【コラム】遂に1週間後に迫った<フ
ジロック'17>に向け、Twitterアンケ
ートと共にさらに盛り上がる

<FUJI ROCK FESTIVAL '17>の開催まで、遂にあと1週間となった。これから数日間は、思わず毎日のように天気予報をチェックしてしまう参加者も多いのではないだろうか。今年度もBARKSは、フジロックという日本大最級の音楽フェスのオリジナリティーをさまざまな角度から紐解いてきたが、今回は先日Twitterで募集した「#今年のフジロックで聴きたい曲」「#ライブ以外のフジロックの楽しみ」「#フジロックへのお願い」「#こんなフジロックはヤダwww」というフジロックアンケートの回答も交えながら、年に一度のお祭に向けて更に気分を高めていきたいと思う。
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「#今年のフジロックで聴きたい曲」
先日、レッド・マーキーの最終日深夜<SUNDAY SESSION>のラストを飾るYOUR SONG IS GOOD、Licaxxの2組と、ボードウォーク途中に出現する“木道亭”にBelly Loveの追加出演が発表され、実に多彩な総勢234組ものラインナップが出揃った。そして、7月29日(土)の1日券がソールドアウトとなり、さらに後2日券(土・日)、3日通し券も残り枚数がわずかとなったことがアナウンスされたばかり。まずはこの2日目に登場するアーティストの中から、小沢健二の「ぼくらが旅に出る理由」、そして「we all know this is nothing〜」のイントロが印象的なLCD Soundsystemの「call the police」と、同じくLCD 〜の「New York, I Love You But You're Bringing Me Down」を聴きたいという声がTwitterユーザーから届いた。「New York, I Love You〜」に関しては、“MSG(マディソン・スクエア・ガーデン)でのラストの曲でネット中継見ながら泣いた曲。3.11直後の4月に福島の家で見た時、妙に沁みたのが忘れられない。”という特別な思いも添えて呟かれたナンバーだ。
その他の29日(土)の主なラインナップはと言うと、渋谷系ファンは大注目の小沢健二とコーネリアスの同日出演、加えてくるり10-FEETサンボマスターといった日本のロックシーンに不可欠な面々、さらには注目の米デュオであるザ・レモン・ツイッグス、テクノの美しきカリスマDJニナ・クラヴィッツ、そして2014年にリリースした13年ぶりのオリジナル・アルバム『Syro』が絶賛されたエイフェックス・ツインがヘッドライナーを飾るなどピックアップしていくとキリがない面子が揃っている。
だが初日の28日(金)も、(盛り上がりに欠けている)プレミアムフライデーを平日勤めの方々にもこの機会にぜひ謳歌して欲しいと願うほどのラインナップを誇る。最新アルバム『Humanz』のリリースや<Demon Dayz Festival>の開催など、勢いづいた絶好のタイミングで登場するゴリラズ、今や世界中から愛されるエックス・エックス、グリーン・ステージに登場するRADWIMPS、その実力と巨体を生で拝んでみたいラグンボーン・マン、どれだけレッド・マーキーに深遠な世界を築くか体験したいサンファ。しかもサンファの後は、yahyelやアルカ、さらにはクラークらがレッド・マーキーに登場するというとんでもないミッドナイトが苗場で繰り広げられるのだ。そしてBARKSとしては、初期〜中期のピンク・フロイドの楽曲を再現する無二のトリビュートバンド・原始神母の出演も非常に気になるところ! しかも、そんな彼らがお昼に登場するフィールド・オブ・ヘブンでこの日のトリをつとめるのが、ライだ。コーネリアスやコムアイも観たいと富士祭電子瓦版のインタビュー(参照記事へ)
でも語られたライ、今回はたくさんのオーディエンスを呼びそうだ。この出演者の振り幅の広さはやっぱりフジロックならでは!!……と感慨に浸っていたいが、初日の夜の時間の使い方については、タイムテーブルとにらめっこせざるを得ない。正解はないのだ。一応の計画は立てつつも、当日の自分のセンスに任せるという贅沢な過ごし方を選びたい。
