【インタビュー】NoGoD、10年の歴史
を凝縮し開放させた貪欲さの証明『p
roof』

NoGoDが前作『Renovate』から約1年半ぶりとなるニュー・アルバム『proof』を完成させた。同作はヘヴィメタルに通じる攻撃性や流麗なメロディー、ドラマチックな味わいといったNoGoDらしさを継承しつつ、新たな顔を見せていることが印象的だ。結成から12年、現メンバーになって10年を迎えても守りの姿勢に入ることなく、さらに進化し続ける彼らの貪欲なスタンスには頭が下がる。『proof』を作り終えた直後のメンバー5人をキャッチして、意欲作について大いに語ってもらった。
■一番最初に書いた「proof」がアルバムの制作に臨むマインドの支柱になった

■NoGoDは成立していればどんなものでも構わない。そういう気持ちで曲を作った
――新しいアルバムを作るにあたって、テーマやコンセプトなどはありましたか?
Kyrie:テーマとかは、特になかったです。前作の『Renovate』のツアーが終わって、次はどういうものを作ろうかなと考えた時に、自然な流れに任せてみようかなと思ったんです。『Renovate』は、作曲の作業がそれほど多くないアルバムだったんですよ。『Renovate』のタイトルの通り、ストックしてあったデモを作り直したり、アレンジし直したり、歌詞を書いたりという作業がメインだったので。だから新曲のアイディアが溜まって来ていて、それぞれを特定の方向に寄せたりせずに、一番良い形に昇華していくという形を採ることにしたんです。
▲New Album『proof』初回限定盤(CD+DVD)
▲New Album『proof』通常盤(CD Only)


――今のリアルなNoGoDをパッケージされたんですね。曲を作っていく中で、アルバムの指針になった曲などはありましたか?
Kyrie:「proof」です。2016年の12月から今回の制作が始まって、僕が一番最初に書いたのが「proof」だったんです。12月末の時点でタイトルと仮の歌詞もあがっていて、“proof”というアルバムになるのであれば、その時点から今年上半期の間に僕がNoGoDというバンドの中でしたこと、メンバーそれぞれがNoGoDという名のもとに何かを創り上げたということの証明が入ったCDにしたいと思ったんですよね。つまり、音楽性の面で「proof」が鍵になったわけではなくて、あの曲がアルバムの制作に臨むマインドの支柱になったんです。NoGoDは言ってしまえば、何でも“あり”なんですよ。ちゃんと成立していれば、どんなものでも構わない。今回も、そういう気持ちで曲を作っていきました。
団長:『proof』は楽曲の幅が広いし、NoGoDの新たな顔を見てもらえる曲もあって。俺の中で特に印象が強いのは「ヘンリエッタ」です。アルバムのリード曲は「break out!」だけど、俺は今でも「ヘンリエッタ」でMVを撮りたいと思っています(笑)。NoGoDは今年で12年、このメンバーになって10年になるけど、プログレッシブ・ロックにも通じる「ヘンリエッタ」みたいなものは作ったことがなかったんですよね。やってみたいけど、怖くて踏み込めなかった。それが、今のNoGoDがすごくフラットで、地に足がついた良い状態になっていることで昇華できるようになったんです。昔だったら誰かが無理だと言っていたものをやれるようになったことに、すごく成長を感じますね。だから、この曲はぜひ聴いて欲しいです。
▲団長


