洋楽のガレージロックバンド10選 1
980年代の全盛期からリバイバル時代
の名アーティストを紹介

The White Stripes

ガレージロックリバイバルを代表するバンドであり、ガレージロックの範疇を超えて成功を収めたバンド、ザ・ホワイト・ストライプス。1997年、アメリカにて結成、ボーカル・ギター・ドラムという最初構成ながら、ロックンロール・ブルース・カントリーなどに影響を受けたガレージロックを多数世に送り出しました。
ザ・ホワイト・ストライプスの魅力は何かと聞かれれば、「ギターボーカルであるJack Whiteのカリスマ性だ!」と答えます。それだけ、ジャック・ホワイトの存在感は大きいのです。ホワイト・ストライプスのドラムは非常にシンプル。しかし、シンプルなドラムにジャック・ホワイト独特のギタープレイと叫ぶような甲高いボーカルが絡み合うことでホワイト・ストライプスの音楽が唯一無二のものになっています。
おすすめしたいアルバムは4枚目のスタジオアルバム「Elephant」です。このアルバムはグラミー賞を受賞したことで有名ですが、ガレージロックというジャンルが世に認められたことを証明したアルバムです。ザ・ホワイト・ストライプスらしいシンプルかつエモーショナルな音楽が収録されています。おすすめの曲は”Seven Nation Army”。この曲を聴きホワイト・ストライプスの虜になった人は多いはず。
シンプルだからこそ伝わるものがある。それがホワイト・ストライプスの魅力です。

The Strokes

ザ・ストロークスは1999年ニューヨークにて結成された5ピースバンド。先ほど紹介したホワイト・ストライプスと合わせてガレージロックリバイバルを世界に広めた立役者として知られています。
「ストロークスはアメリカ・ニューヨーク出身のバンド」と聞くだけで「おしゃれで洗練されたサウンド」をイメージするのではないでしょうか。確かにその通りですが、ストロークスには独特のけだるさが漂っており、それが何とも言えない魅力を放っています。
ガレージロックは「キッズが家のガレージで鳴らした荒々しいロック」のことを意味しますが、ストロークスの音楽はまさにそれを体現しています。シンプルなのにかっこいい、ロックンロールの魅力をシンプルに伝えている希有なバンドと言っても過言ではありません。
また、バンドアンサンブルもストロークスの魅力の1つです。ボーカル・ギター・ベース・ドラム、各パートの要素が見事に絡み合い、それぞれの役割がよく分かるサウンドがストロークスの魅力です。
そんなストロークスのおすすめのアルバムは1stアルバム「Is This It」。このアルバムは地元アメリカよりも先にイギリスで流行ったことでも知られる最高にかっこいいアルバムです。おすすめの1曲は”Hard to Explain”。1stアルバムらしい初々しさや焦燥感が感じられる1曲です。

Mando Diao

マンドゥ・ディアゴは1995年結成、スウェーデンのガレージロックバンド。
今回、マンドゥ・ディアゴをおすすめする理由は、ビートルズを彷彿とさせるようなクランチの効いたヴォーカルとバックミュージックです。特に”Motown Blood”という楽曲では、敢えてヴォーカルにノイズを被せることでガレージロックの雰囲気を出し、若々しさを前面に出しているのが非常に魅力的。
彼らの「Bring ‘em In」というアルバムをおすすめします。この中に収録されている”P.U.S.A”という曲が特におすすめです。2人のヴォーカルのハーモニーと、メインヴォーカルがたまに音程を外すところがビートルズを彷彿とさせ、雰囲気を醸し出している部分は必聴。全体的にノリノリの音楽なので、いつ聞いても心地よく楽しんで聴けるところも彼らの良さです。

The Vines

ガレージロックといえばThe Vinesです。ザ・ヴァインズは1999年にオーストラリアで結成されました。ガレージロックの他にもグランジやパンク、オルタナの雰囲気を感じることができます。重厚なギターサウンドとフロントマンであるクレイグ・ニコルズのかすれたボーカルは必聴です。
今回おすすめしたいアルバムはファーストアルバム「Highly Evolved」。このアルバムに収録されている楽曲はガレージロックの教科書ともいえるサウンドです。「ダサさ」と「キザ」が共存する王道ロックを聴くことができます。
6曲目”Get Free”では強烈なギターサウンドがイントロから鳴り響き、ボーカルのシャウトがとても心地よく、ロック好きにはたまらない一曲です。8曲目”Factory”にはピアノがアクセントとして加わえられており、そのポップさが特徴的です。しかし、ガレージロックとしての聴きどころも満載なのでご安心を。このアルバムの中では比較的聴きやすい楽曲となっています。
また、このアルバムはファーストアルバムでありながら、非常に高い完成度を誇っています。コンセプトがはっきりしていながら、テンポやメロディーの引き出しが多く、抑揚のあるアルバムといえます。個性の強い楽曲群が一つに連なっており、最初から最後まで聴かせてくれる素晴らしいアルバムです。

