【インタビュー】BRADIO、ルーツをよ
り色濃く反映させアッパーかつ都会的
に仕上がったシングル「LA PA PARAD
ISE」

ファンクやソウルをベースにした独自の音楽性で多くのリスナーを魅了しているBRADIOの最新シングル「LA PA PARADISE」が10月11日にリリースされた。メジャー・デビュー音源となる本作は、彼らのルーツをより色濃く反映させつつ、アッパーかつ都会的に仕上げていることが印象的。優れたアプローチが功を奏して、「LA PA PARADISE」はブラック・ミュージック・フリークを始めとした、幅広い層に受け入れられることを強く予感させる。メジャー・デビューを飾るにふさわしい良作を作り上げたBRADIOの全員インタビューをお届けしよう。
■ソウルというのは迫害されていた黒人が誇りを持っていこう
■俺達は他のみんなとは違う宇宙から来た人間なんだみたいな精神性が根っこ
――10月11日にメジャー・デビュー・シングル「LA PA PARADISE」がリリースされました。
真行寺貴秋(以下、真行寺):メジャー・デビュー作ではありますけど、それを意識して方向性を考えたりすることはなかったです。これまで自分達がやってきたことを踏まえたうえで、今の自分達が一番良いと思えるものを形にしたいなと思っていました。ただ。これがきっかけになって聴いてくれる人もいるだろうから、BRADIOらしいものを作りたいよねという話はしていて。それで、「LA PA PARADISE」を、表題に持ってくることにしました。「LA PA PARADISE」の原形は、結構前からあったよね?
大山聡一(以下、大山):うん。今とは全然違っていたけど。
▲1st single「LA PA PARADISE」初回限定盤
▲1st single「LA PA PARADISE」通常盤


酒井亮輔(以下、酒井):シングルを作ることになってストックしてあったネタを聴き返した時に、このサビはメチャクチャ良いなと思って。そこから進化していって、今の形になりました。今回のシングルを作ったのは今年の4月頃だったんですけど、ちょうどその時期にアース・ウィンド・アンド・ファイヤーが来日していて、ライブを観に行ったんです。それで、もう本当に素晴らしいなと思って。めっちゃ感銘を受けたし、お客さんの感じもすごく良かったんですよね。いろんな世代の方がいて、それぞれが自分なりの楽しみ方をしていながら一体感もあるという感じで。その時は(真行寺)貴秋と2人で観に行ったんですけど、これはちょっとみんなで観に行かないといけないと思って、3日後くらいの静岡公演にマネージャーも含めて全員で遠征したんです。
――アースのライブ良かったから、みんなもネットとかで見てよ…ではなくて、実際に行かれたんですね。
酒井:そう。ライブの生の空気感を体感しないと分からないものがあるなと思ったから。それをみんなで共有したうえで「LA PA PARADISE」という曲と向き合ったら、すごく良いものになるんじゃないかなというのがあったし。実際それがきっかけになって、楽曲が良い方向に変わっていったんです。
真行寺:良いタイミングでアースが来日してくれて、本当にラッキーでしたね。曲の形が見えてきた段階で、どういう歌詞を書こうかなと考えて。今回はプロデューサーに藤井(丈司)さんに入ってもらっていて、歌詞の方向性も一緒に考えたんです。その結果、今までとは違ったテイストの歌詞になっています。今までと決定的に違うところが結構あって、一番大きいのは“君”とか“私”ではなくて、“お前と俺”になっていることですね。僕は普段の日常生活でも、そういう言葉は使わないんですけど、藤井さんの中には彼が思うBRADIO像みたいなものがあって。それを押し付けたり、それで縛ったりするわけではないけど、曲調やアレンジ、歌詞、僕のフロントマンとしてのあり方といったいろんな面について、こういう方向にするともっと良くなるんじゃないかというヴィジョンを持たれているんです。僕と同じように藤井さんもソウル・ミュージックとかが大好きで、ソウル・ミュージックはこうありたいよねというような話をよくしていて、大先輩ですけど仲間みたいに接してくれて、いろんなアドバイスをしてくれました。歌詞に関しても、ソウルの根本に還ったというか。ソウルというのは元々黒人が迫害されていて、彼らはそういう中で黒人として誇りを持っていこう、俺達は他のみんなとは違う、宇宙から来た人間なんだ…みたいな精神性が根っこになっていて、愛と宇宙とセックスというのが根本的なテーマになっているんです。それを、今回の「LA PA PARADISE」に入れられたのは嬉しいことだし、今後のBRADIOの方向性とか、自分の歌の方向性を後押しされた感覚があって。そこに向けて、すごく良いスタートが切れたんじゃないかなと思います。
▲真行寺貴秋(Vo)


