解散・活動休止してしまったヴィジュ
アル系ロックバンド10選

今回は現在は解散・活動を休止しており世間の目には届きにくいヴィジュアル系ロックバンドを特集します。
昔のV系が知りたいという方、最近V系にハマった方はぜひご覧ください。

Janne Da Arc

ジャンヌダルクは1991年から2007年まで活動したヴィジュアル系ロックバンド。解散ではなく活動休止という措置を取っていますが、2007年以降、ジャンヌダルクとしての活動はありません。
まず最初に紹介するJanne Da Arcの魅力は、ボーカル・yasuのハイトーンボイス、そしてyasuを含めた各メンバーの演奏力の高さでしょう。昨今のロックバンドでもハイトーンボイスボーカルは流行の一つではありますが、yasuの歌声の良さは自然なハイトーンではないでしょうか。元々の声の高さを活かしたキーの高いメロディーは万人に受け入れられるJanne Da Arc一の特長です。
そして、yasuを含めたメンバーの技術の高さも必見。特にヴィジュアル系ロックバンドの要とも言えるギターサウンドは非常に魅力的です。ギター・youから奏でられるギターからは時には抒情的に、時には激しく早弾きと曲調によって様々な変化をみせます。そしてバンドサウンドを支えるベースのka-yuとドラムのshujiの安定感。ライブではこの2人によるソロプレイも定番となっており、リズム隊として抜群のパフォーマンスを見せます。キーボード・kiyoのヴィジュアル系ロックらしからぬフレーズ、音色の多彩さも見逃せません。
Janne Da Arcは初期はまさにV系という激しさ、ハードロックさを売りにしているバンドでしたが、後期は徐々にロック、ポップ調に変化していきます。今回、初めて聴く方におすすめしたいアルバムは「JOKER [ Janne Da Arc ]」というアルバム。スタジオ
アルバムとしては最も後期にリリースされたのがこのアルバムですが、初期を思わせるハードロック調の”ツメタイカゲロウ”、恐らくJanne Da Arcの楽曲で最も有名、アニメ・ブラックジャックの主題歌にもなった”月光花”、後期のポップロックを思わせる”Love is Here”、”ダイヤモンドヴァージン”とJanne Da Arcというバンドを一挙に知ることができるアルバムです。
このアルバムを聴き、気に入った方は時代を追って作品を遡ることをおすすめします。時代ごとに姿を変えていくJanne Da Arcを楽しむことができるでしょう。

Acid Black Cherry

アシッドブラックチェリーは2007年にJanne Da Arcのyasuが始動させたソロプロジェクト。現在はyasuの体調の関係で活動無期限休止中です。
Acid Black Cherryは、通称「ABC」と呼ばれており、Janne Da Arcのボーカル・yasuのソロプロジェクト。
Janne Da Arcも大好きなのですが、Acid Black Cherryはより歌詞が「エロ」になっており、様々な世界観を表現している歌詞がとても良いです。
また、Janne Da Arcよりも激しいロック、ジャズ、ポップ、バラードなど、幅広い楽曲を揃えているのが特徴的だと思います。yasuの声がどの曲にも合っていていい曲ばかりです。
そんなAcid Black Cherryのおすすめなアルバムは「BLACK LIST [ Acid Black Cherry ]」。アルバム1作目になりますが、1st~4thシングルを収録しており、おすすめしたい曲”Black Cherry”も入っています。このアルバムだけでライブもかなり盛り上がれると思います。

