【インタビュー】caho「私だから言え
ること、自分のありのままの気持ちを
歌えるシンガーになりたい」

SNSやツイキャスを利用した配信でのライブ活動で人気が広がり、2016年3月にクラウドファンディングを利用してCDデビューを果たしたcaho。透明感のある歌声と等身大の歌詞の世界が老若男女の共感を呼ぶ。そんな彼女が、8月16日にミニアルバム『わたしは。』をリリース。歌詞には、自分のダメな部分やネガティヴさも赤裸々に描き、表現者として新たな境地に向かおうとしている決意を込めた一枚になっている。
■ギターをはじめてすぐのライブでギターを持って歌ったんです

■初ライヴはヴォイストレーニングをはじめて1年後でした
――cahoさんが音楽をはじめるようになったきっかけを教えてもらえますか?
caho:歌うことは子供の頃から好きだったんですけど、音楽を仕事にしようというところまでは考えていませんでした。でも、中学時代に、人前に立ってお芝居をする女優さんやアーティストさんに救われることが多かったんです。素はネガティヴなので、笑えなくなった時期もあったんですが、そういう時に、いつも人前で笑顔で歌ったり演技をしている女優さん……新垣結衣さんなんですけど……を見ていると、すごく元気になれて。
――新垣結衣さんは音楽活動もしていますもんね。
caho:はい。新垣結衣さんに憧れていたので、女優になりたいと思っていた時期もあったんです。最初から「ギターを弾きたい!」って思ってアーティストを目指したわけではなくて。私自身、人見知りだし引っ込み思案なんですけど、人前で何かパフォーマンスをして、目の前の人や誰かを勇気づけるようなことを仕事にできたらいいなと漠然と考えていたんです。音楽に絞って活動をスタートしたのは大学生になってからで、しかも最初はギターは弾いていなかったんです。
――ギターをはじめたのはどうして?
caho:初めてのライヴで今のプロデューサーさんに出会って、「何か楽器をやったほうがいいよ」というアドバイスをもらって。そこからギターをはじめました。小さい頃から弾いている子もたくさんいるので、遅いスタートかな?とは思いつつ。
――アコースティックギターは、最初、音がきれいに鳴るまで大変ですよね?
caho:はい(笑)。手こずりましたけど、何事も経験なので、ギターをはじめてすぐのライブで、ギターを持って歌いました。
――現場主義ですね(笑)。歌のレッスンをはじめた時はどうだったんですか?
caho:歌は大学生になってから本格的なヴォイストレーニングを受けました。初ライヴはトレーニングをはじめて1年後でしたね。
――歌は1年かけて基礎を作ったんですね。
caho:でも、レッスンだけをしていても、「上手くなったなぁ」という実感は全然なくて(笑)。それよりも、ライブに出て人前で歌ったほうが成長していると感じられました。ヴォイトレよりもライブのほうが勉強になります。
――作詞の経験は?
caho:まったく経験したことがなかったので、最初は何回も書き直して、すごく時間がかかりました。自分の経験や他の人の経験を聞いて描いたり、ストレートな歌詞が多いですね。
――作詞をするようになってから変わったことはありますか?
caho:日常で感じたことや降りてきた言葉、気になった言葉はすぐにメモをとるようになりました。そういうものをあとで見直して、自分なりにまとめて歌詞に活かしたりすることもあります。あと、日々、いろんなことを考えるようになりましたね。
――活動はインターネットを活用していますよね。
caho:はい。最初にリリースした「begininng」はクラウドファンディングでいろんな方に協力してもらって作った一枚なんです。音楽活動をはじめてからCDを出すまでが、私は他の人よりも遅かったと思うんです。でもそれは、1枚目はみなさんに協力してもらって作りたいという思いがあったからなんです。ライヴでいろんなオリジナル曲をやる中で、協力してくれる人を増やして、みんなで作ったCDなので、すごく思い入れのある一枚になりました。
――夢がかなった瞬間ですね。しかも、みんなで叶えた。
caho:はい。CDが手元に来た時は本当に嬉しかったです。家族や友達、みんなが喜んでくれて。
――cahoさんは、ツイキャスギター女子としての認知度も高いですよね。
caho:はい。ツイキャスはどこにいても見ることができるから、ライブで地方に行っても「ツイキャスで知りました!」という人がたくさん来てくれるんです。
――ツイキャスって、ストリートライブを家でも観られるという感覚なんですかね。
caho:そうかもしれないですね。ストリートライブもやったことがあるんですけど、私に向いているのはツイキャスかなと思いました。ツイキャスをやっているせいか、若いリスナーが増えてくれて、ライブには学生さんもたくさん来てくれるようになって、幅広い年齢の人に観てもらえるようになりました。
――ツイキャスでの配信ライブの面白さはどんなところ?
caho:年齢層も幅広いし、いろんな人に観てもらえることもそうですが、コメント欄を見ると、本当に各地で観てくれてる人がいるというのがわかるんです。私がまだ行ったことがないところの人から「ライブしに来て!」と言われると嬉しいですね。実際に九州とか、東京から離れた場所にライブに行くと、ツイキャスで知ってくれた人にも実際に会うことができます。東京でライブをやっているだけでは会えない人とも繋がっているんだなと実感できるのは大きいことですね。
――なるほど。オンラインで繋がった人と会えるライブはオフ会みたいな感じなんですね。
caho:そうなんです。普段はネットで観てる人も、ライブに行けば実際に足を運んでくれるのが嬉しいですね。
――しかも、配信って、ストリートライブ以上に等身大ですよね。
caho:本当にその通りで(笑)。家でのんびりしながらやっているので。やりたい時にやろうというノリでやっているので、かなり素の自分が出ていると思います。私の素を知ってもらえるのもツイキャスの良さだなと思います。
■よく「悩みなさそう」「君は強い」って言われるんですけど