――良いタイミングで、藤井さんと出会われましたね。「LA PA PARADISE」の歌詞は、歴史的な洋楽曲の邦題が散りばめられていることも印象的です。
真行寺:僕らは以前シングルカットした「オトナHIT PARADE」という曲で、いろんな曲のタイトルが出て来る歌詞にしたことがあって。今回は藤井さんと歌詞のアイディアをいろいろ交換していく中で、彼からいろんな曲の邦題を入れていこうよという声が出たんです。聴いてくれた人に、あなたと同じように僕らもこういう音楽が好きですよというメッセージを発信することができるし、歌詞に出てくる曲を知らない人は「LA PA PARADISE」がきっかけになって聴いてくれると嬉しいなというのがあって。“音楽を共有する楽しさ”も入れることができて良かったなと思います。
――曲を聴きながら、何度もニヤッとしました(笑)。では、「LA PA PARADISE」のレコーディングは、いかがでしたか?
田邊有希(以下、)田邊:ドラムに関しては、1980年代、1990年代といった往年の良き8ビートのグルーブを、いかに表現できるかというのがあって。それが自分の中の目標であり、果たすべき役目だなと思っていました。あの頃のビートというのはある意味独特で、人間模様みたいなものがビートに表れているというか、同じ8ビートでも、叩く人によって表情が違っている。なので、楽曲に歩み寄る反面、自分の8ビートみたいなものが叩けると良いなと思ってレコーディングに臨みました。独特の間だとか、ハーフビートの感じとかを出したいなというのがありましたね。ただ単にタイトな8ビートを叩けば良いというタイプの曲ではないので、そこが一番難しかったです。
――ビートの心地好さに加えて、繊細なハットワークも注目です。
田邊:ハットをいかに艶やかに叩けるかということも意識したので、そこに気づいてもらえたのは嬉しいです(笑)。あとは、シンプルなビートの曲だったので、楽曲やメンバーに迷惑が掛からない程度のフックみたいなものが欲しいなと思って。それはメンタル的なものなのか、技術的なものなのかとずっと探していたんですけど、歌詞ができてくるに連れて、“愛と宇宙とセックス”というテーマが浮かび上がってきて。それで、宇宙のことについて自分なりにいろいろ調べたら、宇宙と時間はすごく密接な関係にあるということが書いてあったんですね。「LA PA PARADISE」の歌詞はいろんな年代の楽曲の邦題が散りばめられていることも含めて、これは良いヒントになるなと思って。自分のドラムでもメンタル的に時間が表現できれば良いなと思ったんです。なので、ビンテージ・サウンドを主軸にして、スネアのヘッドとかは1950年代に活躍した某ドラマーが使い古したヘッドのレプリカを使いました。
▲田邊有希(Dr)