「ビョークの『Hyperballad』を生で聴くという人生の第一目標が達成されるかもしれないと思うとみぞみぞが止まらない」というTwitter投稿も今回寄せられたビョークは、最終日のヘッドライナーをつとめる。しかも、その直前はロードが、そして彼女の直前にはYUKIが登場するという発表時にざわついたタイムテーブルが組まれている。今年のフジロックはこういったニヤリともドキリともさせられるブッキングの妙がたくさん仕掛けられているのがとても面白い。個々人のプレイリスト作成やそのシェアが手軽になった昨今だが、今年のタイムテーブルはフジロックが提案する綿密かつメッセージ性の高いプレイリストとしての色が濃いように感じられる。この上なく贅沢でダイナミックな音楽の楽しみ方が例年に増して可能だ。
そして、フジ出演が初来日となるマギー・ロジャースは、BARKSで先ごろ掲載したSMASHスタッフへのインタビュー(参照記事へ)で、ブッキング担当のジェームス・スミス氏がおすすめしてくれた22歳の米シンガーソングライターの女の子であり、今のうちに目撃しておいて欲しい逸材だ。このラインの歌声が好きな音楽ファンは多いと思うと共に、ナチュラルさとアート性が共存し大物の予感がする。
出演者ラインナップに興奮してばかりではこのコラム原稿が進まないではないかと自責の念を抱きつつ、最終日にレッド・マーキーでDYGLを必ず観るということだけは最後に誓っておきたい。
なお、フジロック公式ファンサイト「FUJIROCKERS.ORG」にて、“【日高代表 緊急インタビュー 前編】開催直前!大将が伝えたい、21年目のフジロック注目ポイント”(参照記事へ)と題したフジロックの産みの親でありSMASH代表の日高氏が今年の出演者等を語るインタビューも公開されている。ダイレクトに主催者の思いを汲むことができ、筆者の場合はアメリカのカントリー・ミュージックのバンド、ウェスタン・キャラバンに俄然興味が湧いた。
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◆ 2ページ目:「#ライブ以外のフジロックの楽しみ」「#フジロックへのお願い」「#こんなフジロックはヤダwww」へ
「#ライブ以外のフジロックの楽しみ」
続いては、Twitterで寄せられた「#ライブ以外のフジロックの楽しみ」をピックアップしていこう。大半の参加者の楽しみになっている思いが、「自然の中で時間を気にせず過ごす開放感」だろう。もちろんフジロックの醍醐味である自然はかけがえのないものだが、“時間を気にしない”でいられること自体がこのご時世は非常に貴重と言えてしまう……そしてフジロックで満喫したいのが、フェス飯の数々だ。「前夜祭で潰れるまで呑んだ次の日の苗場食堂の麦とろごはん」という投稿に頷く人も多いかもしれない。美味しくてボリュームのあるフジロックのごはんは遊び疲れた体を癒やしてくれること間違い無しだ。
「知らん人と仲良くなってお酒飲みたい!あと今年はアーティスト発見したら話しかけるぞ」と意気込む参加者もいるようだが、フジロックでは初めて出会った人も友達になりがち。さらには、「運命の王子様を探して、6年連続参加の35歳」というツワモノさん(!?)もいらっしゃる様子だ。なるほど、フジロックでは人との距離がグッと縮まりやすいのは確かだし、思わず“運命”を信じたくなるような特別な空気が流れている(ような気がする)。
個人的には、ところ天国付近で実施されるアウトドア・シアター「富士映劇」がやっていると「フジにいるんだなぁ」という実感に包まれる。今年の上映作品も先日発表され、プリンスの代表曲『パープル・レイン』(7/28(金)24時頃〜)、フジロック登場9年目を迎える寅さんシリーズより『男はつらいよ 純情篇』(7/29(土)24時頃〜)、そして『THE TIMERS スペシャル・エディション』(7/28(金)23時頃〜)が上映されるという。『THE TIMERS スペシャル・エディション』では、忌野清志郎が率いたバンドTHE TIMERSの1988年の横浜国大&1989年の横浜市大でのライヴを中心とした映像を楽しめるが、元をたどると、メッセージを発信することに萎縮しがちな最近の日本に対して、“ゆゆしき事態”だと考えたフジロックは、今年のアトミック・カフェで「THE TIMERSのように怖れず、自分たちの意見を発信していこう!」という思いを込めてTHE TIMERSへのトリビュート・ライヴを敢行するのだ。バンドの不屈不倒のスピリットをさらに知ってもらうべく今作を上映するというのだから、こういったアトラクションの細部に至っても、20年にわたり自らの信念を表現してきたフジロックの精神性を垣間見ることができる。
