「グロリアス」のヒットは必然だった!? GLAYの「生きてく強さ」に込められた想いとは

「グロリアス」のヒットは必然だった!? GLAYの「生きてく強さ」に込められた想いとは

「グロリアス」のヒットは必然だった
!? GLAYの「生きてく強さ」に込め
られた想いとは

彼らのブレイクのきっかけとなった曲が、8枚目のシングル「グロリアス」。GLAYはこの曲で初のオリコンチャートトップ10入りを果たした。
メジャーデビューから2年近くが経とうとしていた。GLAYの名前が世に知れ渡るまでには、少し時間がかかった。
「次の『グロリアス』でダメなら北海道に帰ろう。」
当時メンバー間でそんな話も出ていたと言う。
この「グロリアス」の一つ前に発表された7枚目のシングルが「生きてく強さ」という楽曲だ。この曲は2011年の東日本大震災の時など、人々を勇気づける楽曲であることから、今もなおライブで頻繁に演奏されている、GLAYの人気楽曲の一つだ。
この歌詞には当時の彼らの想いが非常に真っ直ぐ描かれている。
北海道から上京して、仕事をしながら音楽活動をして。メジャーデビューできたものの、なかなか芽が出ない。このままGLAYを続けていってもいいのだろうか。不安と焦り。
“心の全部深く沈む この街”とは大都会東京のことだろう。
でも彼らは諦めなかった。努力は実ると自分達を信じたのだ。努力が実ったら、GLAYがブレイクしたら、もう迷わない。ここ東京でGLAYの4人で音楽で飯を食っていくんだ、と。
歌詞の“やさしさつかまえて”の“やさしさ”とは“チャンス”のことではないだろうか。前向きな心さえあれば、どんな時だって、さりげなくチャンスをつかまえられるよ、と。
ファンだけでなく、当時のGLAY自身もこの曲に励まされたに違いない。ファンへ向けてだけではなく、当時の不安と焦りでいっぱいだった自分達に言い聞かせるような想いで、TAKUROはこの歌詞を書いたのではないだろうか。
この時の彼らはまだ知らない。次の「グロリアス」という曲でGLAYが栄光と言う名の階段を登り始めることを。だが、この「生きてく強さ」のラストの歌詞を見ると、「グロリアス」のヒットは時代が味方をしたわけでも、何かの偶然でもなく、8作目にしてGLAYの努力がやっと実り、チャンスをつかんだ、必然的なことだったのではないかと思うのだ。
「生きてく強さ」から「グロリアス」のヒットへ繋がるドラマがここにある。
このラストの歌詞の“あなた”とはチャンスをつかみ、栄光という名の階段を駆け上がって行く自分達のことなのではないだろうか。“迎えに行く。”という前向きな強い意志が、次作の「グロリアス」で、まさにタイトル通りの栄光ある輝かしいヒットを生み出したのだ。
不安や焦りで、GLAYを続けるか迷っていた頃の自分達にはもう戻らない。
今、輝かしい未来にいる自分達を迎えに行くんだ、と。
そしてGLAYの名が世に知れ渡ることとなった「グロリアス」の歌詞には、GLAYの眩しすぎるようなバンドストーリーが、愛しい青春時代を振り返るような形で描かれている。
ラストの歌詞は、「俺達は命ある限りGLAYを続けるよ、GLAYを愛してくれるファンのみんなの人生を明るく彩るためにね!」
そんな風に言っている気がしてならない。
「生きてく強さ」で自分達の力を信じ、必ずGLAYで成功してみせると誓い、「グロリアス」でGLAYというバンドを続けていく覚悟を決めたのではないだろうか。
彼らはGLAYというバンドに人生を賭け、時に挫折を味わい、喜びを分かち合い、音楽界に数々の記録を残し、また幾つもの困難を乗り越え、日本を代表するロックバンドに成長した。
私がヴィジュアル系というジャンルを好きになったきっかけもGLAYだった。
彼らの当時の楽曲を聴くと、今でもその当時の懐かしい思い出や、悩んでいた事まで、一気に蘇ってくる。
当時まだ小学生だった私はGLAYの楽曲に、TAKUROの紡ぐ歌詞に、色んなことを教わり、たくさんの元気や勇気をもらった。社会人になった今でも、そしてこれからも、GLAYの楽曲は永遠に私のバイブルだ。
90年代後半から2000年代にかけ、GLAYと共に音楽シーンを彩った多くのバンドが解散していった。当時TAKUROが、あるインタビューで「ロックバンドが生きにくい時代になった。仲間が解散していくのは心細い。」と語っていたのを今でもよく覚えている。それでもGLAYは解散することも、活動休止をすることもなく、GLAYを続けることを選んだ。

彼らの「生きてく強さ」とは「GLAYを続けていくこと」なのだろう。
先日リーダーのTAKUROが46歳の誕生日を迎え、メンバーやスタッフから愛の込もった感謝状を送られているのを見て、昔と変わらない茶目っ気たっぷりなメンバーの演出に、4人の絆の強さと、バンドに対する愛を改めて感じた。
GLAYはきっとこれからも私たちファンを魅了させてやまない、勢力的な活躍を見せてくれるに違いない。

アーティスト

UtaTen

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