると、それを追う形でKOJI、KO-TA(G)、SHUN(Dr)と揃い、メンバー4人で拳を合わせると、いざ演奏開始! ライヴでは以前からやっていたアンセム・チューン「Colors」でいきなり観客を熱狂させる。序盤の時点で既にメンバー一人ひとりの歯車が噛み合い、凄まじい爆発力を生み出していた。それを受けて、自然にサークル・モッシュやダイバーの数もみるみると増えていく。その光景を見て、「今日はどっちが拳を高く上げられるか、勝負しませんか? パンク・ロックは好きですか?」とKOJIが煽ると、観客も大声でレスポンスし、その後も怒濤のパンク・ショウを展開。曲によってKOJI、YUICHIがツイン・ヴォーカルで掛け合い、重厚な歌心に心を奪われっぱなし。また、この日KO-TAはザック・ワイルド(Vo/G)によるブラック・サバスのカヴァー・バンド、ZAKK SABBATHのTシャツを着用し、手数の多いスリリングなギターで曲調を華やかに彩っていた。そして、SHUNは切れ味鋭い2ビートを畳み掛け、楽曲のテンションを異様に高めていた。
SWANKY DANK
SWANKY DANK
SWANKY DANK
SWANKY DANK
 ツアー初日の千葉LOOKではまさかの1曲目でブレーカーが落ちたり、今日も途中でYUICHIの弦が切れてしまうハプニングがあったものの、メンバーはそれさえも楽しんでいる様子だった。
「『Smokes』は1stアルバムのつもりで作った。次のステップじゃなく、最後のつもりで作ったから。ワクワクする初期衝動を大事にして、メジャーでやりたいことをやった」とYUICHIは語っていた。最新作から全曲プレイまではいかなかったが、切なくもエモーショナルな歌メロが際立った「Start Again」、日本語詞でストレートに訴える「捧ぐ歌」など最新作のナンバーを披露し、ショウの流れにいいフックをもたらしていた。
SWANKY DANK
SWANKY DANK
 "狼煙"という意味を込めた最新作のツアーはまだ始まったばかりだ。「あそこを埋めたい。夢を叶えるんで!」とメンバーも口にしていたが、今回のツアー・ファイナルはリベンジ・マッチの様相を呈したTSUTAYA O-EAST(来年1月19日)で締め括られる。今日のライヴを観る限り、バンドの気迫のこもった演奏は申し分なく、猛進するエネルギーと緩急を付けたメロディとのバランスも最高だった。今のSWANKY DANKはエモーションを全開放した人間臭さがあり、その上で、一枚岩と化したバンドのグルーヴも過去最強と言える仕上がりだ。是非、各地のツアーで生の彼らを体感してほしい。

取材・文=荒金良介  撮影=Hotty
イベント情報

SWANKY DANK【Smokes TOUR】
10/7(土) 千葉LOOK(ONE MAN)
10/9(月・祝) TSUTAYA O-WEST(w / AIR SWELL, FABLED NUMBER)
10/11(水) 新潟GOLDEN PIGS BLACK(w / MOROHA,FABLED NUMBER)
10/14(土) OSAKA MUSE(w / NOISEMAKER
10/15(日) 名古屋APOLLO BASE(w / NOISEMAKER)
10/22(日) 札幌BESSIE HALL(w / COUNTRY YARD,snatch)
10/27(金) 金沢vanvan V4(w / ROACH, TOYBEATS)
10/28(土) KYOTO MUSE(w / cinema staff
10/29(日) 神戸 太陽と虎(w / cinema staff)
11/3(金・祝) 岡山CRAZY MAMA 2nd room(w / SABOTEN, SABANNAMAN
11/4(土)高松DIME(w / SABOTEN, SABANNAMAN)
11/16(木) 松本ALECX(w / CrystalLake)
11/17(金) 静岡UMBER(w / CrystalLake)
11/18(土) 水戸LIGHT HOUSE(w / CrystalLake, ENTH)
11/24(金) 岩手the five morioka(w / SECRET7LINE, MAGIC OF LiFE
11/25(土) 八戸ROXX(w / SECRET7LINE, MAGIC OF LiFE)
11/27(月) 仙台enn 2nd(w / JOY Opposites, INFOG)
12/7 (金) 福岡Queblick(w / POT, PRAISE)
12/8 (土) 周南rise(w / POT, PRAISE)
12/9 (日) 柳ヶ瀬ants(w / PRAISE)

“Smokes TOUR FINAL”
日時:2018年1月19日(金)
会場:TSUTAYA O-EAST
開場:18:30 / 開演:19:00
料金:¥3,300(税込み、ドリンク代別途)
Information:CREATIVEMAN 03-3499-6669
リリース情報

Major Debut Album「Smokes」
SWANKY DANK / Smokes
【CD+DVD】CTCR-14928B ¥3,000
【CD】CTCR-14929 ¥2,500

●CD
1.I Never Gonna Let You go 2.Colors 3.Start Again 4.捧ぐ歌 5.Obedeience 6.Closer 7.The Hot Love Season
8.Making My Way
9.アイノコエ 10.Neverland 11.Make a Noise

●DVD 2017.1.28「it is WHAT it isツアー」FINAL@渋谷 TSUTAYA O-EAST
1.WIMP 2.misery 3.TIME 4.the answer 5.MADE A MESS

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