フー・ファイターズの歴代アルバムを
“ジャケ弁”と共に紹介 - CDジャケ
ットが弁当に!?

音楽ファンの間で、アルバムジャケットを弁当によって再現した、通称“ジャケ弁”が話題になっていることを知っている?中でも“ジャケ弁職人”オバッチが作る弁当は、注目の的だ。印刷関係のデザイナーをしながら、公式サイト「オバッチのJacket Lunch Box」やSNS配信を続けるオバッチ。料理の腕は”人並み”だが、創意工夫を凝らした作品は、愛情たっぷりで温かみのあるものが多い。
今回は、そんなオバッチの“ジャケ弁”から、「サマーソニック 2017」にヘッドライナーとして出演したロックバンド、フー・ファイターズのアルバムジャケットをモチーフにした“ジャケ弁”の数々を紹介する。
フー・ファイターズ(Foo Fighters)は、伝説的ロックバンド、ニルヴァーナのボーカル/ギターであったカート・コバーンの死後、そのドラマーとして在籍していたデイヴ・グロールによって1995年に結成されたアメリカのロックバンド。これまでに8枚のアルバムをリリース、グラミー賞を11回受賞している。
2017年8月19日(土)・8月20日(日)に開催された音楽フェス「サマーソニック 2017」にはヘッドライナーとして出演して会場を盛り上げた。”ジャケ弁”は、これに合わせたもので、フー・ファイターズがこれまでにリリースしたアルバム8枚にベスト盤を加えた全9タイトルが期間限定のスペシャルプライスにて発売中だ。本記事では、9タイトルすべての“ジャケ弁”を取り上げる。
音楽好きで手先が器用だというオバッチの作る“ジャケ弁”は、そのクオリティや熱意のためにインターネットなどで話題となっている。CDジャケットと同じ正方形の弁当箱に、ご飯を平らに敷き詰めることが基本。そこに、海苔やかまぼこ、梅肉など様々な食材を切り抜いたものを配置して制作されている。
「フー・ファイターズ」は、1995年に発表されたフー・ファイターズのデビュー作。カートの死とニルヴァーナの悲劇的な幕切れから、デイヴ・グロールの去就を世界中のロック・ファンが注目する中、デイヴが書き溜めていた楽曲を元にほぼ一人で制作されたアルバムだ。
「フー・ファイターズ」の“ジャケ弁”には、炊き込みご飯を使用して、アルバム全体のセピア風カラーを表現。その上に、一晩味噌につけたカマボコを銃の形にカットして配置。さらに、同じく銃型にカットした焼き海苔を重ね、すりごまを振り掛けた。アルバムのタイトルの文字も、焼き海苔で描き、ファーストアルバムそっくりな姿を作り出している。
1997年リリースの「ザ・カラー・アンド・ザ・シェイプ」では、ヘヴィでパンキッシュなサウンドとポップなメロディが両立した、その後のフー・ファイターズを感じさせるサウンドを聴くことができる。ロック・アンセム「モンキー・レンチ」、永遠の名曲「エヴァーロング」、ライヴの定番「マイ・ヒーロー」など名曲揃いの2ndアルバムだ。
「ザ・カラー・アンド・ザ・シェイプ」をモチーフにした“ジャケ弁”では、白米の上に焼き海苔を敷き詰め、その上に半分に切った大小異なるサイズのうずらの煮卵を並べ、印象的な球体のモチーフを再現した。また、球体同士をつなぐ直線的なラインには、ゆでた蕎麦を用いて。真っ赤な「Foo Fighters」も、パプリカを切り抜き見事に弁当の上で蘇っている。
グラミーを初受賞した3rdアルバム「ゼア・イズ・ナッシング・レフト・トゥ・ルーズ」。2ndアルバム制作中に脱退したドラムのウィリアム・ゴールドスミスの後、新たなドラマーとしてテイラー・ホーキンスを迎え作られた。テイラーのダイナミックなドラムが、バンドによりパワフルで破壊的なサウンドをもたらしている。
「ゼア・イズ・ナッシング・レフト・トゥ・ルーズ」の“ジャケ弁”は、ご飯の上に四角く切り抜いた海苔で枠を作り、とろろ昆布を敷き詰めた。男性のシルエットは、はんぺんと焼き海苔を使って描き、とろろ昆布を再び使って陰影をつけた。さらに、肌の質感を出すために、すりごまもプラス。デビューアルバム「Foo Fighters」同様に、最後は焼き海苔でロゴを表現した。
2002年リリースの「ワン・バイ・ワン」は、新ギタリスト、クリス・シフレットを迎えてツアーとレコーディングを進める中、解散の危機ともなるバンド内の衝突を乗り越えて作られたアルバムだ。わずかな制作期間で一気に作られたこの作品は、この時点でバンドの最大のヒット作となった。ライヴ感に溢れたサウンド・プロダクションが特徴で、衝突と和解を経て育まれた、バンドの精神的な結束とタイトな演奏を聴くことができる。
「ワン・バイ・ワン」の印象的なハートモチーフは、焼き海苔とカマボコを使って表現。正方形に敷き詰めたごはんの上に、左右均等でないいびつなラインまで見事に再現した、ハート型の焼き海苔をのせた。さらに、ギザギザにカットしたカマボコをのせて、アイコンマークを描き出す。海苔と赤いパプリカで作ったロゴを乗せれば完成。
