I Don't Like Mondays.「今夏お気に
入りの10曲」/【連載】トベタ・バジ
ュンのミュージック・コンシェルジュ

毎回素敵なコンシェルジュをお迎えし、オススメの10曲のプレイリストを紹介していく【連載】トベタ・バジュンのミュージック・コンシェルジュ、16回目のコンシェルジュにお迎えしたのはスタイリッシュな4人組バンドI Don't Like Mondays.だ。2012年のバンド結成から、音楽/サウンドはもちろんのこと、自分たちのファッション、映像制作、ライブ演出に対しても並々ならぬこだわりを見せるグループだけに、インタビューでは様々なエピソードを聞かせてくれている。そんな4人に「今夏お気に入りの10曲」という直球のテーマでプレイリストを作ってもらった。
●I Don't Like Mondays.「今夏お気に入りの10曲」
(1)On my way / I Don't Like Mondays.

(2)Shape of love / I Don't Like Mondays.
Yu(Vo)

(3)Shut Up and Dance / ウォーク・ザ・ムーン

(4)California Gurls / ケイティ・ペリー
Choji(G)

(5)Big Time / ピーター・ガブリエル

(6)Woman / ホンネ
Member Kenji(B)

(7)CAN'T STOP THE FEELING! / ジャスティン・ティンバーレイク

(8)24K Magic / ブルーノ・マーズ
Shuki(Dr)

(9)Hard Times / パラモア

(10)Little of Your Love / ハイム
   ◆   ◆   ◆
(1)On my way / I Don't Like Mondays.
Yu:“夏といえば”というものを全部詰め込んだような曲です。野外で聴いて一番気持ちのいいサウンドにしようということで、今僕ら4人が考える「夏」を詰め込んで作りました。
(2)Shape of love / I Don't Like Mondays.
Yu:僕らは音の引き算をテーマに掲げているんです。音を入れれば入れるほど、その時々のサウンドが入ってくるので、結局時代に左右されてしまって、5年も経つと古く感じちゃう。長く残っている曲たちっていうのはひとつひとつの音にこだわっていて、実はそんなに音数は多くなかったりするんです。僕らの好きなアーティストはみんな色褪せない曲を作り続けていると思うんです。だからこそ、僕らもいつまでも新しく聴こえる無駄のないものを作っていきたいんです。そういう意味では、一番洗練された音のみで構築できた曲が、「Shape of love」です。
(3)Shut Up and Dance / ウォーク・ザ・ムーン
Yu:2年くらい前の曲なんですけど、初めて聴いた感じがしなかったっていうか、昔ながらの夏ソングっぽい王道の盛り上がりと、爽やかさと、夏っぽさを感じられる曲。その後、サマソニで聴いてテンションぶち上がっちゃいました。跳ねまくれるサマーソングです。
(4)California Gurls / ケイティ・ペリー
Yu:めっちゃよくできている曲で、僕らも何度も研究しました。ポップで、それこそ高校生の女の子とかでも歌うような感じの曲なんですけど、無駄なものが入ってないし、すごいノレてメロディーラインも洗練されている。歌詞もカリフォルニア=サマーを感じさせる。ポップのなかにファンク性をナチュラルに取り込んでるキラーチューンですね。
(5)Big Time / ピーター・ガブリエル
Choji:このバンドをやり始めた頃はEDMとかが流行ってて、ビルボード・チャートものばっかり聴いていたんですけど、それからだいぶ自分の価値観も変わって、ピーター・ガブリエルやデヴィッド・ボウイとかも今年くらいから聴いています。そのなかで「Big Time」がすごい印象的でした。The 1975とかもかなり影響を受けているなと思います。今のアーティストが影響を受けた作品を勉強することで、そこから何かを生み出したいなと思っています。
(6)Woman / ホンネ
Choji:純粋に何も考えず聴いてられる曲です。変わったバンド名だなって思っていたんですけどホンネは結構好きで、この曲が特に好きです。
(7)CAN'T STOP THE FEELING! / ジャスティン・ティンバーレイク
Kenji:ジャスティン・ティンバーレイクは、ちゃんと新しいトレンドを取り入れていて、サウンド的にも結構面白いところがいっぱいあって、自分のなかですごく引っかかっている曲です。
(8)24K Magic / ブルーノ・マーズ
Kenji:これはもう衝撃的すぎた曲です。3枚目はどう来るんだ?と思ってたんですけど、ヒップホップがちょっとずつ、ふつふつと出てきたときに「やられたな」と思いました。いい意味で、期待を裏切られた。すべての音の入れ方に関して無駄がないし、音のひとつひとつが全部グルーヴになってるし、積み方が上手い。そして、引き算がとても上手で無駄がない。
(9)Hard Times / パラモア