――組曲を思わせる「ヘンリエッタ」は、どんな風に作っていったのでしょう?
Kyrie:「ヘンリエッタ」みたいにどんどん景色が変わっていく曲を作る時は、基本的に元のセクションに戻らないようにするんです。というか、意図的に戻らないと戻れない。音楽的なセオリーとして、これを伝えたいという部分を強調するためにサビ・パートがあったり、モチーフになっているメロディーが何回かリプライズしたりするわけだけど、どんどん展開していくような曲は別に何かをリプライズする必要はないなという気がしていて。なので、「ヘンリエッタ」も一つの景色を作ったら、次はどういう情景を見せていくかということをイメージするということを繰り返して作っていきました。
団長:「ヘンリエッタ」はマニアックな曲だけど、決して難解ではないと思うんですよ。場面の切り替わりがしっかりしていて聴きやすい。そこも良いんですよね。それに、「ヘンリエッタ」は歌詞にも、こだわりました。この曲の歌詞は、前作の『Renovate』に入っている「キラー・クラウン」から引き継いだところがあって。「キラー・クラウン」も「ヘンリエッタ」も、実在したシリアルキラーがモチーフになっているんです。俺は何かをモチーフにしたり、自分ではない目線で歌詞を書くことはあまりしなかったので、前作からアルバムに狂気的な曲を入れて、それに猟奇的な歌詞を乗せるということを始めたんです。「ヘンリエッタ」は、ヘンリー・リー・ルーカスという実在した人物の幼少期を勝手に想像して書きました。以前からそういうことをやってみたかったけど、いつもアルバム全体のコンセプトを優先するがために実現するタイミングがなかったんです。でも、ここ二作はフラットな気持ちで1曲1曲にフォーカスを当てられるようになって、その表れが「キラー・クラウン」であり、「ヘンリエッタ」かなと思います。
華凛:僕も印象が強い曲ということでは「ヘンリエッタ」なんですが団長に言われてしまいましたね。それ以外だと先行シングルだった「Missing」はアルバムの中に混ぜた時に、やっぱりすごい曲だなと思いました。シングルで切った時は、表題曲だから強く感じるのかなと思っていたんですよ。でも、アルバムで他の曲と並列で並んでも、強さは変わらなかった。強いパワーを持った曲だなと改めて思っています。あとは、僕はアルバムの1曲目に入っているインストの「In the cage…」という曲を書きました。最初の曲出しの時に、Kyrieがみんなが持ち寄ったデモの仮タイトルをホワイトボードに“バァーッ”と書いて「やりたい曲、どれ?」と言ったんです。僕は自分の曲はもちろんやりたいけど、そういうエゴを出してもしょうがないし、僕の曲は突拍子もないものも多いから、使ってもらえる曲があれば使ってもらえば良いなと思っていたんですよ。そうしたら、団長がやたらと「In the cage…」を気に入ってくれて。
団長:そう。もう曲出しの段階で、アルバムは「蜃気楼」始まりか、「In the cage…」始まりしか俺の中で無かった。でも、みんな「蜃気楼」始まりは違うんじゃないかと言っていて、だったら「In the cage…」しかないだろうと言いました。
華凛:それで採用になって、「じゃあ、フル尺書く?」とKyrieに聞いたら「いや、このままで良い」と。“えっ?いいの?”みたいな(笑)。僕自身は歌が乗る曲として作っていて、フル尺は作ってなかったので心配したんですけど、そのままインストの曲として採用されました。この曲はKyrieが作るヘヴィネスとはまた違うテイストを形にできたので、そこも楽しんでもらえればと思います。
▲Kyrie


――分かります。今作にはKyrieさんが書かれた「矜持と共に」というインストも収録されていますが、知的な雰囲気がある「矜持と共に」に対して「In the cage…」はより肉感的な仕上がりになっていますね。
華凛:そう。Kyrieは理系で、僕は文系なんです(笑)。
一同:アハハ(笑)。それは、分かりやすいよな(笑)。
Shinno:僕の中で印象が強いのは「forever」と「DREAMER」(通常盤のみ収録)です。まず「forever」は、純粋にすごく良い曲だなと思うんですよね。
団長:良い曲だよね。今回はアルバムに入らなかった曲も含めて、全体的にマイナー色が強かったんですよ。だから、最初は「forever」を入れると1曲だけ浮いてしまうから、どうなんだろうという声もあった。でも、1曲でもこういうものを入れないとアルバム全体が暗くなり過ぎるという意見もあって、入れることにしました。11曲目の「Tonight!」もそう。「Tonight!」は俺が書いたんですけど、明るくて、アッパーな曲でしょ。冒頭にKyrieが話したように、今はすごくフラットな状態で曲作りをしていて。こういうアルバムを作ろうではなくて、自分は何をしたいかということをメンバーそれぞれが考えているんです。そういう中で、俺は景気の良い曲をどんどん作っていきたいなというのがあって。バラードとか、プログレッシブなものは他のメンバーに任せて、自分はライブで映えて、即戦力になる曲を作っていこうと。なおかつ、NoGoDにあまり無いモダンさとポップさを出していきたいなというところで作ったのが「Tonight!」です。だから、「forever」と「Tonight!」は、アルバムの良いスパイスになっていると思いますね。
Shinno:その2曲を入れたのは、絶対に正解だったと思う。ライブ映えするけど音源にするとその雰囲気が伝わりにくい曲とか、ふざけた感じがカッコいい曲は音源に入りにくかったりしますよね。「DREAMER」は歌詞が面白いし、スタジオで録る前にライブでやったことがあって反応も良かったんですよ。だから、今回アルバムに入ることになって良かったなと思います。
K:僕は、「蜃気楼」と「煽動」が強く印象に残っていますね。「蜃気楼」は、ドラムが難しかった。ここまで“間”というか、隙間を基調にした曲というのは、あまりなかったんですよ。だから、自分がイメージしているところまで、なかなか行けなくて。でも、最終的には、良いところに落とし込めたかなと思っています。「煽動」は、ちょっと失礼な言い方になるけど、すごくバカッぽいところが良い(笑)。とにかく“ブワァーッ!”と突進するという(笑)。それが好きだし、叩いていて気持ち良いです。
■リスナーに異質さや自分が表現したかったものを伝えるために

