【Plastic Tree】『Plastic Tree 「
ゆくプラ くるプラ」振替公演「ゆく
プラ きたプラ」』2011年6月22日 at
TOKYO DOME CITY HALL

取材:ジャガー

始まりはとても静かに訪れた。妖しく、わずかに舞台中央を照らす光の中で繊細な旋律と憂いを含んだ歌声がこだまする。鮮明ではない視界で聴覚を研ぎ澄ますことによって表れる歌の世界観…何気なく触れた途端に跡形もなく消えてしまいそうに脆く感じ、慎重に一音一音を慈しんだ。そんな独自の音楽性で観客をもてなすと、「無人駅」「涙腺回路」では躍動的なバンドサウンドでオーディエンスを煽り、高ぶる感情のままにインスト曲「―――暗転。」へとたたみかける。懐かしい曲と宣言して「エーテルノート」からの後半戦。熱量の高い楽曲に、冒頭の儚さや繊細さは微塵も感じられない。それだけ曲ごとに振り切ることで自己を表現しているのだ。しかし、欠片は各々違う色でもひとつの集合体になった時のパワーは力強い。ライヴを観終えた後のこの充実とした気持ちがそれを物語っている。

セットリスト

  1. 眠れる森
  2. サナトリウム
  3. 真っ赤な糸
  4. 冬の海は遊泳禁止で
  5. 無人駅
  6. 涙腺回路
  7. メルト
  8. 空中ブランコ
  9. ―――暗転。
  10. ※幕間「土曜プラトゥリ劇場」
  11. エーテルノート
  12. オレンジ
  13. ムーンライト―――。
  14. Ghost
  15. ガガジ
  16. みらいいろ
  17. メランコリック
  18. ツメタイヒカリ
  19. クリーム
  20. 本日は晴天なり
  21. リセット
Plastic Tree プロフィール

1993年12月、有村と長谷川を中心に結成。精力的なライヴ活動で着実にファンを獲得し、97年6月に「割れた窓」でメジャーデビュー。17年にメジャーデビュー20周年を迎え、7月には周年“樹念”で初のパシフィコ横浜公演を開催。同年9月にはトリビュートアルバム『Plastic Tree TriBute~Transparent Branches~』を発売した。19年2月には08年以降に発表した全シングルのカップリング曲を網羅したB面集『続 B面画報』をリリースし、同年7月には結成25周年を記念し、東京芸術劇場にてバンド史上初の試みとなるシンフォニックコンサートを開催した。Plastic Tree オフィシャルHP

OKMusic編集部

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