――最近は、そういうヘッドもあるんですか?
田邊:あるんです(笑)。ヘッドというのは、使っていくと真ん中の辺りが微妙にへこんだりするじゃないですか。それが再現されているんですよ。それに、シンバルはジルジャンから出ている1980年代のビンテージをリメイクしたシリーズを中心に使っていて。で、左右の一番端のシンバルは、敢えて現代的なものを使っています。現代的なシンバルは曲中で1回か2回くらいしか使っていないけど、自分のテリトリーの中で時間とか時代を表現できて、すごく面白かったです。
酒井:この曲は、出来上がっていくのが本当に楽しかった。今回は、本チャンを録る前に一度レコーディングしたんですよ。いつもはデータのやり取りで形にしていくんですけど、初めてスタジオでプリプロをして、そこで“掴んだ感”があったんです。棹(ベース)でいうと最初はプレベを使っていたし、藤井さん的にはそれがすごく良いみたいだったけど、僕は全然シックリきていなくて。それで、「ジャズベにします」と言って、本番はジャズベで録りました。
――ジャズベらしからぬ太い音になっていませんか?
酒井:そう。チューブ・アンプで録ったというのもありますけど、前回のツアーのファイナルから弦をずっと張り替えずにいて、わざとヘタレまくった状態にしたというのもデカかったと思います。ちょうどその頃はアース・ウィンド・アンド・ファイヤーだったり、’70年代の音楽だったりをすごく聴いていて、その頃のジャズベの音は張り替えたての弦特有の“パリッ”としたところが出ていないんですよね。ゴリッとした音ではなくて、弦を弾いた時に中域が“ドン!”と出ている。ああいうサウンドを鳴らしたいなと思って、敢えて古い弦を使ったんです。歌がきれいだし、ギターワークも絶妙だから、ベースは高音を出さなくても成立するなというのもありました。
――やりますね。音に限らず、スラップを織り交ぜたパーカッシブな歌中と、しなやかなサビのコントラストも効いています。
酒井:最初は全編に亘って、サビのテイストでいっていたんです。でも、藤井さんにもうちょっと何か欲しいなと言われて、その時に出てきたのがスラップだったんですよね。それで、歌中にスラップを持ってきてみたら、「サビに入った時に、感動的だね!」みたいな話になって(笑)。これは、うまくハマッたなと思います。
大山:展開パートでは、また違ったテイストを出しているよね?
酒井:そう。そこのフレーズは一番最初に弾いた時に“パッ”と出てきたものが、そのまま活かされているんです。ちょっと空を飛んでいるような感じで、自分的にすごく気に入っています。
大山:俺も、あのベース好きだよ(笑)。ギターは、この曲は元々は16ビートで作っていたのが8ビートになったというのがあって。原形の時はクランチ・トーンでコード・トーンをガンガン出しまくるようなアレンジだったんですよ。それが8ビートでやっていくということになって、さらにアース・ウィンド・アンド・ファイヤーみたいなグルーブ感の曲にしたいんだという話も出てきて。じゃあクリーン・トーンで弾けば良いかなと思っていたけど、静岡でアース・ウィンド・アンド・ファイヤーのライブを観て、そういうことじゃないなと思ったんです。それもあって、アレンジを変えていく中で、どういうギターを乗せようかというところで結構悩みましたね。ビンテージ感のあるサウンド作りが主体になっていくことは予想できていたし、ブラスや鍵盤が入ってくるだろうなというのもあって、すごくバランス感が必要とされるという宿題があって。それで、とにかくもう一度モータウンをしっかり聴こうというところから始めて、デヴィッド・T・ウォーカーとかナイル・ロジャースとかを参考にしつつ、自分らしさが出るスタイルというものを模索していきました。モータウンはギタリストが3人くらいいたりするし、アース・ウィンド・アンド・ファイヤーもステレオ感を活かしたギター・アレンジになっているじゃないですか。だから立体感が欲しくなったけど、うちは1ギターのバンドなので、同じフレーズをステレオで振る形を基本にして、2番は違うフレーズを左右に入れて起伏を付けるというアプローチを採りました。
――ビンテージライクなギター・トーンや、隙間を活かしたギター・ソロなども注目です。
大山:最初は棹も箱物……ES-335とかね、ああいうものを使おうかなと思っていたんですよ。でも、結局ストラトキャスターのハーフトーンに落ち着いて、アンプはフェンダーのバイブラクス・リバーブという小さめのコンボアンプを使いました。アンプ自体がちょっと歪んじゃうくらいの音量設定がすごく気持ち良くて、良い音で録れたんじゃないかなと思います。ソロ・パートは、サビ前の展開部のコード進行をさらに発展させたコード進行を使うアレンジにしたんですけど、結構オウンコード系で僕の好きなパターンなんですね。で、今回は“宇宙”というテーマがあったので、ちょっとトリップ感があって、なおかつモチーフを失わないソロということを意識しました。最初は藤井さんに「ここは、ぶっ飛んだソロを入れちゃいなよ」と言われて、それも“あり”だなと思って自宅で結構えげつないソロを入れてみたいしたんですよ。でも主張し過ぎるソロは違うなと感じて、世界観を壊さないソロを弾いています。
真行寺:歌はいつも通り、フリーな感じで歌いました。うちのバンドは歌を一番大事にしてくれるメンバーが揃っていて、今回も良いオケを作ってくれたので、すごく歌いやすかったですね。かなり自由にやっちゃっている感じの歌になっています(笑)。
――生き生きとしていますよね。ファルセットの多用も特徴になっています。
真行寺:僕は曲を作る時に、どんどんメロディーが高くなっていくんですよ。それを求める傾向があって今までもファルセットをちょいちょい使いつつ、周りの目を気にしている部分があったんです。カラオケで歌ってもらうことを考えるとキーが高過ぎたり、ファルセットが多いのはどうなんだろうというのがあって。でも、今回は自分の持ち味を思い切り出したかったし、藤井さんもアレンジの段階でファルセットにしたがっていたんです。自分の中でファルセットは馴染みがあるものだから歌っていても楽しかったし、楽しく歌っていること伝わると良いなと思っています。
■「ユー、ちょっと小粋な歌を乗せちゃいなよ」みたいな(笑)