■全然そうじゃない。これで私の内面をわかってもらえたら
――8月16日にはミニアルバム「わたしは。」が全国で発売になりますね。今作は、今までとは違う雰囲気の作品になったとのことですが。
caho:はい。今まではザ・J-POPという感じでしたけど、バンジョーという楽器を入れてカントリー調の曲があったり、サウンド的にも新しい面が詰まっています。歌詞にも自分の性格を赤裸々に書いて、ネガティヴな部分もさらけ出しました。今まで応援ソングではポジティヴなことばかり書いていたんですけど、今作では自分のありのままの姿を描こうと思ったんです。だから弱い部分も隠さずさらけ出しました。
――今まで書かなかったことを書くのは勇気のいることですよね。ましてや自分の内面をさらけ出すのはさらに怖いと思うんですけど、それを今作でやろうとしたのはどうして?
caho:これまでポジティヴなことを書いていたのは、自分自身を勇気付けるためでもあったんですけど、強がっている歌詞がだんだん嘘に聞こえてきて。もっと自分らしい、根暗でネガティヴな本来の自分を出していこうと思い切りました。
――無理したり、背伸びしているところがあったんだね。
caho:ありました。
――それをもっと自分に近づけたのが今作。だからタイトルも「わたしは。」にしたの?
caho:はい。今までみんなが知らなかった私を知ってもらえるんじゃないかなと思います。
――1曲目の「I want you」は、片思いの曲ですが、ダメンズを好きになってしまった曲ですね。この曲のあとの「さよならララバイ」では自分のダメなところも書いていますが、自分もダメなだけじゃなく、ダメンズも好きなの?(笑)
caho:ふふふ(笑)。そうなのかなぁ? 私の曲には失恋の曲が多いんですよ。叶わない恋というのも多いんですけど、友達の相談に乗っていると、ダメンズを好きになってしまう子も結構いるんですよね。きっと、こういうシチュエーションで恋愛している女の子は多いんじゃないかなぁと思って書いた曲なんです。
――ダメなだけじゃなく、すごくズルい男の子ですよね。一人に決めずに、いろんな女の子にちょっかい出しているような感じで。
caho:そうですね。こういう男の子に騙されないようにしないとダメですね(笑)。
――で、「さよならララバイ」にはcahoさんのダメなところが描かれています(笑)。「めんどくさい」が口癖って書いてあるけど、短期間でギターを猛練習したりしているから、全然そんな風に思えないんですけど。
caho:ふふふ(笑)。頑張らなきゃと思ったら頑張るんですけど、それまでのスイッチが遅いんです。
――そして、優柔不断?
caho:ご飯を食べに行ってもすぐに決められなかったり、洋服もなかなか選べないんですよ。
――失恋ソングの中に、よくこれだけ自分の内面を映し出しましたね。
caho:ダメなところがたくさんあるのはわかっているんですけど、でもなかなか変えられない。それを戒めたくて(笑)。
――そして、次の曲「wonderland」では、そんなダメな私を認めて受け入れてくれている男の子が出て来ます。変われないけどありのままを受け止めてくれている。
caho:こういう人がいたらいいなという理想です。今まではストレートな歌詞が多かったんですけど、ファンタジックな雰囲気で歌詞が書けたのは今までと違うところです。「wonderland」というタイトルもそうなんですけど、ウサギとか魔法とか。曲調も今までにないかっこいい感じだったので、出てくる歌詞のフレーズも新しい感じになりました。
