【ASIAN KUNG-FU GENERATION】『BES
T HIT AKG』2012年2月23日 at 日本武
道館

撮影:TEPPEI/取材:高木智史

 結成から16年。日本のロックシーンを牽引し続けるアジカンの強さ、彼らが音楽を鳴らすことの重さを感じ、それでいて文句なしに楽しいと言える濃密なアクトが繰り広げられた。1曲目「迷子犬と雨のビート」で開始早々、会場をファンのクラップで満たすと序盤の9曲はわずかなMCを挟むのみのほぼノンストップ状態。1曲毎にギアが上がるように強靭なバンドサウンドも、オーディエンスの熱気も、高まっていく。これまで何度もライヴで披露してきた楽曲は完成されていながらも、この先もまだまだ力を帯びていくような勢いを放っていた。MCでは後藤正文(Vo&Gu)がまず物販で行なっている震災支援を告知し、“震災当初は音楽をやることをはばかられる時もあったけど、いろんなかたちでここにいる音楽が好きな人からエネルギーを送っていきたい”と語り、終盤では、“たまに雑誌とかに、才能があるかどうか分からない“普通の人たち”のバンドが大きいステージでライヴをしてるって書かれるんだけど、腹立つんだよね。才能があるからやってんだっての!”といつものゴッチ節で会場を沸かせる。今の時代への真摯な態度を見せながらも、笑いも起こし、楽曲では圧倒的なバンド力を示す…全てがアジカンが今、音楽活動を続ける意味を証明しているようだった。そして、アンコールはさらに圧巻。想定外の2度目のアンコールではカンカン照りの真夏のフェスのような開放感すさまじい熱さを「遥か彼方」で起こし、「羅針盤」の衝動みなぎるまま終了。日常の生活では生み出せないエネルギーが音楽では起こせると改めて知らされたライヴだった。

セットリスト

  1. 迷子犬と雨のビート
  2. Re:Re:
  3. アンダースタンド
  4. 君の街まで
  5. 夜のコール
  6. アフターダーク
  7. 或る街の群青
  8. ブラックアウト
  9. サイレン
  10. ソラニン
  11. 月光
  12. マーチングバンド
  13. 惑星
  14. 融雪
  15. 藤沢ルーザー
  16. リライト
  17. ループ&ループ
  18. 君という花
  19. さよならロストジェネレイション
  20. 転がる岩、君に朝が降る
  21. 海岸通り
  22. 踵で愛を打ち鳴らせ
  23. 真冬のダンス
  24. ワールド ワールド ワールド
  25. ~新しい世界
  26. 遥か彼方
  27. 羅針盤
ASIAN KUNG-FU GENERATION プロフィール

アジアン・カンフー・ジェネレーション: 1996年に関東学院大学の音楽サークルで結成されたロックバンドで、愛称は“アジカン”。2002年にミ二アルバム『崩壊アンプリファー』が話題を呼び、03年にキューンレコードよりメジャーデビューを果たす。以降、精力的に作品を発表し続けている。音源のリリース、ツアー、主催イベント『NANO-MUGEN FES.』と精力的に活動を展開。これまで多くの作品がタイアップに起用され、21年には劇場版『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』の主題歌、挿入歌を手掛け話題となった。同年、結成25周年を迎え、22年3月に10枚目となるアルバム『プラネットフォークス』をリリースし、全国ツアーを開催する。ASIAN KUNG-FU GENERATION オフィシャルHP

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着