■良い感じの歌が乗って返ってきたので、「はいはいはい!」と(笑)
――カラオケの歌いやすさなども大事ですが、スキルの高さを見せることもアーティストに必要なことですからね。では、カップリングの「Baddest」にいきましょう。
大山:この曲は、オケ先で作りました。オケを作っている段階で、こういうものをやりたいというのが見えていて、それに沿ってトラックを作って。このトラックは相当良いなと思って、貴秋に「ユー、ちょっと小粋な歌を乗せちゃいなよ」みたいな(笑)。そうしたら、良い感じの歌が乗って返ってきたので、「はいはいはい!」と(笑)。良い意味で気負っていないというか、グルーブを楽しんじゃいましょうという感覚のサウンドにしたいなというのがあったので、狙い通りに仕上がりました。
田邊:この曲は「LA PA PARADISE」とは違って、どちらかというと重心が低い音がするセットを使いました。それに、シンプルなセットで、マイクの本数も極力少なくて良いんじゃないかなと思って、「3点とシンバル2枚、以上!」という形を組んだんです。プレイ的には、いかに気持ち良くハネられるかというのがキーだなと思っていて。そこをメンバーと相談しつつ一番気持ち良いところに落とし込みました。
▲1st single「LA PA PARADISE」初回限定盤
▲1st single「LA PA PARADISE」通常盤


――ハネ過ぎていないビートが心地好いですし、オシャレです。
田邊:ありがとうございます。僕はハネ感を自在に操れるドラマーになりたいなと思っていて、「Baddest」はそこに向けた1ステップが見えた曲でもありましたね。
酒井:この曲のベースは、(大山)聡一がベーシックを考えてくれたんです。フレーズだったりとか、タッチワウを使うアイディアだったりとか。僕の中には1曲通してワウを掛けるという発想はないんですよね。自分以外のプレイヤーが考えたものはそういう面白さがあって、この曲は楽しかったです。初期の段階でアプローチは決まって、あとはやるだけという状態だったので、本番はとにかくやりまくろうという気持ちで挑みました。もうバグったくらいの感覚で弾いたほうが楽しいだろうなと思って(笑)。そういうスタンスで臨んで良いテイクが録れて、良かったです。
大山:ギターは、全然苦労しなかった。当初からイメージが結構定まっていたので、フレーズワークというよりは音色とかグルーブに重点を置きました。自分でオケを作る時は打ち込みのドラムとか、自分のヘタクソなベースで作るので(笑)、それが生になった時にグルーブが変わるというのがあって。それに、今回はパーカッションも入っているので、レコーディング的には、そこにギターのグルーブを合わせていく作業でしたね。こっちの曲はテレキャスターで録ったんですけど、太いクリーン・トーンが中心になっていて、後半ドライブしていくという気持ち良さを味わってもらえればと思います。この曲のギターの音は、本当に気に入っているんですよ。この曲も小さいコンボアンプを使っていて、後半の歪みもアンプのナチュラルな歪みを活かしたんです。だから、1曲を通して、ほぼアンプ直の状態になっている。最近はいろいろエフェクターを持っていっても、結果使わないということが多くて。やっぱり、自分はアンプの音が好きなんだなと思いますね。ギタリストとして、どんどん退化していっているという(笑)。
一同:退化って(笑)。
大山:いや、周りの人の話を聞くと、みんなリアンプとかデジタル・アンプを上手く使って良い音を録っているけど、僕はアンプ直で、マイクで録った音が一番良いなと思うようになってきてしまって。でも、それは個性になるので、突き詰めていこうかなと思っています。
▲大山聡一(G)


