【WKWK PROJECT】ex.カメレオのKoui
chiと、ギルドの宏一によるWKWK PRO
JECT初ライブレポ

9月29日(金)、ex.カメレオのKouichiと、ギルドの宏一によるWKWK PROJECTが、新宿LOFTにて初ライブ「WKWK LIVE Vol.1~Wコウイチと素敵な仲間達~」を行なった。
今年6月に惜しまれながらも解散したカメレオのKouichiと、ボーカリストの脱退によって現在は次に向けた準備期間中であるギルドの宏一。
そんな“Wコウイチ”がこのたび立ち上げた新プロジェクトが「WKWK PROJECT」だ。
両者ともにヴィジュアル系シーンで異色な存在を放っていた(もしくは放っている)バンドのリーダーなだけあり、はたしてどんな活動をしていくのか期待を集める中、2人がプロジェクトの初ライブとして発表したのが、今回の新宿LOFT公演である。
しかし、Kouichi=ベーシスト、宏一=ドラマーの2人ではライブができないということで、この公演には、TAKASHI(Gt.&Synth/ex.カメレオ)、鳴風(Gt./Fo'xTails)、LiN(Gt./ユナイト)、mitsu(Vo.)、TSUBASA(Vo./Thinking Dogs)が出演。
苦楽を共にした元バンドメンバーや、かつて熱戦を繰り広げた盟友だけでなく、ジャンルの枠を超えた手練れまでが集結し、チケット完売で超満員のオーディエンス達と熱い空間を作り上げていた。
18時30分。場内がゆっくりと暗転すると、スクリーンにWKWK PROJECTのオリジナル曲「Thank you」のミュージックビデオがフルバージョンで流される。そして、ステージに掛けられた紗幕越しに、2人のシルエットが映し出された。
そこへ流れてきたのは、彼らのオリジナル曲……ではなく、なんとKinKi Kidsの「愛のかたまり」。
名バラードをなんとも気持ちよさそうに熱唱した2人は、歌い終えると「これ、すごい空気になってますけど……」と宏一。
それにKouichiが「頑張りましょう……!」と返したところで、TAKASHIが登場。
カメレオの「↑アゲていこう歌↑」で、一気に会場のテンションを引きずりあげた。
再びWコウイチの2人体制に戻ると、「今日のために新曲を作ってきたのでここらへんでそろそろ僕らのオリジナルソングを……」
と披露したのは、タッキー&翼の「夢物語」と、またもやカバー曲(笑)。
とはいえ、振り付けはバッチリ完コピ、間奏では「ゴールデンボンバーさんの後輩だろ!?」というKouichiのムチャ振りから、宏一によるエアギターソロも飛び出し、フロアをおおいに盛り上げていた。
そして、いよいよオリジナル曲「Thank you」へ。ポップかつハートフルな曲調に乗せて、出会えたことの感謝を歌い上げると、ラストはステージを彩ったちびっこダンサー達と肩を組んでのフィニッシュとなった。
ここからはバンド形式でライブが進行していったのだが、セットリストはこの日の参加メンバーの楽曲を披露していくというものになっていた。
WコウイチとTAKASHI、鳴風、LiN、そしてmitsuの6人がステージに登場し、まず届けられたのはmitsuの「蛍」。
切なくも甘いサウンドとメロディーをフロアに放つと、Fo'x Tailsの「GLITTER DAYS」では、鳴風、TAKASHI、LiNによるトリプルギターが豪快に炸裂し、その勢いを高めるように、「お扇子を持っている人はいますかー?」というKouichiの前置きから、カメレオの「ダメ男」へ。
他にも、ギルドの「ウソじゃない」では、宏一が叩きあげるダンスビートの上で、鳴風が強烈なタッピングをかますと、LiNの「いただきます」の一言からなだれ込んだユナイトの「ice」では、フロアに激しいヘッドバンギングを巻き起こしていた。
MCでは、対バンをよくしていた頃に感じていたお互いの印象について話すメンバー達。
次々に飛び出す、今だからこそ話せる暴露トークで盛り上がれば、この日の出演者がどういう経緯で参加するに至ったのかを説明する場面も。
基本的にはこれまでの関係性から派生したものではあったのだが、TSUBASAに関しては、Wコウイチのインターネット配信をたまたま観ていて興味を持ち、それまでまったく面識がなかったものの、とりあえず連絡してみたことがキッカケになったそうだ。
なんとも現代的なエピソードに驚かされたが、WKWK PROJECTは共にステージを作るメンバーを募集中とのこと。
年齢は「下は6歳から上は72歳までOK」と半分冗談、半分本気で話していたので、興味を持った方は是非一度彼らにコンタクトを取ってみるのもいいかもしれない。
そして、mitsuに代わってTSUBASAがボーカルをとった中盤戦では、Thinking Dogsの「ハートビート」を披露。
力強くもパワフルなサウンドでフロアに爽やかな風を吹きこむと、「みんなの熱いハートを聞かせてください!」と、ギルドの「Buring Love」へ。往年のアメリカン・ハードロックを彷彿とさせる楽曲に、オーディエンスも歌い、拳を上げると、続けてカメレオの「ニート姫」へ。
曲中ではmitsuが持ってきたポテチをフロアにばらまくという、お馴染みのパフォーマンスも飛び出した。
そして、ボーカリストがTSUBASAから再びmitsuに代わり、ライブもいよいよ残すところあと一曲のみとなったところで、各出演者が一言ずつコメントをすることに。
