[第33回]『TOKYO TRIBE』もラストス
パート。宮澤佐江、ここ3年の苦悩と
葛藤の”秋”とこれから

舞台『TOKYO TRIBE』は10/21(土)、22(日)の大阪公演で大千秋楽。新たな大舞台へ2017年のラストスパートをかける前に、ここ数年の秋を振り返ると、意外な希望が見えてきました。

ーーさあ、佐江ちゃん! 今回もよろしくお願いします。
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はい! よろしくお願いします。
ーー前回は、佐江ちゃんが現在出演中の舞台、『TOKYO TRIBE』の魅力や舞台裏について、たっぷりとお話をお聞きしました。
はい!
ーーその『TOKYO TRIBE』もいよいよ10/21(土)、22(日)の大阪公演(会場:松下IMPホール)を残すのみとなりましたね。
そうなんです。すでにロスが怖いよぉ〜。
ーー前回のお話では、「これまで佐江ちゃんがお仕事をしてきた世界とは、離れた世界で活躍されている方との出会いが、日々大きな刺激になっている」というお話も出ましたね。
そうですね。『TOKYO TRIBE』の舞台がなければ、出会わなかったであろう方たちとの出会いがたくさんありました。
でも、新しい出会いだけじゃなく、これまでにどこかしらでつながっていた方たちもいるんです。
例えば、ブッバ役のACEは高校の同級生だったり、號(ゴウ)役の植木豪さんも、過去に一緒にお仕事をさせていただいたことがあったり。
メラ役のSHUNくんをはじめ、今回共演したBeat Buddy Boiのメンバーのなかには、今回共演はできなかったけれど、48グループの楽曲へ振りを提供してくれた方もいたりするんです。
とにかく素晴らしいカンパニーで、皆、本当に仲がよくて。千秋楽を迎えたら本当にさみしくなりそう。
ーーそうですね。『TOKYO TRIBE』の千秋楽を迎えると、今年も早いもので残すところ、あと2カ月ちょっとになりますね。
あ、あと2カ月! 早いなぁ。
ーーそこで今回は、“2017年のラストスパートに向けて”をテーマに、お話をお聞きしようと思っています。
今年、私がこれから取り組むことは、あの“ひとつ”のみですから!
ーーそう、あの“ひとつ”ですね。そのお話をお聞きする前に、今年の最初に佐江ちゃんが“2017年に心がけたいこと”として書いてくれた、ある言葉がありましたよね。
筆ペンで書きましたよね。“自然体”って! (第14回)
”自然体”でなぜいられる?
ーーそうです! 今年は“自然体”で過ごせましたか?
あッ!! “自然体”でいられているかもしれない!
ーーもしかして“今”ですか?!
そう、“今”!
『TOKYO TRIBE』の現場では、すべてを見せているかもしれない。私、何で“自然体”でいられているんだろう?? (考えを巡らしている佐江ちゃん)
女の子といる環境よりも、男の子といる環境の方が自然体でいられるんだろうなぁ。それはたぶん、お兄ちゃんがいる環境で育ってきたからかもしれない。
もちろん女の子といると、いろいろ話せるし、リラックスできるんです。着替えるときだって、裸になっても気にならないくらいの関係性ではあるんだけど(笑)。
でも、男の子の前では、性格的にめちゃくちゃオープンでいられるというか。とにかく年上、年下関係なく、男の子の前で“気取る”ということを知らないんです。
それが女の子の場合だと、年上、年下関係なく、まず“この子はどういう子なのかな”って相手を見てしまって。気を使い過ぎてしまうところがあるみたいで。
今回、『TOKYO TRIBE』で共演した女子ふたりは、すごくサバサバした性格で、気を使うこともまったくなかったけれど。
ーー男性たちに対してはどうですか?
