【インタビュー】LADYBABY「喧嘩して
も嫌いになれないのが私は苦しいんで
す」

The Idol Formerly Known As LADYBABYが、待望の3rdシングル「Pinky! Pinky!」をリリースした。LADYBABY流ミクスチャーロックに仕上がった表題曲のテーマは“指きりげんまん”。サバイバルだったミュージックビデオの撮影中のエピソードなども聞きつつ、黒宮れいと金子理江の2人のキズナにも迫ったインタビューをお届けしたい。なお、LADYBABYは10月28日に恵比寿リキッドルームで8ヶ月ぶりのワンマンライブを開催する。
■パートがパキッとわかりやすく分かれて代わる代わる歌う

■ライブでも2人でしゃべっているような感覚があります
──ニューシングル「Pinky! Pinky!」とても楽しめました。CDを制作する前は「次はこんなふうにしたいね」という話をするんですか?
黒宮れい:(以下、れい)そうですね。「どんな感じがいい?」って制作スタッフに聞かれるんですけど、サウンドにしても歌詞にしても私たちらしいのがいちばん良いと思っているので、そういうことを伝えています。今回は「サバイバル感を出すのはどうかな?」と言われたので、「それ、いいと思います!」って。
──表題曲「Pinky! Pinky!」はぶっ飛んでいてキュートでくるくる変わる曲の展開が刺激的ですね。
金子理江:(以下、理江):そうですね。LADYBABYの曲って曲調が変わることが多いんですけど、今回もめまぐるしく変化していくのでいろいろなタイプの音を楽しめるんじゃないかな。あとサビで2人がかけあって歌っているんですけど、ここまでパートがパキッとわかりやすく分かれて、代わる代わる歌うことはなかったので、ライブでも2人でしゃべっているような感覚がありますね。
れい:サビのかけあいになっている箇所は、私たちの関係をわかりやすく例えているのかなって。
▲3rd single「Pinky! Pinky!」初回限定盤(CD+DVD)
▲3rd single「Pinky! Pinky!」通常盤(CD)

──“どんな時も お互いに 笑ってて 支え合おうって”っていう箇所だったりとか? この曲のテーマは「指きりげんまん」なんですよね。
れい:はい。私たち、あんまり約束とかしないんですけど、心で繋がっているのでそういうところが出ていて素敵だなと。
理江:約束がテーマの曲って自分的にはちょっと重いなと思うんですけど、それを2人があえて明るく歌うことによってポジティブになっているなって。
──確かに。ラップ調の部分があったりパンキッシュだったり、メタルの要素があったり、曲調はミクスチャーですよね。
理江:サウンドはカッコいいんですけど、歌い方が元気だから、聴いていて楽しいと思うんですよね。しょっぱなから“アーーーーーーもう無理!!!!!!!!!!!!”ですからね(笑)。
▲黒宮れい

──ははは。いきなり叫んでますもんね。
理江:最後もシャウトで終わりますからね。
れい:斬新で面白いと思います。
──歌詞には“指切り”の由来も描かれててちょっとホラーな描写も出てきますよね。
れい:そうなんです。LADYBABYはもともと日本の文化を伝えていくのがコンセプトのグループだったんですよ。2人体制になってからも、そこは引き続き歌の中に盛り込んで伝えていこうというのがあって。
理江:3人体制だった時より、今のほうがより自分たちに当てはめやすいテーマで歌っています。前回の「Pelo」もそうですけど今回だったら指きりげんまんだったりとか。
▲金子理江

──公開中のミュージックビデオの見どころも教えてください。
理江:ここまで2人で1つみたいな感じを全面に出した映像は初めてかもしれないですね。
れい:歌詞に合わせて映像がパッパッて切り替わってストーリーが展開していくのが面白いと思います。戦っているシーンもあるし。
理江:見たらゾンビと戦っているんだなってわかると思うんですけど、ゾンビ自体は映っていないから、私たちが戦っている敵を想像しながら見ても面白いんじゃないかと思います。あとはお花や植物とかボタニカルな要素を取り入れた映像になっていて、お花ってかわいいけど毒々しさもあるので、MVの内容とかけているのかなって思いました。撮影中、れいはめっちゃ苦しそうだったよね。ガスマスク付けて。
──2人でブランコに乗ってるシーンで付けていますね。
れい:そう。ガスマスク付けたんですけど、慣れてないので(笑)。
理江:慣れてないっていうか、フツー付けないですよね(笑)。
れい:ガスマスクが重くて鼻がつぶれちゃうんですよ。口呼吸うまくできないから、それで呼吸困難になっちゃって。
理江:プチパニック状態だよね。暑いし、中に虫が入ってくるし。
──うわあああ。
理江:撮影したのも緑が多い場所だったから、ゾンビじゃなくて自然がウチらを攻撃してきた(笑)。
れい:草の上に寝転がって2人で指きりしてるシーンがあるんですけど、ダメかと思った。幼虫みたいなのがいるし。
理江:れいが「言わないで」って言うから、すぐ横に虫がいても何も言わずに(笑)。
──そういった意味でもサバイバルな撮影だったんですね。
理江:見えないところにいろいろ敵が潜んでました(笑)。
──ははは。衣装もサバイバルとモッズファッションがモチーフ?
れい:モッズってまた流行ってるんですって。2年ぐらい前にも流行ったんですよ。洋服って繰り返すんですよね。
理江:服はフォーエバーですよ。衣装はかわいくて自信に繋がるような戦闘服っぽいものを着れるのがいちばんいいなって。今回、自分たちの意見も取り入れてもらったので気に入ってるよね。
れい:そう。「縷縷夢兎(るるむう)」の東 佳苗さんが作ってくださったんですけど、仲がいいから意見も言いやすかった。
理江:アーミーな感じでちょっとセクシーさもありつつ、少女らしさをテーマにしているんです。ガールズスカウトの缶バッジも付いてたりするんですけど、バッジにもいろいろ意味あいがある。
■喧嘩したりぶつかったりもするんだけど切っても切れない関係なんです