(10)Little of Your Love / ハイム
Shuki:テーマが今年の夏ってことだったので、今年出た曲がいいなと思って選んだんですが、2組ともバンドでありながら、バンドっていう枠に捉われたくないっていう感じが伝わってくるのがすごい僕らと似ているなって思って。その中で夏っぽいと思った2曲を選びました。ハイムはテイラー・スウィフトのツアー(『THE 1989 WORLD TOUR』)で回る前、デビューしたての時ぐらいから、メンバーみんな好きなんです。昔から知っているバンドがどんどん成長したり進化したりしているのを見ると、本人でもないのに、ちょっと嬉しくなるというか。
   ◆   ◆   ◆
――ずっとアイドラのファンで、対談をしたいと思っていました。気になっているのが曲の作り方なんですけど。
Yu:バンドとしては珍しい曲の作り方をしています。もちろん、スタジオに入ってセッションをやったり、誰かが持ってきたものをより広げたり、よくある作曲方法も結成当時は試したんですけど、どの方法でもみんなが納得できる曲が作れなかった。もともとルーツになった音楽が4人とも極端にバラバラなんですよ。
――どういうルーツですか?
Yu:僕は1980年代のアメリカン・ポップス。プリンスやマイケル・ジャクソンに影響を受けています。
Choji:僕はギターヒーローがいるバンドが好きで、ディープ・パープルとか…それが一番ルーツかな。
Kenji:僕はザ・ビートルズとかオアシスとかが大好きで、作曲方法とかをUKのアーティストから学んできました。
Shuki:僕は、プロになりたいって思ったのはKornのライブビデオを見たのがきっかけで、そこからは結構激しめの音楽を聴いていました。
――バラバラですね。
▲Vo.悠 Yu
▲G.兆志 Choji


Yu:だいたい普通のバンドって、好きな音楽が同じだとかで組むことが多いと思うんですけど、僕らは人間性やキャラクターだけで集まったので、音楽の趣味嗜好は後から話してみたら全然バラバラでした。結成からしばらくはどういう方向でバンドをやったらいいのか悩んで、毎日4人で集まって話し合っていましたね。「どういう曲が今、欲しいんだろう?」とか「I Don't Like Mondays.だったら、どういう曲をやったらいいんだろう?」と考えるようになり、「4人が集まったときに、どういう曲が一番かっこいいのか」という発想になりました。個人の嗜好よりも、たとえば「ライブでアップテンポのものが少ないよね」とか、「もうちょっと切ない要素があったほうがいい」「夏だったら、どういう楽曲を入れたらいいんだろう?」と、楽器を持つ前に4人で話し合って、みんなでイメージを固めてから、パソコン、DTMに向かうんです。
――最初にDTMに向き合うのは誰ですか?
Kenji:まずShukiがドラムを入れて、で次に僕がベースを入れて。
Yu:それから、コードなどを4人で話し合って…。
――PC上でセッションするんですね。まとまらないで喧嘩になることはないんですか?
Yu:そこは好みの問題だと思うんですけど、最終的にイヤだと思うメンバーが1人でもいたら、そこをクリアするまでやり続けるんです。多数決は取らない。3人がいいと思っても、イヤだっていう人がイヤじゃなくなるものを探します。
――なるほど。
Kenji:でも、そこにたどり着くまでにはすごい時間がかかりますよ。普通だったら、3人がいいって言ってるんだからそっちでいいじゃん、って思うんですけど。
――けど、満場一致じゃないとI Don't Like Mondays.は成り立たない?
Kenji:みんな頑固だから、「じゃあ、お前が納得するものは何なの?」っていうところからそうなっているんだと思います。全員が納得するところまで行きますから、結果として絶対最初より良くなるんです。
――今回収録の新曲2曲に関してもそのように?
Yu:「On my way」は、夏を感じさせるような今作のリードトラックを作るという目的で作曲し始めたんです。『SUMMER』のリードになるような曲、夏を感じさせる曲って何なんだろう、って4人で意見を出し合って。たとえば、ジャンプして盛り上がれる曲だとか、手をあげられるような曲だとか、海辺で聴ける曲、野外で聴ける曲…という感じで。楽器はどういうのを入れるか?ってなったときに、Chojiが「せっかく夏だったら、アコギ入れたほうがいいんじゃない?」って言って。他にも、みんなで歌えるようなセクションもあったらいいんじゃないかとか、企画会議っぽい感じで進めました。
――ミュージックビデオも、ライブっぽい演奏シーンが多く登場しますね。
Yu:そうですね。サウンド面とビジュアル面で、大人になってから考えるバンド像っていうものを前面に出したいなって思って。それで、「PRINCE」という曲から演奏シーンを多めに入れました。
――アイドラは、ファッション面にも強いこだわりがありますよね?
Yu:僕は、“ファッションがかっこよくないとバンドとして認めない”みたいなところがあるんですよ。ファッション性、スタイリッシュさっていうアイコン的な意味でのかっこよさっていうものがあるでしょう?僕が憧れたバンドにはみんなそういうものを感じたので、自分たちもそれを発信していきたいんです。
――メンバーはルーツがバラバラですが、ファッションに対するこだわりも別々ですか?
▲B.謙二 Kenji
▲Dr.秋気 Shuki