自然に応対できていました。自分が言いたいことも、きちんと伝えられていたと思います。例は悪いかもしれないけど、“ムカついた! ”と思ったことも、言葉にして言えるようになったり。
見方を変えれば“ワガママになった”のかもしれない。だけど、ある意味それも“自然体”ですよね。自分の感情をそのまま人に見せられているから。
“弱っている自分”も見せられるようになったし、“がんばり過ぎずにいこう”とも思えるようになった。
そうできるようになったのは、自分のなかでの大きな成長だなって思うんです。
変われたのは、もしかしたら海外へ行ったことが影響しているのかも。今年は、パリとロスへ行って、現地の人たちのフレンドリーさに触れることができたからかもしれない。(第30回)
例えば、通りすがりで目が合っただけで、「ハァーイ! 」って声をかけたり、微笑んだり。それが皆、すごく“自然体”なんです。自分の意見をイエスかノーかハッキリ言うし、あいまいな中間がないというか。
自分の普段の習慣も、どちらかというと海外で触れた習慣に近いのかなって思うんです。
だから、例えば普段街中を歩いているときに、人にぶつかっても何も言わない人がいたりすると、“何で? ”って思ってしまうんです。ひと言「ごめんね」とか言えないのかな? って。
ーー日本が“察する”文化だとすると、佐江ちゃんが海外で触れたのは、いやなら「イヤ」、逆にいいなら「いい」とすごくほめる、表に出す文化と言えますね。
次の舞台が終わったら…
そう! それがすごく素敵だなって思ったんです。
今まで触れたことのない人たちの人間性や習慣に触れたことで、“自然体”でいることを余計に意識できているんだと思います。
ーーとすると、今年心がけたいことは、実行できているといえそうですね。
あはは(笑)やったぜ!
ーー実行できた自分へのご褒美は?
いつもなら自分に何かを買うけれど、今回は買わないかな。何か買うのは、次の作品が終わってから…かな?? 今回の分は、そのときまで貯めておきます(笑)
ーー次の舞台が終わったら、また海外へ行けるといいですね。
そうですね。1月頃だとすると、沖縄…は、寒いし、海外じゃないか!?
ーーオーストラリアやニュージーランドは?
日本と季節が逆なんですよね。オーストラリアは選択肢に入ってますよ!!
でも、その前に、自分の嫌いな“秋”が来ちゃうよぉ〜。秋はいつも気分が沈んじゃう。
ーー秋に気持ちが沈んでしまう理由はあるんですか?
秋には、何かが重なる
いつも秋に何かが重なるんだと思います。
ーー去年の秋は、ちょうど『王家の紋章』の初演が終わった頃でしたよね。
そう…。去年の秋、キツかったなぁ。。
2、3年前から、秋は何かがおかしかった。10、11月はメンタルがいつもキツいというか。おととしはSKE48にいるときで、あのときも今考えたらツラかったかもなぁ。
ーー卒業発表する前の時期ですね。
そう! “いつ卒業発表できるんだろう”っていうモヤモヤがあって苦しかった(第144回)。その頃の握手会で、「これからのSKE48をよろしくね」っていうファンの方の言葉に、どう答えていいか分からなくて。
メンバーとも仲良くしたいけど、卒業することを言えずに本当のことが言えない、自分がイヤでイヤで。それがキツくて、気持ちが混乱して“ワーーーーッ”となって…いつも泣いてました。
それが2年前の秋。 3年前は…、病んではいなかったけど、やっぱり気持ちが落ち着かなかった。だから、今年の秋こそは、今までとは変えたいな。
だから、あの占いは信じない!
ーー占い?
はい。ここ1カ月の間に、占いや手相を見てもらう機会が何回かあって、「11月の運勢はよくない」って言われてしまって。でも、信じないッ!
「あなた、すっごく長生きする」って最初に言われて。仕事については、会社員よりも「人前に出る仕事の方がいい」と言われたから、そういういいことはもちろん信じてます(笑)
ーー恋愛は?
いいことだけを信じよう
「8月生まれか、9月生まれの男性と相性がいい」んだそうです。結婚する人もその月生まれの人がいいとかで。でも、そう限定されると、「え? え? え? 何で!? 何で2カ月に限定しちゃうの? 」って、思っちゃうんです。
相性のいい男性を、たったの2カ月だけにしぼられちゃったら、なかなか出会える機会はないですよね。これから好きな人ができたとしても、“あの人、○月生まれだから絶対恋愛できない”とか、すっごく意識しちゃうし。
だから、「11月は運勢よくない」って言われたことや、恋愛に関しては信じないで、いいことだけを信じようと思ってます(笑)
今年の秋、私はがんばるって決めているから大丈夫です!
乗り越えなきゃいけないことがあるのは、これからあるお仕事が決まったときから、ちゃんと分かっていたことなので。それがたまたま秋と重なっちゃったけど。。
ーー舞台『朝陽の中で微笑んで』のお稽古はもうすぐ始まりますね。
がんばらないと! オーディションで合格しているから、そう簡単には弱音は吐けません!