――それは、大いに賛成です。それに、後半に出てくるスキャットとギターのユニゾンも絶妙です。
大山:最近はジョージ・ベンソンが大好きなんですよ。やっぱりカッコいいんですよね、ギターとボーカルがユニゾンするのって。ただ、ジョージ・ベンソンは1人でやっているけど、僕はできないので貴秋と2人でやるという(笑)。この曲はとにかく気持ち良いフレーズを弾くようにしたし、ギターの役割もかなり分かりやすく表現できたんじゃないかなと思います。
真行寺:この曲もサビのメロディーが高くなっってしまって、「LA PA PARADISE」と同じようにファルセットで歌っています(笑)。サビのメロディーは、聡一が付けそうなメロディーを意識したんですよ。デモとかプリプロの段階で、聡一が鼻歌でメロを歌っていることがたまにあって、聡一が好きなメロディーの癖みたいなものが僕の中にも入っていて。たぶん、聡一はこのサビのメロディーは好きだな…みたいな。
大山:たしかに、この曲のサビは好きです(笑)。
真行寺:でしょう?(笑) あとは、どうだろう……この曲も自由に歌ったという印象ですね。スキャットは僕もジョージ・ベンソンは好きだし、アル・ジャローンとか、ボビー・マクファインみたいなスキャットをやりたいという初期衝動が、この曲には入ったかなと思います。ファルセットを自分の武器にしたいというところも含めて、今後はスキャットがBRADIOの顔の一つになると良いなというのはありますね。
▲酒井亮輔(B)