Yu:別々です。ただ、自分たちの趣味、嗜好はあるけど、I Don't Like Mondays.というバンドで4人が揃ったときに、一番どういうものがかっこいいのかなっていうことを考えるようにしています。メンバーも30代と20後半なので、バンドを始めた当初より大人になってきたんですよ。当時は、「俺らかっこいいだろ。バンドやってんだぜ」と気張っていたような気がするんですが、もうそういうのをなくしてもいいんじゃないかなと思います。
Choji:僕もまったく同じで、デビュー当初はI Don't Like Mondays.の中のそれぞれがどういう振る舞いをしたらいいのかと、バンドのイメージを作ってやっていたんですけど、もうそういうのはやめて、好きにやれるようになっているかなぁと思います。
Kenji:僕は4人がバラバラだからこそ、ジャンルにとらわれずにいろんな曲を作っていきたいと思っています。デビュー前は、「音楽性を一つに絞らないと、何がやりたいか分からないって言われちゃうよ。」と言われ続けて、その不安と闘ってきたんですけど、僕らのスタイルが確立してしまえば、ジャンルレスでやっていくことって関係ないことなんだなって改めて気づかされています。
Shuki:さっき話したように音楽のルーツも出身もみんな違うんですよ。育ってきた環境もみんな違うなかで、各々がI Don't Like Mondays.にとって必要なものは何か、客観視して考えるということがやっと固まった気がしています。キャラクターを各々が確立できているというか、核になっている部分はこの先ブレないのかな。「I Don't Like Mondays.って、こうだよね」っていうイメージが、各々にあるような気がしますね。
――サウンドの方向性的には「ジャンルレス」…ひとつに固執していくつもりはないですね?
Yu:全然ないですね。僕たちは雑食で、特に僕は極度の飽き性だから。4人ともそういうとこがあって、同じことをやっていたらたぶん飽きちゃうので。
――ファン層も定めない?
Yu:究極は、“自分たちが聴きたいものを作る”ということしか信じられるものはないんです。おっさんがいくら「高校生に届けたい」って言っても、高校生じゃないから分からないでしょ?僕もいろんな音楽を聴くし、好きだし、いろんなステージを見に行くし、変に固定概念を作らない自分でいて、「自分たちのサウンドを聴きたいかどうか」っていう判断基準を普段から持てるような自分でいたいと思うんです。
――コンセプトの練り込みから作品作り、ライブまでいろんな工程がありますが、一番好きなのは?
Yu:ライブかな。
Choji:僕はライブですね。
Shuki:ライブ。
Kenji:ライブをするために、それを作るっていう感じですね。
Yu:でも、マスタリングも好きですよ。曲をいっちばんいいスピーカーで爆音で聴けるから(笑)。ただ楽しいです。
――ビデオ撮影とかアートワーク製作にも、ずいぶんこだわっていますけど。
Kenji:もちろんそうですけど、結局はライブに向けての作業ですよね。
Yu:ライブは分かりやすいんですよ。ワーッてなったときの瞬間的な興奮度は、やっぱり何よりも高いです。でも、継続的な興奮度って面でいうと、個人的には曲作りよりもビデオ製作のほうが楽しい。曲作りはけっこう苦悩です(笑)。生み出して、完成したものを使った映像は、本当にもう感覚で作るだけなのでただ楽しい(笑)。やっと僕らも大人になってきたので、よりナチュラルに自分たちが聴きたいサウンドや見たい映像を発信したいです。気張らずに、素の僕らを形にできたらいいなと思います。
Choji:地方に行くと男性のファンもちらほらいらっしゃっるので、男性のファンをもっと増やしたいなと思います。
Kenji:改めてジャンルレスであるということを追求して、力を抜いていろんなことを試していきたい。ラッパーの方とコラボしたり、いろんな人とどんどん音楽をやっていけたら楽しいだろうなと思っています。
Shuki:I Don't Like Mondays.っぽさが固まってきた反面で、自分たち自身の枠に捉われがちになる危険性もあるわけですから、あえて失敗しそうなほうを選んだりと、固まらないようにして、自分たち自身もお客さんも裏切り続けたいです。いろいろチャレンジしてきて、自分たちのなかでも見えた部分もあるんですけど、3年経ったからこそ、気をつけたい部分ではあるなと思っています。
――あえて、苦難の道でも行く?
Yu:そのほうがわくわくするというか。固まって3年後、5年後が見えちゃうと、違うことがやりたくなっちゃうんで。
インタビュー:トベタ・バジュン
I Don't Like Mondays.『SUMMER』E.P.