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「#フジロックへのお願い」
愛するフェスだからこそ、フジロックに対するリクエストもいくつか寄せられている。「還暦を過ぎた親も今年で17回目の参加です。さすがに今年が最後かも…と20回目を目前にして寂しいことを言うので、シルバーチケットを作るなど、幾つになっても参加できるフジであって欲しいです」という投稿は、その最たる例だろう。また、共感を覚えたのが「折り畳みのはずの椅子を畳まず担いでいる人が居なくなるようにして欲しい☆(歩いてて目に刺さりそうで怖いのです)」というツイートだった。フェスサイドに向けてというよりは、参加者サイドに呼びかけたい内容だが、オーディエンスの大移動中にこれをやられると椅子の先端のことが気が気じゃない。それに、担いでる本人が転んだら大変なことになるよな、という老婆心もつい働いてしまうし……。また、「パノラマと日程が被るのを何とかしてしてほしいです(あちらメンツが豪華すぎるので)」や「あまり『便利』に走り過ぎぬよう」という率直な意見も投稿された。
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「#こんなフジロックはヤダwww」
それでは最後に、番外編として「#こんなフジロックはヤダwww」をご紹介したい。「帰りのボードウォークがSASUKE並みにハード。」「旧オレンジコートの人工芝化。かつBBQとたき火はそのまま実施。」……確かにヤダ!  あとは、フジロッカーならクスっと来てしまう投稿が「いまだにThe Musicの人が来る」。実話ではないことを願わずにいられない投稿が「初日なのに、さくらぐみのピザ並んでる時にずっと好きだった人に告白してフラれる人」でした。また、wwwネタというより主張めいたご意見として聞こえるものが、「ヘリノックス厨が邪魔でレッドマーキーの中に入れない」、さらには去年2016年度にSNSを中心に話題にも挙がった「音楽に政治を持ち込めない」であった。
以上、参加するひとりひとりに独自の体験談を与えるフジロックフェスティバルの奥行きを実感せずにはいられない、個性的なツイートの数々が寄せられた。Twitter投稿にご協力いただいた方々、改めて誠にありがとうございました。
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いよいよ、21回目のフジロックが来週7月28日(金)〜30日(日)に開催される。今まで観たことのない景色や聴いたことのなかった音楽体験がまた味わえるのかと思うと、今年もこの上ない期待を寄せてしまう。冒頭にも述べたように、開催が迫りチケットの動きも急速になっているようなのでぜひ早めにチェックして欲しい。
文=堺 涼子(BARKS)
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<FUJI ROCK FESTIVAL'17>
2017年7月28日(金)29日(土)30日(日) 新潟県 湯沢町 苗場スキー場
9:00 開場/11:00 開演/23:00 終演予定
総合問い合わせ/オフィシャルサイト:http://www.fujirockfestival.com
※入場券は販売時期によって料金が変わります。
※中学生以下は保護者同伴に限り入場無料となります。
※チケット料金、販売スケジュールにつきましてはオフィシャルサイトをご覧ください。

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