■自分が思っている以上にデフォルメする必要がある
――続いてプレイや音作りなどについて話しましょう。今作を録るにあたって、それぞれプレイヤーとして大事にしたことは?
K:今回は難しい曲が多かったんです。久しぶりに、すごくストレートというわけではない曲とかも出てきて。レコーディングになって、叩いてみて、“おやっ? 難しいぞ”という(笑)。それで、自分は堕落していたんじゃないか…みたいな(笑)。思い出しましたよ、Kyrieのいやらしさを(笑)。一番意味が分からなかったのは、「ヘンリエッタ」です。
Kyrie:何一つ理解できなかったもんね(笑)。ドラムが…とかじゃなくて、まず曲が理解できなかったというか、覚えられなかった(笑)。
K:そう(笑)。僕は、難しい曲の時は“ふざけるな!”とキレるか、集中するために殻にこもるかのどっちかなんですよ。この曲はそれを通り越して、泣きそうになった(笑)。なにしろ、このパートと、このパートは何が違うの?…みたいな感じだったから(笑)。
Kyrie:さらに話を難しくしているのが、僕の中では同じだったりするんですよ。キックが一個抜けているとか、スネアが一個抜けているだけで、自分の中では同じフィーリングを持っているものが、K君が聴くと「ここと、ここは違うの?」ということになる。だから、その解釈を一回全部揃える必要があったんです。
▲Shinno


――とはいえ、音源のドラムは迷っているようなことは全く感じさせません。
K:本当ですか? なら良かった。大勝利です(笑)。
華凛:良かったね(笑)。今回ベースは自分を出さないようにして、作曲者の意向を重視しました。デモの段階でベースはかなり完成されていて、さらにこれを元にしてアレンジして欲しいというより、こうしたいという意向がはっきりしていて。昔はそういうデモだったとしても隙間を探して我を出すフレーズを入れ込んだりしていたけど、そういうアプローチは時として説得力がないなと思うようになったんです。我を出すことでフレーズがボーカルと当たることもあったし、かつて酷い時なんか一つのAメロにレコーディング・スタジオで一晩掛けたけど、結果やっぱり元に戻ったりみたいなこともあったんですよ。それで、だったら作曲者がイメージしているベースにまず寄せて弾いたほうが良いなと思ったんです。最初から自分を出してベースを弾くことで作曲者が頭を抱えたり、曲のイメージが変わってしまうのは良くないなと。まず作曲者のイメージを再現してから調整していった方が良いと思うようになったんですよね。じゃないと、作曲者にしてみれば、変なインテリアを置かれて、これを緩和するには何を置けば良いんだろう…みたいな感じだろうから(笑)。それに、Kyrieはベースも上手いので。もうKyrieが二人いたら良いんじゃないか…くらいな(笑)。
一同:おいおいおい!!(笑)
華凛:いや、それくらい上手いんですよ。カッコいいフレーズも多くて、「break out!」のベース・ソロとかもほぼデモのままです。結構クセもあるデモだったんですけど、ベースだけを弾いて来た人間が、ギタリストが弾いたベースを弾けないなんて言えないぞ、と思って気合入れて挑戦した部分もありますね。
▲華凛


