the peggiesは女優!『ダブダブdeベ
ビベビ』レポ

the peggies自主企画『ダブダブdeベビ
ベビ』@渋谷WWW

9月15日、渋谷WWWでザ・ペギーズの自主企画ライブ『ダブダブdeベビベビ』が行なわれた。

この日は、元〈ザ・サラバーズ〉のボーカル&ギター・古舘佑太郎が率いるバンド〈2(ツー)〉とのツーマンライブ。リードギターは、元〈ポニーテールスクライム〉の加藤綾太が務める。ザ・ペギーズもザ・サラバーズもポニーテールスクライムも、ライブハウス「学芸大メイプルハウス」出身だ。同輩でもあり先輩でもあり後輩でもあり?濃密な夜となった。

結成半年、自分たちらしさを全力で届けた2(ツー)。
開演時間。「ピンポンパンポーン!」とザ・ペギーズの北澤ゆうほ(Vo.&Gt.)のキュートな声が鳴り響く。「ダブダブでー?」の呼びかけにオーディエンスは「ベビベビ!」と応える。沸き起こる「ダブダブdeベビベビ」コール。そして〈2(ツー)〉の登場だ。

この日披露したのは、10月4日に発売となるツーの1stアルバム『VIRGIN』からの楽曲たち。Youtubeにもアップされている「ケプラー」から、一気に4曲目「土砂降りの雨が降った街」まで突っ走る。MCでは、「ペギーズはかつて僕らの後輩だったんですけど、僕らが新しくバンドを組み直して今では先輩になってしまいました(笑)。今日は先輩が呼んでくれたので駆けつけました!」と、古舘がペギーズとの関係性をネタにして観客の笑いを誘った。
「MCよりも俺たちの音楽を聴いてくれ」と言わんばかりに全力でパフォーマンスする姿にグイグイ惹きつけられる。ロック、ポップ、キャッチー、センチメンタル……様々なムードの楽曲を惜しげもなく披露しつつ、8曲目の「Family」へ。古舘は「辞めてったミュージシャンに、離れてったファンの皆に、そしてこれから出会うファンの皆に、そして家族のために、もっと近づきたくて、もっと届けたくて、僕らバンドをはじめました」と新たなバンド〈2(ツー)〉を結成した想いを語り、これでもかというほど、どストレートに歌い上げる。時折覗く笑顔に「バンドが楽しくて仕方ない」思いが溢れていた。こうして約30分間、自分たちの音楽を見せつけ、ツーは舞台を後にした。
カワイイとカッコイイ、セクシーさと荒々しさ…様々な表情を見せたthe peggies
転換が終わると、再びザ・ペギーズ 北澤ゆうほの「ピンポンパンポーン!」の声が響く。「ツー、かっこよかった。一生私にとっては先輩ですけどね!」とツーへのリスペクトを宣言し、「ザ・ペギーズを全力で迎え入れる準備はできてますか?今日は最高の1日にできるよう私たちも頑張るんで、楽しみにしていてください!」と観客を煽る。そして暗転後、大きな手拍子に迎えられながらステージに姿を見せるザ・ペギーズの面々。

「ザ・ペギーズです、よろしく!」という北澤の言葉とともに始まったのは、デビューシングルの「ドリーミージャーニー」。観客も手を上げ、ボルテージはフルスロットル。石渡マキコ(Ba.)も客席を見渡すようにベースをかき鳴らし、北澤はピョンピョンと飛び跳ねながらギターをかき鳴らす。次は、インディーズ時代のミニアルバム『PPEP1』に収録されている「カウンター!」。歌詞に合わせて変化する表情、声色。早くも北澤の表現力に目を奪われる。続けて「スプートニク」。果てしなく伸びていく声。ライブハウス中に北澤の可愛らしくも鋭い歌声が響き渡る。一方で、間奏部分では全員で向かい合いながら楽器演奏に陶酔。「観客に聴かせる」部分と、「自分たちが気持ちよくなる」部分の切り替えが素晴らしい。まだ20代前半の女の子たちとは思えないほど圧巻のライブ力だ。

「どんどん曲やってくから付いてきてください!」と北澤ゆうほの声から「花」へ。シルエットのみ映し出されるライトの演出が、なんともドラマチックだ。曲が終わると北澤ゆうほのギターが響き出す。G#、D#の繰り返される単音の鳴りに引き込まれる。曲と曲の繋ぎすらもドラマチック。ドラムのカウントから「ずっと」がスタート。切ないラブソングに会場の空気が変わり、しっとりしたムードに包まれた。
北澤ゆうほ(Vo.&Gt.)

