【レポート】<hide presents MIX L
EMONeD JELLY>、26組のアーティスト
がhideに想いを届ける

2017年8月5日(土)、東京 新木場STUDIO COASTにて、<hide presents MIX LEMONeD JELLY 2017>(以下MLJ)が開催された。
<hide presents MIX LEMONeD JELLY 2017>(以下MLJ)とは、まだ日本にフェスという言葉がなかった1990年代に「楽しいこと、面白いものをたくさん集めて、お祭りをやろう」とhideが発案して始めたイベントである。今年も彼のその精神を受け継ぎ、共鳴したアーティストが集結して盛大なお祭りとなった。会場には、RIGHT STAGE、LEFT STAGE、BLUE SKY STAGE、ISLAND STAGEという名前のステージが4つ設けられており、BLUE SKY STAGEはその名の通り野外、ISLAND STAGEはDJ中心のステージとなっている。その他、フェスには欠かせないグッズ売り場やhideの曲名をつけたカクテルやフードを販売している屋台等が並び、会場に華やかな雰囲気を添えている。
RIGHT STAGEの開演時間少し前に、ステージの幕に1997年の<MLJ>時のhideの姿が投影され、そのhideにナビゲートされるようにこの日の出演バンドの写真が次々と映し出されていく。映像が終わった瞬間、幕が落ち「おはようございます! いくぞ!」というTAKAの声でdefspiralのステージが始まった。昨年の<MLJ>ではトリを飾った彼らが、今年はトップバッター。曲は、hideの「ROCKET DIVE」。hideのイベントには常連の彼らだけに、カヴァーというよりも自分たちのレパートリーのように自然と演奏している。エッジの効いた大人のロック連発に、会場に入ってきたばかりの人たちの拳も振り上げさせるパワーは、さすがだ。
RIGHT STAGE とLEFT STAGEは、交互にライヴが行われる。まずLEFT STAGEには、全員が宇宙服に身を包んだSPEED OF LIGHTSが登場。途中でhide with Spread BeaverのKIYOSHIが飛び入りして観客を盛り上げる。そして、RIGHT STAGEに登場したのは、ニューロティカ。はじけるようなパンキッシュな演奏を連発し、ラストの「絶体絶命のピンチに尻尾を高く上げろ」では、恒例の掛け合いでファンを喜ばせた。「普通のバンドだったらここからライヴが始まるんだけど、jealkbのライヴはMCから始めさせていただきます」と言ってLEFT STAGEに登場したのは日本一腰の低いヴィジュアル系バンドjealkb。彼らは硬派で激しい楽曲をプレイしたが、さすがにお客さんをひきこむ力はピカイチ。一番うしろの観客まで巻き込んで、会場を揺らしていた。
RIGHT STAGE のLM.Cは2人お揃いのスタイリッシュな衣装で登場し、観客にヘドバンをあおりながら激しい曲を立て続けに演奏。代わってLEFT STAGEのAldiousは、テクニカルな演奏で観客を圧倒した。RIGHT STAGE には今年ソロ活動20周年を迎えるJも登場し、ちょうど20年前に開催された<MLJ>の思い出を語りながら、ストレートで飾り気ないロックを炸裂させた。大門弥生は、ギターを弾きながら歌うスタイルでhideのメドレーなどを披露した。実際にhideとセッションをしたり、イベントに出演してもらった経験もある筋肉少女帯は、代表曲「イワンのバカ」「日本印度化計画」「踊るダメ人間」を演奏。「hideさんに習って、ギタリストだけど1曲歌います」といって、橘高文彦が「小さな恋のメロディ」を歌いステージを下りた。
LEFT STAGEの最後を飾るのは、ミクスチャーロックを牽引し続ける山嵐。かつてhide MUSEUMのCAFÉ Le PSYENCEに出演経験があることから、このイベントに出演することになったという。楽器隊の轟音と激しいラップが、会場の空間をねじふせていく。ラストは「熱い音楽の絵を描いていきましょう」と地元愛あふれる「湘南未来絵図」でステージを締めくくる。
一方BLUE SKY STAGEではカルメラがトップバッターを務め、ジャジーな雰囲気ながらノリのいい楽曲で観客を沸かせた。続けて名古屋のアイドルグループ、チームしゃちほこもキュートで元気いっぱいの歌声を炎天下に響き渡らせ、exist†traceはクールで激しいサウンドでファンを魅了した。hide with Spread Beaverのキーボーディストとして、hideとゆかりの深いDIE率いるKISS THE WoRLDのステージでは、中盤でdefspiralのメンバーが飛び入りして「ROCKET DIVE」で観客を盛り上げた。
GREMLINSのHitsは「僕自身もギターと出会う、音楽と出会うきっかけがhideさんだったので、今日、出られてとても嬉しいです」と語り、ノリのいいダンサブルな楽曲を披露した。MAGUMI AND THE BREATHLESSは独特の世界観で、見る物を圧倒。カルメラのホーンセクションも参加して、よりいっそう華やかなステージを見せた。そしてSTARMARIEがお人形のような愛らしいパフォーマンスを見せたかと思うと、heidi.は和テイストのギターサウンドで夏らしさを演出。
BLUE SKY STAGE のトリを飾ったDaizyStripperは、メンバー全員がhideのコスプレで登場し、まゆとなおのギタリスト2人はギターもhideモデルのものを携えhideへの愛を前面に打ち出した。最後に歌った「letter」はhideへの想いを書いた曲で、心をこめて歌い上げた夕霧は、想いが届いたかを確認するように空を見上げて、「hideさんに出会えた俺たちは、最高に幸せ者だ!」と叫び、ステージを下りた。
ISLAND STAGEではhideのイベントではおなじみの桃知みなみ、DJダイノジ、DJ HIROAKI ASAIが登場し、Kiyoshiはアコースティックギターで「限界破裂」「DOUBT」を歌った後、ゲストにTAKA(defspiral)を呼び入れてしっとりと「FLAME」を歌い上げた。DJ INAは45分間ノンストップのhideメドレーで、中盤からはお客さんをステージの上に呼んで踊らせたり、元ヴィジュアル系バンドのミュージシャンという変わった経歴を持つ落語家、桂りょうばは古典落語の人情噺「しじみ売り」を披露。Island stageは、DJあり、トークあり、ライヴあり、落語ありと、バラエティに富んだステージだった。
4つのステージがすべて終わり、この日のイベントのトリはRIGHT STAGEのZEPPET STORE。hideに見いだされて、LEMONedレーベル発足のきっかけとなったバンドである。「hideさんに愛されて愛されまくったZEPPET STOREですが、今年もステージに立たせていただいて感謝しています。完成品は間に合わなかったけど、hideさんに届くように歌います」といって演奏された「ROSE」を、観客はじっくりと聞き入っていた。すべてのステージが終わった後、MCの浅井博章が登場し、再び出演者をステージに呼び込む。ラストは、全員で「ROCKET DIVE」を演奏して、この日のイベントは幕を閉じた。hideもこの日の<MLJ>の楽しくて自由な空気を見て、きっと空の上から目を細めていただろう。「hide」というひとつのキーワードだけで、多くのアーティストとファンが集まるエネルギッシュでクリエイティブなこのイベントは、これからも多くの人を楽しませ続けてくれるに違いない。
記事◎大島暁美
写真◎nonfix creative(大武 紘明 齋藤 正 宮崎 慎之輔 高澤 哲平 中村 義昭)
提供◎hide presents MIX LEMONeD JELLY 2017 / HEADWAX ORGANIZATION CO.,LTD.

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