――たしかに昔のような派手さは減りましたが、Kさんと生み出しているファットなグルーブが超カッコ良いです。
華凛:ありがとうございます。いかに、ここのセクションのノリを出すか…みたいなことはしっかり考えたので、そう言ってもらえると嬉しいです。
K:2人でレコーディング・スタジオに泊まって、ノリについて話し合って、徹夜したこととかあったよね?
華凛:あった(笑)。演奏面で大変だったのは……やっぱり、「ヘンリエッタ」かな。僕もK君と同じで、デモを聴いて“あ~らら…”みたいな(笑)。K君には申し訳ないけど、僕は展開の激しいメタルとかも聴き慣れているので、取っつきにくいということはなかった。ただ、久々に忙しい曲でした(笑)。ノリという話で言うと、「蜃気楼」とかは今の自分にすごく合っていますね。これは、本当に気持ち良く弾けました。
Shinno:ギターは、「forever」の間奏が地獄でした(笑)。フレーズ自体はそれ程難しくないけど、Kyrieと癖が違うというのがあって。Kyrieが先に弾いて、こんな感じでこう弾いてと言われたんです。違うフレーズを考えていたところに突然そう言われて、弾いてみたら癖がすごくて、“弾けねぇ!”という(笑)。プレイ的にキツかったのが「forever」で、アプローチ面で大変だったのは「蜃気楼」ですね。Kyrieがギター・ソロを録った後に、ソロの合間に“ナマステ”なコードを一発鳴らして欲しいと言ってきて。まず、“ナマステ”の解釈がそれぞれ違ったんです(笑)。
Kyrie:ハハハッ! オリエンタルなコードということで、“和”なのか、ディミニッシュなのか。なんにしても9th系だよねと言ってコードを決めて、サウンドもシタールっぽい感じにしたんだよね?
Shinno:うん。変則チューニングにしたらどうかという話も出て来たりしたし。最終的に、もうコードにできないコードを弾いていて、ムチャクチャだな…みたいな(笑)。でも、すごく面白かったです。
Kyrie:自分のギターは、どうだったかな……。今回は、あまりギターを弾いた記憶がないんですよ(笑)。
Shinno:座ってる時間のほうが長かったよね(笑)。
Kyrie:そう。フレーズを考えたり、プレイバックを聴いている時間が圧倒的に長くて、弾くのは数回だったから。だから、特に印象に残っているのは……でも、面白かったのは「煽動」ですね。この曲のベーシック録りが、すごく楽しかった。ベーシック録りをする時は、基本的にKと華凛と僕は一緒に録るんですよ。3人でブースに入って、曲に入る前の8小節だけきっかけのクリックが鳴って、後はライブ録り。そういう録り方をしていて、「煽動」は特に面白かったです。
▲New Album『proof』初回限定盤(CD+DVD)
▲New Album『proof』通常盤(CD Only)