MALICE MIZER

マリスミゼルは1992年から2001年まで活動したヴィジュアル系ロックバンド。
次にヴィジュアル系バンドの王道であるMALICE MIZERを紹介します。
解散してもう10年以上となりましたが、その実績と人気、そして舞台や衣装へのこだわりはMALICE MIZERを超えるものはないように思います。
MALICE MIZER全盛期では、言わずと知れたGACKTがボーカルのグループでした。そして、テレビやライブでも喋らないManaがギターを担当していました。
当時のビジュアル系バンドは、ロック色が強いものが多くありました。いわゆるヘドバンをするようなアーティストです。
一方、それとは対照的なのがMALICE MIZERです。非常にクラシカルな音楽を取り入れることが多いアーティストと言えます。
それもそのはず。クラシックに精通したManaが作曲した楽曲が多数あるからです。いつの時代もヴィジュアル系にあまり良い印象を持たない方がいますが、MALICE MIZERは曲が好きで入り込んだファンも多いでしょう。
そして当時のファンがどハマりしたきっかけはライブ映像です。もちろん衣装がものすごいことは知っていましたが、それ以上に演出のこだわりが半端ではありません。
いくらかかるのかとこちらが不安になるくらい派手でした。中世ヨーロッパテイストの舞台で、まるでオペラ座を思わせるよう。この世界観といい、メイク、衣装といい、もうかっこいいとしか言いようがありません。
MALICE MIZERではボーカルが3人変わっていますが、やはり一番の人気はGACKTが在籍していた頃。
その中でも私が好きなアルバムは「sans retour Voyage ”」です。ファンの中でも大変評価が高い一枚、個人的にもとてもクオリティーが高いと思います。
独特の世界観があり、自分が物語のなかに入っていくような、現実離れしていくような感じを味わえる1枚です。
ヴィジュアル系自体、全盛期の1990年代と比べて流行っていませんが、MALICE MIZERを聴くと、いまでもあの懐かしいような不思議な世界へ連れて行ってくれるような気がします。

BOOWY

ボウイは1981年から1987年まで活動したロックバンド。
V系ロックと一般にまだ馴染みのなかった時代。そんな中、今では代表されるV系ロックアーティストの多くが憧れたバンドBOOWY。そして魅力がわかるアルバムは「“LAST GIGS”COMPLETE [ BOOWY ]」これがオススメです。初期の頃から解散するまでの代表作が収録、何といっても初期の頃の荒削りな感じから解散するまでの洗練されたビートロックの魅力が満遍なく収録されています。
今だにBOOWYは根強い人気を誇っています。また、解散後も各個人今だに活躍されており、氷室、布袋ご両人はまだまだ現役、第一線で活躍されているアーティストとして知られています。リアルでBOOWYを楽しんでない方にもリアルでBOOWYを楽しんでいた方もまた新鮮に純粋にV系ロックを感じることでしょう。

LUNA SEA

ルナシーは1989年に結成されたヴィジュアル系ロックバンド。活動当初からメンバーが1度も変わっていないバンドです。2000年から10年ほど活動休止期間が長かったのですが、2010年からは復活しています。
LUNA SEAは、X JAPANに続き日本のロック界を引っ張ってきたバンドです。曲調としてはフラットベースで重低音のものが多く、万人ウケする要因は少ないのですが、ファンにとってはそれが良いのです。売れる曲を作ることよりも、自分たちの信念を貫き通す、そのような感じの曲が多くとてもカッコいいバンドです。キッカケがないとなかなか出会うことがないバンドかもしれませんが、是非一度聞いてみてもらいたい楽曲が多くあります。
そしてオススメしたいアルバムは「LUNACY」。これは終幕前の最後のアルバムになります。ライブ感が存分に感じられるアルバムになっているので、多くの方に聴いてもらいたいアルバムです。オススメしたい曲は”G”。とても疾走感溢れる曲で、ライブでは2曲目に登場することが多くなります。

Gilles de Rais

ジルドレイは1989年から1995年まで活動したヴィジュアル系ロックバンドです。
V系黎明期からインディーズで精力的に活動していたバンドとして有名なのがGilles de Raisです。ハードロック路線でパワフルな楽曲が多く、V系の中でも硬派な印象のバンドでした。特にJOEの個性的なだみ声は楽曲をよりスラッシーに彩っていました。活動期間は1995年までの6年間と決して長くはなかったのですが、とても印象に残っているバンドです。
数あるGilles de Raisのアルバムで一番のおすすめはエクスタシーレコードからリリースされた「殺意」でしょう。 ハードな楽曲が多く収録されており、粗削りながらもその実力の高さを堪能できる名盤です。ちなみにこのアルバムには無名だった頃のL’arc~en~Cielのボーカル・hydeとベース・tetsuyaが参加しています。

