【MAN WITH A MISSION】『DON’T FE
EL THE DISTANCE ～8ヶ所だヨ！全員
集合　ONE MAN TOUR～』2012年5月27
日 at SHIBUYA-AX

　揺れに揺れた。会場そのものが弾み続けるくらいタテにヨコに揺れ続けた。オオカミたちの“ガウガウ”の叫びが歌になって、音になって響き渡る、ミュージック・パーティー。ますます精悍さに磨きがかかり、メジャーデビュー１年にして早くも風格を漂わせていた5匹のオオカミたち（と、サポートの仮面男）。
　映像こそユーモアのセンスに満ちあふれた（今回は、“慰安ミッション”と題し、富士河口湖での爆笑ムービー）ものだったが、この日のステージで見せ付けた重量級のスケールアップ＆ビルドアップぶりからは、“ロックバンド、ライヴバンドとしての神髄”が怒濤の勢いをもって大炸裂！
　そして、その妖しく光る瞳と研ぎ澄まされた鋭い牙の攻撃性とは裏腹のハートウォームで真摯なメッセージは、放たれた瞬間に全てのオーディエンスの心を時に強く射抜き、時に柔らかく包み込んでいった。興味深いのは、そのエンターテインメント性も強いビジュアルに、実は彼らはほとんど何も背負わせていないのではないか？（もちろん、良い意味で）ということ。そもそもこれが究極の生命体の素の姿だから…という点はさておき、険しいケモノ道を堂々たる王道まで切り開いてMWAMの音世界をただひたすらに歌い鳴らしている強靭なパフォーマンス、そればかりが、もう深く心に焼き付いていた…それは確か、だから。その、凄まじいまでの求心力。そして、繊細かつ壮大な世界観。余韻のその果てまで心が踊り続けた、一夜。まさに至福の音楽時空間。この体感は、間違いなくここでしか味わえない。