――クリックを聴かずに、これだけタイトなトラックを録れるのはさすがです。
Kyrie:いや、逆にそうじゃないと無理だと思う。バンドの外側のものに支配されたり、ガイドされたりするんじゃなくて、バンドの中で出すリズム感だからこそ、ああいうものになるんですよ。クリックに合わせていないんだけど、クリックに合わせている以上に説得力のあるものを作りたくて、「煽動」はそれを実現できていると思います。レコーディングする時は、どうしても臆病になるというか。こんなに強調したら間違っているように聴こえるんじゃないかとか。そんな風に作っている時は臆病になりがちだけど、そこまでいかないと伝わらなかったりするんですよね。それは、サウンドも然りで。ギターをこんなにペケペケの音にしたら迫力が無いんじゃないかと思ったりするけど、歌が乗って、ミックスが終わると、意外と普通だったりするから。リスナーに異質さというか、自分が表現したかったものを伝えるためには自分が思っている以上にデフォルメする必要がある。だから、ここの1小節だけテンポを落とすよというような時も、もっと落とそう、もっと落とそうと言って。「こんなに落としたら歌いづらくない?」と言われて、「歌いづらいだろうけど、落とす」と言って(笑)。でも、仕上がったトラックを聴くと、分かる人にしか分からないレベルだったりするんですよ。今回のレコーディングは全編に亘って、そういうことを意識していたというのはありますね。
団長:歌は、今回Kyrieが歌詞を書いている曲に関しては、デモにKyrieの仮歌が入っていたんです。要は、彼のキーで曲が出来ていて、彼がギリギリのところで歌っているエモーショナルな感じを俺は出せないんですよ。俺は楽に出せる音域だから。普通に歌うと手抜きみたいになってしまって、どうしたら低いキーで悲痛さや、エモーショナルさを出せるかということが今回は課題でしたね。だから、喉の開け閉めの調節だったりとか、自力ディストーションの掛け具合とかを駆使しました。たとえば、「Arlequin」のAメロとかはちょっとダーティーな、いわゆるジャパメタ的な歌い方をしているし、「煽動」とかはもう一発通して歌ったテイクをそのまま使っています。ちょっとヨレている部分とかもあるけど、「煽動」に関してはそういうことも表現の一部になっているなと思って。今どきのレコーディングは歌も多少直したりするけど、この曲は一切していません。かと思えば、「蜃気楼」みたいに、本当に細かいところまで気を配って歌っている曲もあるし。そういう中で一番カロリーを使ったのは、やっぱり「ヘンリエッタ」でしたね。バックのカロリーが高いからボーカルが抜けて来ないけど、がなる曲でもないという。「ヘンリエッタ」は、歌のテンションの落としどころの調整が結構難しかった。そんな風に大変な制作だったけど、自分の中で今年は自分の歌唱が仕上がっている感があって、それをパッケージング出来ていたら良いなと思います。
■NoGoDはまだ開けていない引き出しがあるし

■まだまだ伸びしろがある奥深さを持ったバンド
――出来ています。アルバム全編に亘って、情熱的かつ色気のある歌に耳を奪われました。『proof』はNoGoDのアルバムにふさわしく、プレイ面の聴きどころが多いことも魅力になっています。話は少し変わりますが、NoGoDは現メンバーになって、今年で10年を迎えました。
団長:迎えましたね。10年というのは、物事をやり尽くすには、わりと十分な時間だと思うんですよ。でも、俺が今回の“proof=証明”と冠したアルバムで一番証明できたと思うのは、NoGoDはまだまだ開けていない引き出しがあるし、まだまだ伸びしろがあるという奥深さを持ったバンドだということなんですよね。「NoGoDはこれでお終い!」という証明ではなくて、このバンドはまだまだ続きますよ、まだまだ風呂敷を広げますよと。そういう大きさを提示できたアルバムだと思う。そういう意味では、この5人で10年を迎えられたのは本当に嬉しいことだけど、自分達にとっては単なる通過点という感覚です。これからも一皮も二皮も剥けるんじゃないかなという可能性が詰まった状態で10年目を迎えられて良かったなと思いますね。
▲New Album『proof』初回限定盤(CD+DVD)
▲New Album『proof』通常盤(CD Only)


Kyrie:やりたいことは、まだいっぱいあるからね。雑味が多いともいえるけど(笑)。NoGoDはメタルが好きなメンバーが揃っているんだなということが伝わると嬉しいけど、メタルバンドになるのは違うと思うんですよ。それだけでは満足できないバンドだから。特にギターに関しては、Shinnoにはハードロックやメタルではないことを、とことんやってもらいたいと思っているんです。昔は寄せようとしていたけど、ShinnoをNoGoDに迎え入れたのは僕とは指向性が違うということが大きかったし、そこをお互いにリスペクトしている部分があるんですよ。だから、その違いを活かそうと思うようになったというのがあって。僕が違うことをして欲しいと言い過ぎて、これじゃあ2人のギターがかみ合わないよ…という時もあるんですけど(笑)。でも、もっともっと散らかっていって良いかなと思う。ギターのあり方一つにしてもまだまだやれることはあるので、今後のNoGoDにも期待していて欲しいです。
▲K


