【ライヴレポ】LAID BACK OCEAN、6度
目となる海の日限定ライヴ開催!待望
の1stアルバムリリース&YAFUMIの舞
台出演を発表!!

3月からスタートした期間限定パンクバンド・PUNK BACK OCEAN(以下、PBO)のツアーでは、振り切った姿を見せ、自身のルーツでもあるパンクと真っ向勝負した姿を見せてくれたLAID BACK OCEAN(以下、LBO)。そこで得た経験を落とし込むために「RE:SOUZOU PROJECT2」の第3弾では出来上がっていた音源を全て白紙に戻した上に、アイデンティティーでもあるピアノロックとも決別。次のステップに注目が集まる中、ボーカル・YAFUMIの死をも演出とし、これまでのLBOにさよならを告げたような衝撃作『告別』をリリース。1曲目に収録された「Mr. Good Morning」では、パンクでもピアノロックでもない、新たなLAID BACK OCEANの誕生を高らかに宣言し、多くのファンから拍手で迎えられたことは記憶に新しい。
今回、新作の発売を記念して行われた『RE:SOUZOU 2 Tour』は全国各地で大きな反響を呼び、ツアーファイナルとして6度目を迎えた海の日限定ライヴ『海のヒィィィィィィ2017』が行われた東京・原宿ASTROHALLは満員御礼状態となった。
オープニングSEが流れる中メンバーが登場すると、会場は一気にヒートアップ!なんとJELLY→の 「7 SECONDS TIME BOMB」からライヴはスタートした。が、一音出た瞬間、頭の中を「???」が駆け巡る。“これってLBOのライヴだよな?”、そう確認せざるをえないほど、バンドの音が今までと違い、太く、強く、クリアだ。そのサウンドに、彼らが本来持っているプリミティブな衝動がそのまま加わり、こちらに向かって来るさまは、さながら音の格闘技。今までのシアトリカルで、完成された演劇を見せてくれていたようなステージングとは、全くの別物だ。
YAFUMIもそれを察知したかのようにMCで畳み掛ける。「よく来たな!海の日行けるのか?お前らの導火線に火をつけに来たからな。早い話がロックバンドだよ。早い話がお前たちのロックバンドだよ!」。観客の熱を一気に高めるようなMCで会場はますますヒートアップ。そのままの勢いで、「PUNK」、「たましい売りの少年」、「FIRE ARROW」と畳み掛ける。「映画観ているんじゃねーぞ!ぶちかます準備は出来ているか!」、客を煽るYAFUMIのMCもいつも以上の迫力だ。
それにしても、ここ数年のライヴの中で、ここまでアグレッシブで超攻撃型な彼らの姿を見たことはあっただろうか。PBOのライヴでも、確かに攻め込む彼らの姿は確認出来たが、誤解を恐れずに言えば、バンドとしてはここまでの一体感はなかったかもしれない。ただ、今のこの姿、これこそが彼らが持つ本来の姿だということは間違いがない。短い間ではあったが、PBOでの活動を経たことにより、彼らは失っていた何かを取り戻し、その本能を魂の感じるままに解き放つ術を手に入れたのだろう。YAFUMIのパフォーマンスも、今まで以上に危険な香りを漂わせ、ロックバンドのフロントマンがだけが持つ刹那性を強く感じさせる。と、同時に時折見せる少年のような笑顔。このギャップも彼の魅力だ。
だからと言って、今のLBOが昔のファンを置き去りにしているわけではない。「イマワノ_ラヴ」では、恒例のビーチマットによるパフォーマンス(※ビーチ用のエアーマットにダイブし、ファンの支えのもと客席を一周する)も忘れない。ただ、今日YAFUMIがドリンクカウンターからステージに持ち帰ったのはなんとクレープ!原宿という場所にちなんだ遊び心で、客席を一気に緊張から解きほぐし、暖かい空気と笑顔を作り出す。 続く「TOKYO -no turning back now-」では、観客から自然と手が上がり、ここまでで一番の一体感を見せてくれた。スローな曲で、このような空気感を作り出せるもの、今の彼らの強みなのだろう。
終盤では「ザザエさんのうた(シャ○中バージョン)」、JELLY→の「アロワナ」、PBOの「王と玉」、LBOの「サーチライト」とファンには嬉しい曲が続く。そして、本編の最後を飾るのは、やはり「カップラーメン ジェネレーション」!この曲を演奏し終えた時には、フロアの熱気も最高潮を迎えていた…だが、ここで終わらないのが今のLBOだ。
人間の根源でもある、生と死、そして魂の再生をテーマにした「Mr. Good Morning」。この曲は“志半ばでこの世界から去らなければなかった者たちが、もし一度だけ戻ることができたなら、どのような意識で、どのような生き方をするのだろうか”ということを表現した、今の、そしてこれからのLBOを代表する1曲。
「正解や不正解、出来る、出来ないではなく、その真ん中にあるもの。区別した瞬間に無くなってしまうような、そんなものをロックバンドで表現したい。一回しか生きられなくて何が正解かわからないから、やりたいと感じた事を思い切りやる。今、JELLY→の楽曲をやっている事もそのひとつ。そして、ひとつの正解を求めるのではなく、みんなの、それぞれの正解を見つけて共有していく。そんな旅をこれからも続けていきたい」と語るYAFUMIが、今一番伝えたいメッセージが詰まった楽曲だ。ここでメンバーはこの日一番の鬼気迫るパフォーマンスを見せると、同じく強いメッセージを持った新曲「透明人間」を披露。ここで本編は一度幕を閉じることとなる。ただ、この2曲が入ることにより、セットリストはグッと説得力を増し、この日の最後にパフォ-マンスした「SHINE」が、今までとは全く違う捉え方が出来たのは、新たな発見でもあった。
アンコールでは、海の日にちなんだ「OCEANS’ DAY」も1年ぶりに披露、 結成7年目にして待望の1stアルバムのリリースに向かうこと、9月からYAFUMIが気鋭の劇団に新曲を提供し、ロックバンドのボーカル役として初の舞台に挑戦することも発表、一層輝きを加えた「SHINE」で2時間のライヴを締めくくった。
今まで以上の活躍をファンに約束してくれたLAID BACK OCEAN。彼らと共に人生の答えを探す旅は、ここから始まる。
写真/佐藤祐介 文/篠原友
<セットリスト>
1.7 SECONDS TIME BOMB
2.PUNK
3.たましい売りの少年
4.FIRE ARROW
5.MY STORY
6.左右の夢
7.死体
8.イマワノ_ラヴ
9.TOKYO -no turning back now-
10.何も起こらない日の希望
11.サザエさん(シャ〇中 Ver.) 
12.アロワナ 
13.王と玉
14.サーチライト 
15.カップラーメン ジェネレーション
16.Mr.Good Morning
17.透明人間
-アンコール-
1.Ocean's Day
2.wataridori
3.SHINE

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