The Chocolate Watchband

ザ・チョコレート・ウォッチバンドは1965年にカルフォルニアで結成されたバンド。ジャンルとしてはサイケデリックロックかガレージロックにくくられます。1970年にいったん活動を停止しましたが1999年に復活、現在も活動を続けているガレージロックバンドの中ではかなり大御所のバンドです。ザ・チョコレート・ウォッチバンドをおすすめする理由は、ビートルズのようなテイストの曲調に、爽やかな歌声から魂を揺さぶるシャウトな歌声まで出せるヴォーカルの歌声です。
今回は、彼らの「I’m Not Like Everybody Else」というアルバムをおすすめしたいです。収録曲である”Sweet Young Thing”は、 マラカスとブンブンブブンというベースの音がノリノリで聴いていて楽しく、オープンカーに乗って海辺に向かっているところが想像できるようなイメージの曲です。ヴォーカルも叫び声に近い歌声で、ノリノリ感をさらに醸し出しています。
対して、”No Way Out”という曲では、タンバリンのリズムがノスタルジックな雰囲気を醸し出しており、ヴォーカルも切なさを表すかのように爽やかな歌声で歌っています。このように曲によって歌声を変えるヴォーカルのスタンスとノスタルジックな曲調が彼らの魅力です。

MC5

MC5は1960代に活躍したアメリカ出身のバンド。MC5も一旦は活動を停止しましたが、復活、現在も活動しています。MC5をおすすめする理由は、ツインヴォーカルの息ぴったりの爽やかな歌声とドラムとベースのノリノリなバックミュージック。
彼らの「Babes In Arms」というアルバムが非常におすすめで、この中の”Tonite”という曲をぜひ聴いていただきたいです。途中で入る手拍子と、3連符を多用したリズムがノリノリで聴いていて楽しく、ツインヴォーカルの息ぴったりの歌声がとても爽やかなのがおすすめポイントです。こう見ると、ガレージロックらしくない文面ですが、曲の出来は確実にガレージロックです。
また、同じアルバムの”Tutti Frutti”という楽曲。こちらもおすすめ。韻を踏んだ歌詞と全体的に爽やかでノリノリになれる曲調、いつも聴いていて心地よいです。途中で少し乱れるテンポの感じがノスタルジーを感じさせます。

The Nomads

ザ・ノマズは1981年に結成されたスウェーデンのガレージロックバンド。ガレージパンクバンドとしてカテゴライズされる場合もあるため、パンクが好きな方におすすめできます。
ザ・ノマズは、ガレージロックの中でも明暗ハッキリと表現できる曲調が特徴。彼らは、出身であるスウェーデンのような透明感のある爽やかなテイストの曲調であったり、心の叫びを代弁するかのような音楽を奏でたり、と曲の表情は多彩です。
ザ・ノマズのアルバムの中でも「Solna」というアルバムがおすすめです。この中に収録されている”20000miles”という曲は、ヴォーカルのちょっと低めで力強い声が切なく、そして真剣味を帯びているところがとても印象的。何かしらの心の叫びを一曲に込めている雰囲気が伝わってきて、ドラムとベースの音が心の叫びをより引き立てていることが感じられます。
対して、このアルバムにある”The Bells”はサビでの複数のヴォーカルによる歌声が爽やかで、メロディも全体的に音の高低の差が無いところが魅力的です。

Los Saicos

ロス・サイコスは今回紹介するアーティストの中では珍しいペルーのガレージロックバンド。1964年に結成、現在も活動を続けています。
ロス・サイコスをおすすめする理由は、彼らの出身であるペルーを彷彿とさせるラテンで情熱的なヴォーカルの歌声とガレージロックの曲調の組み合わせ、スペイン語のキャッチーな歌詞です。特に”Besando a otra”という楽曲は、ノンノノンノンというフレーズがキャッチー、途中で入る叫び声がまさにラテンを思わせ、そこにガレージロックの曲調が合わさっているところが聴いていてとても新鮮です。
今回おすすめしたいアルバムは、「¡Demolición! – The Complete Recordings」。このアルバムに入っている”Te amo”という楽曲は、メンバー全員がラテン風に””Te amo””と歌っている部分が聴いていて心地よく、ガレージロックの曲調と上手く溶け込んでいるのがおすすめポイントです。一風変わったガレージロックを聴きたい方におすすめです。

The Shadows of Knight

ザ・シャドウズ・オブ・ナイトは1960年代に活躍したアメリカのガレージロックバンド。ブルースロックを兼ねた音楽を現在まで多数リリースしています。
早すぎた登場、あっという間の解散、メンバーの若さなど、伝説的となっているうえに、そのうえ楽曲のクオリティが非常に高いです。まさにガレージバンドの本質である初期衝動や若さ、ワイルドさ、荒さ、即席感、性急さ、チープさなど、すべてを持っているバンドがシャドウズ・オブ・ナイト。また、アメリカのバンドですが、非常にイギリスっぽさを感じさせます。
おすすめのアルバムは1966年にリリースされた「GLORIA」。この時代から既に後のパンクロックのような演奏をしているというのがまず衝撃的です。もっとたくさん聴きたいという思いになりますが、これでたくさんアルバムを量産していたとしても決して魅力的ではなかったはずです。60年代のオリジナルガレージサウンドを堪能できる1枚となっています。

Kings of Leon

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キングス・オブ・レオンは2000年アメリカにて結成されたガレージロックバンド。オルタナティブロックやサザンロックを兼ねるバンドです。ツインボーカルの爽やかなハーモニーと様々な世界観を醸し出す彼らの奏でるバックミュージックが彼らの特徴。
今回おすすめしたいアルバムは「Holy Roller Novocaine」というアルバム。この中の”California Waiting”という曲が特におすすめです。ギターのサウンドとヴォーカルの歌声が聴いていて心地よく、まるで風を浴びているかのようなイメージの曲調に浸ることができます。
また、このアルバムに収録されている”Molly’s Chambers”は途中で入るタンバリンとギターのサウンドが聴いていて癖になります。ヴォーカルの脱力感のある歌声がこの曲の世界観を醸し出しているところが魅力的です。

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