その中でも、WコウイチによるMCは、彼らの関係性であり、今の思いがしっかりと伝わってくるものだった。
宏一「ボーカルがやめてしまうという事態になり、ステージに立てなくなりまして。
もちろん次を考えてはいるんですが、そんな中、くすぶっている僕を励ましてくれたのがKouichiです。
逆に、Kouichiを僕が励ますこともあって、元々仲はよかったんですけど、僕がネガティブになっていた時期にこういうお話をいただいて。
今日は素敵なメンバーと、素敵なみなさまとこうやってライブがでてきて、すごく幸せだなと思いました。
バンドのほうも、プロジェクトのほうもよろしくお願いいたします!」
Kouichi「音楽をやっていなかったらみんなに出会えていなかったなと思うと、音楽をやってきてよかったなと思いますし、幸せな気持ちになります。音楽は目には見えないものですが、音楽を通して、みんながワクワクする場所を作れたらいいなと思っていますので、引き続きよろしくお願いします、今日はありがとうございました!」
そして、「Wコウイチさんの願いを込めて」とmitsuが話し、WKWK PROJECTのオリジナルソング「Face to Face」へ。
この日、MCでmitsuが話していたのだが、彼が今回のライブに誘われたときに、「とにかくみんなが笑える場所を作りたい」と、Kouichiからこのプロジェクトに対しての想いを告げられたそうだ。
「Face to Face」は、まさにそんな彼らの想いを凝縮したものである。
離れていても音楽で繋がることができる──そんな思いをまっすぐに綴ったロックチューンを最後にフロアと分かち合い、大団円の中、初ライブの幕はおろされたのだった。
WKWK PROJECTは、10月22日(日)に大阪MUSEにて『WKWK LIVE Vol.2~Wコウイチと素敵な仲間達のハロウィンパーティー~』を、11月11日(土)には渋谷Star loungeにて「WKWK TALK LIVE Vol.1~Wコウイチと素敵な仲間たちのすべるかもしれない話~」、「WKWK LIVE 番外編 Vol.1~Wコウイチと素敵な仲間たち~」とそれぞれ題した2部公演を開催することをすでにアナウンスしているが、この日のエンディングで新たなライブを緊急告知。2017年を締めくくる一大イベントとして、12月29日(金)、TSUTAYA O-WESTにて「WKWK LIVE Vol.3 ~Wコウイチと素敵な仲間達~」を行なうことを発表した。
出演者はWコウイチを始め、新宿LOFT公演に参加していた鳴風、LiN、TAKASHI、mitsuに加え、佑聖、koyomi(Re:ply)、keiya(Purple Stone)、CHISA(アクメ)が登場することになっているが、まだメンバーが追加される可能性もあるとのことなので、引き続き、彼らのオフィシャルホームページ、ならびにオフィシャルツイッターをチェックしていただきたい。
待望の初ライブを大盛況に終えた彼らだったが、この日参加していた方、もしくはこのレポートを読んだ方のほとんどが、「WKWK PROJECTは、いわゆるセッションバンド的なものなの?」と思われただろう。
事実、この日のステージはそういった印象を受けるものだった。しかし、新宿LOFT公演翌日の9月30日(日)に行なわれたトークイベント「WKWK LINE LIVE 番外編~WKP初ライヴお疲れさまでした生配信!~」にて、その印象を覆す更なる発表があった。
それは、前述のTSUTAYA O-WESTライブの昼公演として、「WKWK STAGE Vol.1 絶望エクスチェンジ-WK-~Wコウイチと素敵なお芝居~」を開催するというもの。“STAGE”“お芝居”と名のつく通り、この公演はライブではなく“演劇”を行なうという、バンド出身の2人とって、未知の世界に挑戦するというものだ。この日のトークイベントに登壇した舞台の作・演出を務める坂田鉄平氏は、「ライブと舞台を融合させて、みなさんの普段は見られない姿をお届けるのを楽しみにしています」とコメント。
さらには、イベントにゲスト出演していたTAKASHIが「俺も出たいです!」と意気込んでいたこともあり、こちらの出演者の追加発表もありそうだ。
その発表も踏まえ、WKWK PROJECTとは、よくあるセッションバンドでも、Wコウイチによる音楽ユニットでもなく、彼らが謳っている「総合エンターテインメントプロジェクト」と受けとめることが最適解といえるだろう。
WKWK PROJECTは、ここから多くのチャレンジを繰り返し、そのたびに多くの人達を巻き込んでいくだろう。
しかし、あまり前例がなく、何が起こるかわからないプロジェクトなだけに、様々な活動に取り組んでいく2人を見て、「何がしたいのかわからない」と思う人もいるかもしれない。
しかし、何が起こるのかわからないものほど、ワクワクするものもないはずだ。
そして、そんな一風変わった彼らの活動に興味を持ったあなたも、このプロジェクトの重要なメンバーのひとり。
ここから生み出されていく多くのワクワクを共有し、彼らと共に楽しんでもらえると幸いだ。
文:山口哲生  写真:木場ヨシヒト、SERINA

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