しかし、それもMCで一転。今回は大貫みくと石渡マキコもMCを、という北澤の計らいがあったのだ。でも2人は普通に話すのが恥ずかしいようで、電話をかけている体でMCを(笑)。「緊張する」「楽しいよね」「ツー、かっこよかったね」と思っていることを話すと、北澤が「とんだ茶番でしょ!」とツッコミ。そのユルさ、演奏している時とは別人のよう。それもザ・ペギーズの魅力。そんな余韻を残しつつ、ライブは後半戦へ。
大貫みく(Dr.)

大貫みくのビートを背景に、北澤ゆうほの「私、恋したほうが絶対人生楽しくなるんじゃないかなって思ってるの。そんな気持ちを込めて、ここにいるみんなに捧げます」から「ボーイミーツガール」へ。大貫みくは満面の笑みでドラムを叩き、石渡マキコは北澤ゆうほとともに歌い、北澤ゆうほはハートを手で作ってみたり手拍子をしたり観客を指差してみたり……。とにかく楽しさ全開の3人。歌のダイナミクスも秀逸で、楽曲に彩りが生まれていく。そして「LOVE TRIP」。懐かしい曲が続き、観客のボルテージも上がってきた。北澤が「夏好き?夏の風を吹かせたいと思うんですけど、みんな一緒にやってくれますか?」と問いかけ、「ちゅるりらサマフィッシュ」がスタート。途中、観客とのコールアンドレスポンス合戦や、<スイカ スイカ スイカ スイカ わっしょい!>コールも行なわれ、会場の熱はさらに上がっていく。
石渡マキコ(Ba.)

北澤ゆうほ曰く、「ダブダブdeベビベビ」とは、9月6日に発売した2ndシングル「BABY!」のレコ発も兼ねたライブを渋谷WWWで行なうという意味らしい。というわけで、「ダブダブdeベビベビ」コールが繰り返されるとお待ちかねの「BABY!」へ。サビでは観客のほとんどが手を上げたり、手拍子で一体感を出したりしつつ、大盛り上がりだ。最後は「ありがとう」という言葉でメンバーはステージを後にした。

これぞthe peggiesの真骨頂、観客が言葉を失うほどの表現力。
メンバーが姿を消しても、観客からのアンコールは鳴り止まない。再び姿を表したメンバーに、大きな拍手が巻き起こった。北澤がファンへの感謝の気持ちを語り、「私にとって曲がり角になるような時に作った一曲です」と「いきてる」を披露。ギター1本で歌う北澤ゆうほ。声のトーン、表情、ダイナミクス、歌が持つ気持ち……圧倒的な表現力に、会場は飲み込まれた。「ありがとう」という北澤の言葉に観客がハッとして拍手を贈ったほどだ。そして最後の曲は「グライダー」。「いきてる」から一変、笑顔でキュートなザ・ペギーズに戻り、観客も手を上げて音に乗る。サビの大合唱も起こり、ボルテージが上がったままライブに幕を閉じたのだった。
演奏力、キャラクター、ステージング……ザ・ペギーズは次世代ガールズバンドの頂点に立つ才能を持っている。しかし、何といっても彼女たちそれぞれが持つ「表現力」こそ特筆すべき点だろう。中でも、フロントマンである北澤ゆうほは凄まじく劇的で突出している。「ザ・ペギーズはアーティストであり、女優である」。ザ・ペギーズのパフォーマンスを観れば、言うまでもないと誰もが思うことなのだけれど。

【セットリスト】
1.ドリーミージャーニー
2.カウンター!
3.スプートニク
4.花
5.ずっと
6.ボーイミーツガール
7.LOVE TRIP
8.ちゅるりらサマフィッシュ
9.BABY!

En1.いきてる
En2.グライダー
the peggiesは女優!『ダブダブdeベビベビ』レポはミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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