今、『TOKYO TRIBE』の本番中だけど、台詞の多い舞台ではないので、その分『朝陽の中で微笑んで』の台本を毎日見て、お稽古の開始に備えようと思っていたんですが…。
『TOKYO TRIBE』の本番が始まってまだ4日目だから、もうちょっと今の舞台だけに集中して…、とか言っていたら、すぐ日にちは経っちゃうんだよなぁ。(編集部註:取材日は10/2)
掛け合いの台詞が多いんですが、“台本を持って立ち稽古する”ことなく、これまで育ってきてしまっているので、“早く台本を覚えなきゃ”って、思ってはいるけれど。。 気持ちが焦せるばかりで。
ボディケアに行ってちゃんと疲れを取って、睡眠も取って、台本に取り組みます! でも、『王家の紋章』の後、『ピーターパン』も『TOKYO TRIBE』も台詞が多くなかったから。久々に台詞を覚えるのはすごく大変だろうな。
でも、多いと言っても『AKB49』の台詞の多さには敵わないと思う! あのときは、どうやって台詞を覚えたんだろう?? 自分でも本当に覚えてない! 記憶にないっ! (第76回)
『AKB49』のお稽古は確か、3週間くらいあったんです。だけど、ストレスで体調を崩して休んだりしたので、結局お稽古期間は2週間くらいだったんです。よくやりましたよね、私??
心ここに在らず
ーー短期間でなかなかできないことだと思いますよ。
マネージャーさんにも言われました。「あのときは、よくやりましたね」って。
ーー『AKB49』の舞台が終わった直後の「ミラチャイ」取材については、連載でも何度か話が出ますが、さすがの佐江ちゃんも疲れは隠し切れてなかったですよね。取材前にはDIVAのイベントもあって、疲れが見て取れました(第80回)。
そう! そう! そう! そう! “心ここに在らず”だった!
あのときは、あの台詞の量をよく覚えたなぁ。
ーーあの試練を乗り越えたんですから、今回も大丈夫!
そうですよね。
でも、今、ちょっと思うんですが、経験を積んでからの“浦山実”を、もう一度やってみたい気持ちもちょっとだけあります。
ーー確かに観てみたいですね。
でもあの役は、喉をつぶしてしまうので、身体に悪いからやめておきます(笑)
ーー(笑)。そういえば、『AKB49』の舞台が終わったのも、DIVAの解散コンサートに向けての準備期間も、ちょうど今頃の季節でしたね。(第82回)
3年周期
3年前? そうか! やっぱりそうだ!! DIVA解散の頃か。。やっぱり秋はダメなんだ。あの頃は大荒れでした。もう、激病みッ!! 史上最…、いや、3本、いや、4本指に入るくらい絶不調のときだった。(第92回)
とにかくいろんなことにイライラして、耳の軟骨にピアスを開けたのがその頃。24歳の私のささやかな反抗でした。今思うと、24歳にもなってかっこ悪い〜(汗)
ーー(笑)。あの頃の反抗の証が、今も耳に残っているわけですね。
そう! いわば、私の勲章です。あーーーー、すごく過去を“振り返り”たくなってきちゃった。あははは(笑)
えーっと、その1年前は地球ゴージャスのお稽古に入っていたんだ(第41回)。あのときは、すごく充実していたなぁ。。
あれ?? ??
…とすると、秋に気分が落ち込むのは、3年前から始まったことなんだ!?
ーー振り返ってみるとそうですね。
人間のバイオリズムって周期があるから。それも、3年周期って言いませんか??
ーー確かにそうかもしれません。バイオリズムが3年周期であるとするなら、不調な時期はもう終わってますよ!
終わってますよね!! これはいいですねー。今回の「ミラチャイ」取材は、いい終わり方ですねぇ。今年の秋は、はっぴぃー、ハッピーです!! ほんと最強な秋冬にしますよぉ!!
ーーほっとしました。“秋は気分が沈みがち”のままで終わると後味がよくありませんよね(笑)。気分を上げて終わりましょう!
はい!
ーーそれでは今回もたくさんのお話ありがとうございました! また次回もよろしくお願いします。
ありがとうございました! ここ2、3年は今頃の季節に気分が沈んで、秋が嫌いになってました。でも、今日「ミラチャイ」で話したことで思い出しました。本来ならば、秋は私の一番好きな季節だって!
皆さんも気温の変化に気をつけて、今年の秋を楽しんでくださいね。次の「ミラチャイ」もお楽しみに!
撮影:山田大輔 スタイリング:藤井エヴィ ヘア&メイク: 伊藤遥香
次回の更新は、11/3(金)予定です。

ウレぴあ総研

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