3年のブランクを経て2005年にリリースされた「イン・ユア・オナー」は、アコースティックとエレクトリックの2枚のアルバムからなる大作で、全米最高位2位を記録した。Disc-1はバンド・メンバーによるパワフルな演奏が収録されており、デイヴ・グロールのシンガー・ソングライターとしての資質が光るDisc-2には、ノラ・ジョーンズ(Vo)、レッド・ツェッペリンのジョン=ポール・ジョーンズ(b)などがゲスト参加し、ナイーブでアコースティックなサウンドが披露されている。
「イン・ユア・オナー」の”ジャケ弁”は、野菜も取り入れ、これまでに比べて多くの具材が使われている。ジャケット中央に向かって伸びる斜線は、茹でたキャベツを細かくカットして表現。「Foo Fighters」のロゴが光るエンブレムは、通常のものと一晩味噌に漬けたものの2種類のカマボコ、そして焼き海苔を使って描き出した。上にのった白い花々は、白身のみを焼いたスクランブル状の卵で花びらを、そして水菜を使って青々とした茎や葉を再現している。
前作での試みを踏襲し、ハード&アコースティックの融合をより突き詰めた「エコーズ、サイレンス、ペイシェンス・アンド・グレイス」。ドラマティックかつヘヴィなサウンドに仕上げ、さらにカーキ・キングのギターをフィーチャーすることで、3度目のグラミー賞「最優秀ロック・アルバム」を受賞するに至ったアルバムだ。
「エコーズ、サイレンス、ペイシェンス・アンド・グレイス」の“ジャケ弁”は炊き込みご飯を使用し、カットした焼き海苔と水で戻した生春巻きの皮をカットして、ジャケット中央のモチーフを再現した。バンド名とアルバムタイトルの文字も同じく焼き海苔で配置、「&」の部分は梅肉で描いている。
ニルヴァーナ『ネヴァーマインド』で組んだブッチ・ヴィグと再びコラボレーションし、アナログ・レコーディングにこだわった「ウェイスティング・ライト」。前作でゲストに迎えたパット・スメアを再び正式メンバーとして迎え入れ、ポップな音を目指したアルバムだ。
「ウェイスティング・ライト」の“ジャケ弁”はご飯の上に焼き海苔を敷き詰め、メンバーのイラストはカットしたパプリカや青梗菜の茎、ナスの漬物の汁に入れて水色にしたカマボコで描いた。梅肉を塗ってグラデーションを作り、文字の形にカットしたパプリカを配置して完成だ。
シカゴ・オースティン・ナッシュヴィル・ロサンゼルス・シアトル・ニューオリンズ・ニューヨーク・ワシントンDCの8都市の歴史的なスタジオを訪ねてその場で曲を書き、それぞれのスタジオでレコーディングを決行した「ソニック・ハイウェイズ」。まさに、アメリカ音楽への愛に満ちた作品と言える。
各都市のアイコニックな場所を凝縮したジャケットは、建物をカマボコと焼き海苔で再現。ご飯にとろろ昆布と梅肉を塗り、最後にゆかりふりかけをふりかけている。
フー・ファイターズ初にして、唯一のベスト盤である「グレイテスト・ヒッツ」。1995年のデビュー作『フォー・ファイターズ』から2007年の『エコーズ・サイレンス、ペイシェンス・アンド・グレイス』までの代表曲、そしてライブでの定番曲・人気曲を収録している。
「グレイテスト・ヒッツ」の“ジャケ弁”は、ご飯の上にとろろ昆布を敷き詰め、真ん中のラインは細く切った焼き海苔を配置。中央に丸くカットしたカマボコを、さらに梅肉を塗る。細く切った焼き海苔を梅肉の上に置き縁取る。アルバム名とバンド名は、カットした焼き海苔で描いた。その後、周りにマヨネーズを点々と塗っていき、最後は梅肉の上に「FF」ロゴの形にカットしたカマボコを。その上から同じ形の焼き海苔をあしらって完成だ。
2017年9月15日(金)に発売された、待望のニュー・アルバム「コンクリート・アンド・ゴールド」。シーアやアデルの大ヒット曲で知られるグレッグ・カ―スティンをプロデュースに迎え、エンジニアにはベックやレディオヘッドを手掛けるダレル・ソープを起用した、9枚目のオリジナル・アルバムだ。バンド史上最もラウドで、最も美しい作品に仕上がっている。
「コンクリート・アンド・ゴールド」の“ジャケ弁”は、まずご飯と海苔を使い、DAVE、NATE、TAYLORなど6人のメンバーのおにぎりを作り、敷き詰める。その上から海苔をのせて、さらに白ゴマペーストと黒がまペーストを混ぜあわせてかけることで、ジャケットのダークグレーの背景を表現。仕上げのロゴは、かまぼこと食用金箔で作り上げた。
■期間限定スペシャルプライス盤
発売日:2017年7月26日(水)
・フー・ファイターズ 1,800円+税
・ザ・カラー・アンド・ザ・シェイプ 1,800+税
・ゼア・イズ・ナッシング・レフト・トゥ・ルーズ 1,800+税
・ワン・バイ・ワン 1,800+税
・イン・ユア・オナー 2,600+税 ※2枚組
・エコーズ、サイレンス、ペイシェンス・アンド・グレイス 1,800+税
・ウェイスティング・ライト 1,800+税
・ソニック・ハイウェイズ 1,800+税
・グレイテスト・ヒッツ 1,800 (税抜)
■ニュー・アルバム「コンクリート・アンド・ゴールド」
発売日:2017年9月15日(金)

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