――今回の2曲を聴いて、自分達が好きなものをキャッチーかつ独自のものに仕上げる上手さを、改めて感じました。さて、「LA PA PARADISE」はメジャー・デビューを飾るにふさわしい作品になりましたし、11月から12月にかけて行われる東名阪Zeppツアーも楽しみです。
真行寺:今は絶賛ライブ制作中なんですけど、僕らはお客さんの目に見える部分……テーマや見せ方、曲の繋ぎといったことをツアーごとに変えていて、今回の新しいものを見せたいと思っています。それとは別軸で、BRADIOの内面的なものというか、もう一度音楽や楽曲というものを見つめ直すという作業を今回はしていて。テクニック、メンタル、フィジカルという3つのバランスを、見直そうという動きになっているんです。そういう中で結局行きつくのは“やっぱり音楽は良いな”ということなんですよね。次のツアーは来てくれたみんなに、それが伝わるライブをしたいと思っています。
田邊:今までの僕らは、わりと“踊ろうよ!”という感じだったんです。それを言葉で発したりしていたんですけど、今後は踊らずにはいられない音を奏でないとダメだなと思っていて。そのためには、心が躍るということがすごく大切になってくると思うんですよね。リズム楽器として、いかにそこに磨きをかけていくかというのが今後はキーになってくると思う。秋の東名阪ツアーは、そこに向けた第一歩を示す場にしたいです。
大山:最高のシングルが出来たと思っているので、それをライブで演奏できることがすごく楽しみだなというのがまずあって。あとは、BRADIOの音楽というのは多くの人と共有して増幅させていくこと大事だなと思っているので、ライブは本当に重要な場なんですよね。それは前から思っていたことだけど、ここに来て改めて認識しているので、そういう意識でツアーに臨みます。あとは、最近は「メジャーになったことは、ターニング・ポイントになりますか?」というようなことを聞かれる機会が増えているんですけど、自分達としてはインディーズだったからどう、メジャーだからどうということはないと思っています。でも、良い機会だなという感覚もあるんですよ。ミュージシャンとして生きていく中で、ここで強制的にBRADIOの第二章に入りたいなという気持ちがあるから。今まで大事にしてきた部分は変わらないけど、今までのままでは先に行きたくもないという想いもあるんです。そういうところで、秋のツアーでは良い方向に変わったBRADIOを見せつけたいと思っています。
酒井:今度のツアーはコンセプトがより強いものになる予感があって、どういうライブになるか想像できるというか、すごく見えてきているんです。それで、今はバグる準備をメチャクチャしています(笑)。それに、アース・ウィンド・アンド・ファイヤーのライブは、ものすごく多幸感がありつつ、どこかせつなさもあって、楽しいのに泣きそうになるという空間だったんですよね。そういうものを自分達も出せたら良いなというのがあって。楽しいだけで終わるライブではなくて、来てくれたお客さん一人一人の心を“グッ”と掴んでいくライブをすることを目指します。
取材・文●村上孝之
カラオケのLIVE DAM STADIUMで、BRADIOのライブパフォーマンスがボーカル入りでそのまま楽しめる「まま音」を10月29日よりに独占配信。LIVE DAM STADIUMでは、ツアーの最終公演が収録されている10月4日発売のLIVE Blu-ray&DVD「BRADIO LIVE at 中野サンプラザ-FREEDOM tour 2017-」の中から、 カラオケで人気の「Flyers」「Back To The Funk」「-Freedom-」を“まま音”でお届けする。“まま音”とは、 本人映像はもちろんのこと、 本人の歌声もそのまま楽しむことができる新感覚のカラオケコンテンツで、ツアーファイナルの盛り上がりを大迫力の映像とサウンドによってリアルに再現する。また、 同機種搭載のデュアルモニター機能にも対応しており、メインモニターとスペシャルモニターには、それぞれ別のアングルから撮影したライブパフォーマンスが映し出される。
リリース情報


1st single「LA PA PARADISE」

2017.10.11 RELEASE

初回限定盤:WPZL - 31360~61 価格:¥2,200(without tax)

通常盤:WPCL - 12713 価格:¥1,000(without tax)

【収録曲】

M-1.LA PA PARADISE

M-2.Baddest

M-3.LA PA PARADISE (Hidden AFRO ver.)

M-4.Baddest (Hidden AFRO ver.)

※初回盤DVD には「LA PA PARADISE」のMV+MakingMovie が収録
<BRADIO LIVE at 中野サンプラザ-FREEDOM tour 2017-(Blu-ray)>

2017.10.04 RELEASE

HRME-1017(Blu-ray) 価格:¥5,800(without tax)

〈本編〉

01. 彼女ハリケーン

02. Flyers

03. HOTELエイリアン

04. Super Wonderful

05. -Freedom-

06. Step In Time

07. Overnight Superstar

08. 蝙蝠

09. You Make Me Feel Brand New

10. 思い通りにならない世界

11. Ride On Time

12. KAMISAMA

13. Get Money

14. ギフト

15. Playback

16. Golden Liar

17. Revolution

18. スパイシーマドンナ

19. Back To The Funk

<アンコール>

20. All I Need Is You

21. Colors

特典映像

「FREEDOM tour 2017」ツアーオフショット
ライブ・イベント情報


<LA☆PA!PA!PA! PARADISE TOUR 2017>

10/27(金)Zepp Nagoya

10/28(土)Zepp OsakaBayside

11/12(日)Zepp Tokyo
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