2017年6月19日発売

COZP-1304-5(初回限定盤)CD+DVD ¥3,600+税(”FASHION” 1st Tour FINAL @ ZEPP DiverCity TOKYO ライブ映像付き)

COCP-39906(通常盤)CD ¥1,600+税

1.On my way

2.Shape of love

3.PRINCE

4.TONIGHT[KSUKE Remix]

5.WE ARE YOUNG(from AL「TOKYO」)

6.Freaky boy(from AL「FASHION」)

7.MEMORIES(from miniAL「PLAY」)
初回盤DVD

2016.11.19 I Don't Like Mondays."FASHION" 1st Tour FINAL@Zepp DiverCity(TOKYO)ライブ映像

1.Fashion

2.Sorry

3.Stranger

4.Marry me

5.Crazy

6.Freaky boy

7.Game over

8.Girlfriend

9.Don't look back

10.Tonight

11.Life

ライブ・スケジュール

<音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2017>

8月15日(火)

@OTODAMA SEA STUDIO(神奈川県三浦市)

15:30 open/16:30 start
<City Jam>

8月20日(日)

@代官山LOOP

18:15 open/19:00 start
<LINE MUSIC SUMMER FES>

8月26日(土)

@Zepp DiverCity(TOKYO)

17:00 open/18:00 start
FREEDOM aozora 2017 九州>

9月2日(土)

@みやざき臨海公園 サンマリーナ宮崎 多目的広場(宮崎県宮崎市)

10:00 open/12:00 start
<ASTRO HALL presents “New Wave”>

9月22日(金)

@原宿ASTRO HALL

18:00 open/18:30 start
<FM802 MINAMI WHEEL 2017>

10月7日(土)・8日(日)・9日(月・祝)

@大阪・ミナミエリア ライブハウス20ヶ所以上

※出演日程・出演会場・タイムテーブルは後日発表となります
MY FIRST STORY “MMA” TOUR 2017 新潟公演>

10月13日(金)

@新潟LOTS

18:00 open/19:00 start
<ZIMA MUSIC FIGHTERSフェスライブ>

10月15日(日)

@札幌 DUCE

16:00 open/16:30 start

BARKS

BARKSは2001年から15年以上にわたり旬の音楽情報を届けてきた日本最大級の音楽情報サイトです。

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