――「さよならララバイ」のアンサーソングのようでもありますけど、これは意図的ですか?
caho:いえ。気づいたらこういう歌詞になっていたんです。こういう人がいたらいいなぁという雰囲気で書いたら「さよならララバイ」のアンサーソングになっているんだなって後から気づいて。聴き比べて、それぞれの立場で共感してもらえたら嬉しいですね。
――次の「キラキラ」も今までの作品とは雰囲気が違いますね。繊細で泣きのあるサウンドだったり、ネガティヴなことも包み隠さず描いた歌詞も。
caho:SNSを通していろんな人に知ってもらったり、かなりネットを活用していますけど、ネット社会には嫌なこともたくさんあって。その時に書いた詞なんです。
――ネットって力になることもあるんだけど、顔が見えないから、平気でひどいことを言ってくる人もいますよね。そういうネット社会のネガティヴな部分も伝わります。「簡単な言葉で汚れた」とか。繊細にネガティヴなところも描いているからこそ、逆に力強さも感じられる曲だと思います。
caho:確かに。ここまでネガティヴを出したのは初めてなんですよ。自分でもお気に入りなんです。よく「悩みなさそう」「君は強い」って言われるんですけど、全然そうじゃないので、これで私の内面をわかってもらえるといいですね。私のように人前で活動をしていない人でもネットで傷ついている人ってたくさんいると思うんですよ。そういう人にも聞いてもらいたいです。
――最初、「キラキラ」というタイトルだけみたら、明るい曲なのかなと思ったんですけど、曲を聴いたあとはタイトルの印象が変わりますね。「何があっても私は歌う」って思いながら、夜空のキラキラした星を見上げているような、暗闇の中で光っている「キラキラ」になりました。
caho:最初に曲を聴いたときに「キラキラ」っていうイメージが湧いたんです。そこから広げて、ネガティヴな部分も詰め込んでこの歌詞が完成しました。
――最後は2月14日にリリースされたシングル「goodbye baby」のアルバムバージョンですね。これは卒業ソング?
caho:はい。ちょうど大学を卒業して、学生が終わる節目でできた曲なんです。シングルバージョンと比べるとアレンジも変えています。ギターがエレキになっていたりして、違う感じですね。
――学生時代が終わるというのは、感じる部分も多かった?
caho:はい。成人になった時もそうでしたが、学生扱いされていたのに、社会人として扱われるというのは大きなことでしたね。子供から大人にならなきゃいけないけど、大人になりたくない。でも子供の自分にさよならしなきゃいけない……それで「goodbye baby」というタイトルをつけました。
――友達とのグッバイもあるしね。
caho:そういう意味もこもっていますね。
――一歩踏み出すような感じで終わるアルバムですね。
caho:そうですね。ジャケット写真もそうですけど、今まで笑っているものってなかったんです。ジャケットにも私の素が出ているんですよ。より等身大にしたいと思ったのも、「これからはこういう私で行きますよ」という決意の現れなんですよ。強がって励ますような曲じゃなく、私だから言えること、自分のありのままの気持ちを歌えるシンガーになりたいんです。それで誰かを元気にできたらいいなと思っています。そういう意味でも今作は、区切りの一枚になりました。たくさんの方に聞いていただければいいですね。