ZI:KILL

ジキルは1987年から1994年まで活動した日本のヴィジュアル系ロックバンド。
1980年代から1990年代、ヴィジュアル系(当時はまだV系と表記していなかった)が最も勢いがあった時代の実力派のロックバンドがZI:KILL。ザ・キュアーやコクトーツインズなどのいわゆるポジティブパンクの影響を受けたヴィジュアルとダークネスなサウンド。ボーカル・Tuskの存在感は圧倒的で、彼の独特な歌詞と歌声は唯一無二の存在でした。メイクは完璧、楽曲はおまけみたいなお遊び半分なバンドが多い中、彼らの楽曲は生々しく人間らしい感情が詰まった、明らかに他とは一線を画してました。
今回おすすめするのは2枚目のアルバム「CLOSE DANCE」。1枚目のアルバム「真世界」ですでにZI:KILLの世界観が完成してるのですが、2枚目は更に洗練されて勢いが加わっています。ちなみにジャケットは楠本まき作、当時のV系ファンのバイブルのような漫画を描かれる方です。それも当時のファンがこのアルバムを愛している要素の一つです。

一風堂

一風堂は1979年~1984年まで活躍したロックバンド、ニューウェーブバンドです。
一風堂が世に出てきた時代はまだヴィジュアル系という言葉がなかった頃。細身の体にメイク、差別的な呼び方をしている者も少なくありませんでした。
しかし名曲”すみれ September Love”がヒット。あの曲調を歌いあげる甘い歌声は一風堂ならではのものであります。この曲を歌うならあのルックスじゃないと、と言わせる程のバンドになったのはある意味革命的なことでした。その後、”すみれ September Love”を歌ったIZAMもヴィジュアル系メイクで時の人になったのも、この曲のイメージがあったからだと思います。
後にも先にも大ヒットしたのは”すみれ September Love”だけでしたが、「ESSENCE: THE BEST OF IPPU-DO / 一風堂」というアルバムを聴いてみましたが、とにかく音の良さに驚きました。音を聴いているだけで当時の音楽を思い出せるアルバム、当時はヴィジュアル系ロックバンドとはよばれていませんでしたが、おすすめの一枚です。

Raphael

ラファエルは1997年に結成、何度か活動再開をはさみつつ2016年に解散したヴィジュアル系ロックバンドです、
既に解散してしまったヴィジュアル系バンドですが、1990年代、ヴィジュアル系ロックバンドは化粧ばかりで狂気じみているという勝手なイメージを変えてくれたのが「ラファエル」でした。バンドのテイストの中にクラシック要素が感じられるお洒落な曲調の中、ボーカルのYUKIの伸びやかな声がマッチし、ヴィジュアルバンドの概念は一新されました。
おすすめしたいアルバムは「不滅華 [ Raphael ]」、”花咲く命ある限り”や”Evergreen”など、初期の代表曲が収録されています。青年のようなどことなく不安定な曲・歌詞に、同世代を生きていた当時の10.20代はシンパシーを感じたものです。”Evergreen”の真っすぐな歌詞と歌声は、正に青春の一曲。20年たって今でも出だしの元気で爽やかなイントロをありありと思い出すことができます。

THE KIDDIE

キディは2007年から2015年まで活動していた日本のヴィジュアル系ロックバンド。
The kiddieはその名前の通り比較的ポップ寄りな雰囲気の楽曲を多くリリースしていましたが、今回おすすめしたいラストアルバムである「DYSTOPIA」はヴィジュアル系の真骨頂を感じる出来を感じました。このアルバムが最後になり、活動時期の長さの割にはリリースした曲はそこまで多くはありません。しかし、どの曲を聴いてみてもキャッチャーで聞きやすく癖はない万人受けするバンドです。
元々キディの発祥がヴィジュアル系というよりはJPOPに近い曲調、衣装やメイクも派手ではないので一般受けな雰囲気があるでしょう。Vロックから想像できるゴリゴリのハードロック調が好きな方には少々物足りないかもしれません。基本的にバンドはボーカルが目立つのですが、このバンドに関してはドラムのユウダイが支えているといっても過言ではありません。演奏においても、それを発揮しているのでドラムをぜひ聴いてみてください。

indiesmate

IndiesMateはインディーズバンドのための音楽専門サイト。当サイトでは、アーティストの無料記事掲載を行っています。音楽リスナーの方はもちろん、アーティストやレーベルの方も是非ご覧ください。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着