Shinno:10年という年月の間には、個々いろんなことがあると思うんですよ。時代の移り変わりという面でも、いろいろあるだろうし。そういう中で、ずっとこの5人でバンドを続けて来れたけど、それを実現できたのは5人の力だけではなくて。1人では出来ないことが5人集まって実現できて、5人では出来ないことに対して10人集まって、さらに100人集まって…という風に、いろんな人の力を借りることで10年続けられたんですよね。身体を壊したときはメンバーが助けてくれたし、ファンのみんなはライブに来てくれたりCDを買ってくれたりたくさんメッセージをくれたり。理由はいろいろだろうけど、それでも一つのものに対していろんな人が集まってくれるのは、とても素敵なことだなと思って。そういう意味で内容の濃い10年だったし、今後もそうありたい。そのために、自分の周りにいてくれる全ての人に対する感謝の気持ちを忘れずにNoGoDに取り組んでいこうと思っています。
K:この5人でバンドをやっているのは本当に楽しいし、充実感もあって、気づいたら10年経っていたという感じですね。もうちょっと楽しみたいという気持ちがあるので、このままもう10年様子を見たいと思います。
華凛:このバンドで僕がやって来たことというのは、すごくシンプルなんですよね。作品を作って、完成したものをリリースして、新しい衣装を着て、ツアーをして、次はどんなものを作ろうかという話をして…ということを、ずっと繰り返して来た。僕は音楽が好きだし、新しいもの好きだったりするので、こういうものをNoGoDでやりたいという気持ちが尽きることはなくて。しかも、それが短いスパンで更新されるんです。だから、先のことは考えない。今で言えば『proof』の曲を練習していて、秋にツアーがあるなというところで止まっていて、来年のNoGoDはどうあるべきかみたいなことは考えていないんですよね。そんな風に、その時その時に自分がやるべきことに集中した状態でずっとやって来て、気がついたら10年経っていた。そういう取り組み方が自分には合っているし、そういう状態でいられるのは幸せなことだなと思って。だから、これからも今のスタンスでNoGoDを続けていって、気がついたらまた10年経っていたということになると良いなと思っています。
――次の10年も本当に楽しみです。そこに向けて『proof』がリリースされますし、華凛さんから話が出たように、9月末から12月にかけて全国ツアーも行います。
団長:今年の夏のNoGoDは、すごく良いライブが出来ていることを感じていて。競演したバンドさんとかにも、すごくエモーショナルになったねと言われるんですよ。それも含めて、今のNoGoDの状態は本当に良いんですよね。だから、秋のツアーではNoGoDがこの5人で10年に亘ってアンサンブルを重ねて来たという証明をステージで見せられると思います。それで、ファイナルの東京公演は10年前にこの5人で初めてワンマンをやった渋谷CLUB QUATTROをチョイスしたんです。それに、未来に繋がるものを提示できるツアーになると良いなというのもあって。各地で、この10年で自分達が培ったものの証を見せて、同時にNoGoDがまだまだ進化していくことを感じてもらえるライブにしたいと思っています。
取材・文●村上孝之
リリース情報


New Album『proof』

2017.9.20 ON SALE

初回限定盤(CD+DVD)KICS-93522 \3,600+tax

通常盤(CD Only)KICM-3523 \3,000+tax

CD

01. In the cage...(Instrumental)

02. break out!

03. Arlequin

04. 蜃気楼

05. ヘンリエッタ

06. proof

07. 矜持と共に (Instrumental)

08. forever

09. 煽動

10. Missing

11. Tonight!

12. DREAMER ※通常盤のみ収録

DVD※初回限定盤のみ同梱

「Missing」

「Arlequin」

「break out!」

Music Video 収録
ライブ・イベント情報


One Man Live

<NoGoD TOUR -2017- AUTUMN pruf [pruf]>

9/30(土) 横浜BAYSIS

10/01(日) 町田THE PLAYHOUSE

10/07(土) 苫小牧ELL.CUBE

10/08(日) 札幌CUBE GARDEN

10/14(土) 高崎CLUB FLEEZ

10/15(日) 浦和ナルシス

10/21(土) 仙台HOOK

10/22(日) 新潟GOLDEN PIGS -RED STAGE-

10/28(土) 名古屋Electric Lady Land

10/29(日) 神戸VARIT.

10/31(火) 広島SECOND CRUTCH

11/03(金. 祝) 福岡DRUM Be-1

11/04(土) 熊本Be-9 V2

11/05(日) 鹿児島SR HALL

11/12(日) 長野JUNK BOX

11/18(土) 本八幡ROUTE14

11/19(日) 水戸LIGHT HOUSE

11/23(木. 祝) 金沢AZ

11/25(土)KYOTO MUSE

11/26(日)OSAKA MUSE

12/02(土) 渋谷CLUB QUATTRO
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