【ACIDMAN】『LIVE TOUR “ALMA”』
2011年5月1日 at 日本武道館

撮影:橋本塁(SOUND SHOOTER)/取材:ジャガー

舞台に上がること自体に大きな意味を持つ、由緒正しき日本武道館でのライヴも3回目を迎えた。本来であれば、ツアーファイナルとして有終の美を飾るはずだったが、震災の影響で仙台、新潟公演が順延。しかし、“今日のみんなのエネルギーを最後の仙台まで持っていくから、最高の1日にしましょう。よろしく!”とオオキノブオ(Vo&Gu)は声を大にして宣言。この言葉に観客から大きな拍手と歓声が注がれたことは言うまでもない。ウラヤマイチゴ(Dr)、サトウマサトシ(Ba)のキレのあるリズム隊が冴えた「Final Dance Scene」を始め、最新アルバム『ALMA』を中心にキラーチューンが続々と飛び交った。
 人間を取り巻く全ての事柄と真摯に向き合い、辿り着いた“愛”。不確かながら、この瞬間も愛は確かにある。巡り巡って、人間の根源に立ち返った『ALMA』を携えたツアーだったからこそ、少なからず不安を抱えた今だからこそ、これほどまでに会場がひとつになって共鳴したのかもしれない。
 ひと口に愛と言えど、ACIDMANの奏でるそれは精神的な結び付きを歌っている。包み込むような深く慈愛に満ちたものだ。雄大な自然、まだ計り知れない宇宙…対象は人に対してだけでない。長い月日を掛け、輪廻を繰り返す世界で育まれる愛をも歌っている。特にそう感じたのは、穏やかな静けさの中で披露された「ALMA」。3ピースということを忘れさせるほど壮大なスケールで、際限なく広がっていく音の世界に心が洗われる。そして、温もりのある優しい歌声に胸を熱くした。

セットリスト

  1. 現在ツアー中のため、セットリストの公表を控えさせていただきます。
ACIDMAN プロフィール

埼玉県私立西武文理高校時代に出会い結成された3ピース・ロック・バンドACIDMAN。当時は4人組で結成され、受験休業を経て、大学進学後、下北沢を中心に97年ライヴ活動を開始。 99年のヴォーカル脱退、現在のメンバーである大木伸夫(vo&g)、佐藤雅俊(b)、浦山一悟(dr)の3ピース編成となる。

02年、「造花が笑う」「アレグロ」「赤橙」のシングル3枚連続リリースでメジャー・デビュー。同年10月には1stアルバム『創』を発表、スマッシュ・ヒットを飛ばす。パワーポップ/ガレージ/パンクのテイストを独自に昇華させたハイブリッドなロックンロールから、哀愁漂うメロディックなスロウ・ナンバーまで、いずれの楽曲にも美しい旋律が貫かれ、エモーショナルなヴォーカルも聴く者の魂を震わせる。
03年8月に発表した2ndアルバム『Loop』ではより深遠な音世界を構築し、04年9月には“あらゆる色の生命をイコールで繋ぐ”という、かつて無い壮大なテーマとその独創性が表現された3rdアルバム『equal』を発表。輪廻転生をコンセプトに作られた約14分にも及ぶ大作「彩‐SAI‐(前編)/廻る、巡る、その核へ」は、映像クリエイターである西郡勲がビデオ・クリップを手掛け、第8回文化庁メディア芸術祭では優秀賞を獲得した。
05年12月にリリースした4thアルバム『and world』を引っさげ、全国ライヴ・ツアー『and world』を敢行。06年7月、このツアー・ファイナルの模様を収録した自身初となるライヴDVDをリリース。音楽と映像のコラボレーションという新しい形でのライヴを行い、多くのロック・ファンを虜にした。そして07年2月に5thアルバム『green chord』を完成させ、5月にはACIDMAN史上初となる日本武道館にてオール・スタンディング形式のライヴを開催。ストイック過ぎるほどストイックで真摯なバンド姿勢ゆえ、一時は解散の危機にぶつかった彼らだが、08年4月に6thアルバム『LIFE』を、09年7月に7thアルバム『A beautiful greed』を発表するなど、現在は年1度のペースでアルバム・リリースを重ねている。

「音の力。詩の力。」「深淵・迷走・創造・騒々」——展開著しく、時に裏切り、時に平たん。静と動。スリーピースの可能性へ常に邁進している彼らは、成功を手中にしてもなお、ストイックなまでに己のバンド・サウンドの純度に磨きをかけ続けている。ACIDMAN Official Website
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OKMusic編集部

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