取材・文●大橋美貴子
リリース情報


new mini album 「わたしは。」

2017年8月16日発売

a.i.r /air-1001

税別2000円

m1: I want you

m2: さよならララバイ

m3: wonderland

m4: キラキラ

m5: goodbye baby~album ver
ライブ・イベント情報


<ADD VALUE MUSIC Vol.86>

【場所】小倉Cheerz

http://cheerz.jp

【日程】2017年8月11日(金)

【出演】河口祐輔, Tree Tree, non, shu-on, RYOSUKE, Rikatun, T.O.X, Uno, SENA, U-DAI, caho, and more
「おわりのいっぽ ふぁいなる 」

【場所】大分Back Stage

http://airpo.me/shops/176

【日程】2017年8月12日(土)

【出演】くれおん!,!Ms.Annivarsary, caho,中島晴香,爆裂パンダ,B-LAST,風雷,モモンガールズ,脳天かち割り茹で卵,淡い。,EXPLODER, Mighty
<ADD VALUE MUSIC Vol.87>

CleveR sound×衝撃ZELOSTOIC共同主催

【場所】北九州パレス 小ホール

http://kitakyushu-palace.com/about/#access

【日程】2017年8月13日(日)

【出演】Unsavory ties, 衝撃ZELOSTOIC, 仮面男子, 男魂, 究極少女・カラット, ショコラ★ホイップ,SENA, ティゴー, caho, and more
Laguna 9th anniversary special

<Honey Moon!!!>

【会場】下北沢Laguna

【日程】2017年8月16日(水)

【出演】晴田悠加・caho・森ゆめな
<8/16発売 caho「わたしは。」発売記念イベント>

【会場】タワーレコード池袋店 6Fイベントスペース

【日程】2017年8月17日(木)

【時間】19:30 スタート

【入場】観覧無料

【内容】ミニLIVE&チェキ撮影会+特典お渡し

【出演】caho
<OTODAMA BEACH TERRACE>

(神奈川県 鎌倉市由比ガ浜海岸)

http://otodama-beach.com/2017/yuigahama/

【日程】8月25日(金)

【時間】LIVE TIME:16:00~

【入場】観覧無料

(飲食物のお持ち込みご遠慮ください。)

【出演】エナ / caho /名渡山遼

雨天決行※荒天中止(当日音霊SNSで配信)
<JANUSing!!>

【日程】2017年8月26日(土)

【会場】Music Club JANUS

http://www.arm-live.com/janus/access/index.html

【出演】Anna/ caho /北村來嶺彩/なすお☆/もにゃ

■発売日:7月29日(土)10:00~ e+にて発売開始

※JANUS店頭販売は7月30日(日)14:30~

■問合:Music Club JANUS(06-6214-7255)
<8/16発売 caho「わたしは。」 発売記念イベント>

【日時】2017年8月27日(日)

【会場】タワーレコード梅田NU茶屋町店 店内イベントスペース

【時間】 START 16:00 (集合時間 15:30)

【内容】ミニLIVE&チェキ撮影会+特典お渡し会

【出演】caho

【お問合せ先】タワーレコード梅田NU茶屋町店(TEL:06- 6373-2951)
<大人の階段 vol.2>

丸木美花 活動10周年&生誕祝!記念ライブ

東京LIVEに~ゲスト出演~

※ゲスト出演の為、この日は物販等一切ありません

【会場】北参道GRAPES

tel 03-6447-0160

【日程】2017年9月2日(土)

【出演】コキリカ家’、さんでーらぼfeat.音職人ひろくん、コハクノアカリ、caho
関連リンク


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