【THE MODS】
『THE MODS TOUR 2017
"ONE SHOT DEAL"』
2017年10月9日 at 豊洲PIT
リリース作品を引っ提げてのツアーではないからこそのセトリが、ある意味でTHE MODSらしく、一曲一曲が彼らの生き様を物語っていた。この日も絶大な起爆力を発揮した《変えられない このスタイル》と歌う「壊れたエンジン」をはじめ、“みんなの歌です”と披露された《世界が笑っても 俺達は曲げなかった》と歌う「STAY CRAZY」など、どんな状況下でも、どれだけ年齢を重ねようとも、自分が信じるものを諦めないスピリッツを綴ったナンバーが胸を震わせる。以前に知り合いのバンドマンが“俺、THE MODSのライヴを観るといつも泣いてしまうんですよ”と言っていたことをふと思い出したが、きっと拳を突き上げ、大声で歌っているフロアーの連中も同じだろう。楽曲に込められている生き様は、シチュエーションは違えども観客たちの“リアル=日常”でもあるのだ。
また、中盤には森山達也(Vo&Gu)がブルーのエドワードジャケットを羽織って、ロカビリーやバップを下地にしたR&Rでフロアーを踊らせるピスーフルなダンスタイムも用意されていたが、本公演での特筆すべきは“リアル=時代”なブロック。「いつの日か…Doomsday War」「UNDER THE GUN ~市街戦~」等を歌い終わったあと、森山は“トランプとミサイル大好きな彼奴に届けばいいけどね”と言っていたし、“チキンレースの世の中に!”と言い放ったあとには最強の爆弾を会場に投下した。かつては“レベルソング”や“プロテストソング”とも言われていたのに、恋愛ソングや応援歌ばかり歌うようになったロックやパンク。それを否定はしないが、今の時代に鳴らすべきものを忘れていないか? THE MODSは変わらないスタイルでリアルなロックを鳴らし続けている。
撮影:齋藤ユーリ/取材:石田博嗣
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