■たまってくると抑えられなくなって言った後ですぐ後悔するんですけどね
──衣装にも注目ですね。今作はカップリングの「Me! Me! Me!」もライブで盛り上がりそうなアップテンポの痛快なナンバーですが。
れい:「Me! Me! Me!」はSNSがテーマ。自撮りして「拡散してね」ってTwitterにあげたりとか、今の時代っていう感じの曲ですね。
──自分の写真をアップして世界に飛ばしちゃえる時代の曲。
れい:エゴがだいぶ強いですよね。
──それでタイトルが「Me! Me! Me!」なんだ?
れい:直訳すると“私! 私! 私!”ですからね。
▲3rd single「Pinky! Pinky!」初回限定盤(CD+DVD)
▲3rd single「Pinky! Pinky!」通常盤(CD)

──2人は自己承認欲求は強い?
れい:れいは実はそんなにないんですよ。みんなにわかってほしいというより、特定の人たちだけがわかってくれればいいんです。LADYBABYもいろいろなこと言われるんですよ。「応援してます」っていう人もいれば「3人体制のほうがよかった」とか賛否両論ありますね。
理江:SNSって、昔でいう日記を他人に見られてるみたいなものだと思うんですよ。会ったことがない人とも距離が近くなるから、さっきれいが言ったようなことも含めて、いろいろな想いが届く。もちろんポジティブなこともたくさんあるから、そういうことを歌っている曲でもあるし、「いいね」だったり「リツイート」のことも出てくるんですけど、ファンのことはもちろん「みんなのこと、ちゃんと見てるからね」っていうメッセージを込めた曲です。明るい曲調なのでライブでけっこう盛り上がりますね。ダンスでも自撮りするみたいなポーズをしてるんですよ。サビでピースサインしてたり。
れい:この曲、撮影OKソングなんですよ。「撮った写真を拡散してね!」っていう曲でもあります。
理江:「拡散したものを見るからね」っていう。
──“誰よりかわいく撮ってね”って歌っていますものね。通常盤に収録されているミディアムチューン「Generation Hard Knocks」は2人の歌がすっごく刺さってきました。
2人:嬉しい!
れい:インディーズの時に発売したアルバムの中に「SCHOOL OF HARD NOCKS」という曲があって、同じ作詞家さん(NOBE)が書いてくれているんですけど、その方の曲を「好きだよ」って言ってくれるファンが多くて、この曲は姉妹曲みたいなポジションなんですよ。前の曲では学校の中の世界を歌っていたんですけど、自分たちも大人になって理江も今年20才になるし、れいも17才になるから今の2人に合っている曲だなと思いました。
理江:ちょっと成長した私たちが出ているかなって。
──傷つく感情や生きていたいという気持ちが歌われていますが、共感したところはありますか?
理江:ありますね。歌っていても感情移入できるというか、素直に歌える。激しい曲は“楽しいっ!”っていう感情が勝っちゃうんですけど、この曲はお互いに自分が歌う歌詞を大事にできる曲で好きです。あと何よりもわかりやすいかなと思います。
れい:レコーディングしている時に“理江に話しかけるような感じで”ってアドバイスされた曲で、そういうふうに歌いました。
理江:私のほうが年上だし、ふだんはれいをリードすることが多いんです。私のほうがポジティブで、れいが詰まってる歌詞のが多いと思うんですけど。
れい:れい、詰まってるの?
理江:(笑)闘ってるって言ったほうがわかりやすいのかな。
──この曲は歌自体がロックだなと思いましたよ。今、この時しか歌えないひりひりした感覚が伝わってくる。
理江:ありがとうございます。
れい:嬉しいね。
──さっき約束はしないけど、2人の間には繋がりがあるって言っていたけど、LADYBABYの関係性は?
れい:れいが思うには喧嘩したり、ぶつかったりもするんだけど切っても切れない関係なんですよ。
──喧嘩しても次の日にはケロッとしていたり?
れい:ケロッとするというか、意見を言い合ったほうがウチはスッキリするし、お互いに思っていることがわかるから大事だと思う。
──ぶつかることを避ける風潮がある中、それって珍しいかも。
れい:(理江の)マインドがヤンキーなんですよ(笑)。
理江:(笑)。何かたまってくると抑えられなくなっちゃって、言った後ですぐ後悔するんですけどね。私は2人でいろいろな話をしたいんですけど、れいは気を使うのであまり言わないんですよ。
れい:思ってることを人に言うのが苦手なんですよ。理江には言えば伝わるけど、言っても伝わらなかったらムダじゃんって。
理江:自分だけでもわかってあげたいって言ったら上から目線ですけど。
れい:全然いいよ。
理江:れいと喧嘩しても嫌いになれないのが私は苦しいんですよ。
──嫌いになれたら楽なのにって、恋愛みたいですね(笑)。
理江:ホントそうなんですよ。
れい:(理江を見て)恋愛してるの(笑)。
理江:一時的な感情で「もう無理だ」って思うこともあるんですけど、やっぱり好きだからって泣きながら言ったこともあったし。
──LADYBABY熱いですね。
理江:私があきらめたら、どっかに行っちゃうそうだから。「どうせ離れてくじゃん」とか「どうせ仕事の関係じゃん」みたいな感じで言ってくるけど、そんな気持ちで一緒にいるわけじゃないから。
れい:だから恋愛してるんですよ。
理江:恋愛感情と似た感覚かもしれない。
──(れいに)愛されてるじゃないですか。
理江:逆も然りです。私も愛されてますよ。
れい:愛してないけん(笑)。
理江:すぐこう言うんですけどね。
れい:(笑ってテーブルに突っ伏す)。
理江:2人にしかわからないので。不仲説とかあるんですけど、クソくらえって感じですね。
れい:私たちのことは私たちがいちばんわかってるから。
──このインタビューを読めば2人の関係の濃さが伝わると思いますよ。最後に10月28日に恵比寿リキッドルームで開催されるワンマンライブへのメッセージをお願いします。
れい:私たちが2人体制になって初めてのワンマンであり、今まででいちばんキャパが大きいんですよ。復活の時に、同じ恵比寿リキッドルームで2マンをやらせていただいたんですけど、その時はソールドアウトしなくて悔しかったので、1年経っての今回のワンマンはソールドアウトにしたいと思います。
──LADYBABY初体験の人にもぜひ見てほしいですね。
れい:そうですね。私たちって怖いっていうイメージがあるみたいなんですよ、特にれいは「キツそう」って言われるんですけど、そこだけじゃなく歌だったりステージパフォーマンスを見てほしいなと思います。
理江:ステージって感情と感情のぶつかり合いだと思っていて、私は何よりライブが好きなんですよ。自分たちの楽曲を披露して、見てくれる人たちがそれぞれのやり方で楽しんでくれている空気感がすごく好きですね。あと、告知していてもライブ会場にわざわざ足を運んでくれることって奇跡に近いと思っていて、特にLADYBABYのファンは若い年齢の方が多いので「ここまで来てくれたんだ」って思うんです。遠い人もいるだろうし、年齢的に大変な人もいるだろうし、そんな難しい状況の中来てくれたり、居場所にしてくれるコもすごく多いので、自分たちが居場所になってあげられたらなとも思っています。そういう場所を作るためにも一体感のあるライブを目指して成功させます。そのために曲も用意してるし。
れい:ワンマンで初めてやる曲もあるので楽しみにしていてください!
取材・文●山本弘子
リリース情報


3rd single「Pinky! Pinky!」

2017.9.27リリース

<初回限定盤(CD+DVD)>

KICM 91810 \1,667+税

CD

1. Pinky! Pinky!

2. Me! Me! Me!

3. Pinky! Pinky! -off vocal ver.-

4. Me! Me! Me! -off vocal ver.-

DVD

「Pinky! Pinky!」Music Video

+ Making Video
<通常盤(CD)>

KICM 1811 \1,111+税br>
1. Pinky! Pinky!

2. Me! Me! Me!

3. Generation Hard Knocks

4. Pinky! Pinky! -off vocal ver.-

5. Me! Me! Me! -off vocal ver.-

6. Generation Hard Knocks -off vocal ver.-
ライブ・イベント情報


ワンマンライブ「ONEMAN PARTY 2017 -THE BATTLE OF TOKYO-」

2017年10月28日(土) 東京・恵比寿リキッドルーム
<3rdシングル「Pinky! Pinky!」発売記念ミニライブ&特典会>

2017年9月26日(火)19:00~ HMV&BOOKS TOKYO(東京都)

2017年9月27日(水)18:00~ 池袋サンシャインシティ噴水広場(東京都)

2017年9月29日(金)19:00~ ららぽーと豊洲(東京都)

2017年9月30日(土)18:00~  タワーレコード新宿店7F 店内イベントスペース(東京都)

2017年10月1日(日)15:00~ タワーレコード横浜ビブレ店(神奈川県)

2017年10月9日(月・祝)14:00~ タワーレコード名古屋近鉄パッセ店 屋上イベントスペース(愛知県)
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◆LADYBABY オフィシャルサイト

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