【加藤ミリヤ】『“ETERNAL HEAVEN”
TOUR 2010-2011』2011年1月16日 at
日本武道館

取材:ジャガー

現状に甘んじることなく攻めの姿勢を貫いた結果、メッセージ性の強いアルバム『HEAVEN』が誕生。そんなアルバムを基軸にした本公演は、力強く愛情に満ちた加藤ミリヤを存分に感じられた。それは、ステージ上に彼女がいない間も同じ。ダンサーの表現力豊かなパフォーマンスであり、音像を広げていくバンドメンバー、視覚に訴えかける照明や趣向を凝らしたオープニングの「OPENING ―HEAVEN or HELL―」を始めとする映像など、細部にわたり彼女の意志が宿っていた。
 開演前から興奮状態のオーディエンスをクールなダンスと鬼気迫るヴォーカルで煽り、全7曲で構成されたスペシャルメドレーも飛び出した前半戦。バックボーンのヒップホップやR&Bはもちろんのこと、ロックやテクノとジャンルを超越した独自のサウンドが光る一方で、「Silent Ocean」では優しさと儚さのある歌声が客席を魅了した。満点の星空と波に映った月が揺れ動く美しい光景の中で歌うミリヤが印象深い。本編を締め括った「終わりなき哀しみ」では感極まりながらも見事に歌い上げ、堂々たる姿を見せ付けた。そんなミリヤへ、アンコール冒頭で観客たちによる「Happy Celebration」の大合唱がサプライズで届けられると涙を流し喜ぶ場面も。本日のラストナンバー「Endless Love」を歌い切ると、“I love you!”と残し、ステージを去っていった。
 ただ悲しみや苦しみ、憤りを吐き出すだけではない。人の痛みを理解するとともに心の叫びと正直に向かい合う。人間の脆さと強さ、愛情の奥深さを体現したショーであった。

セットリスト

  1. OPENING ―HEAVEN or HELL―
  2. BYE BYE
  3. HEAVEN
  4. 夜空
  5. INTERLUDE ―FREEDOM OF SPEECH―
  6. メドレー(・SAYONARAベイベー
  7. ・Love Forever
  8. ・Eyes on you
  9. ・恋シテル
  10. ・このままずっと朝まで
  11. ・ディア ロンリーガール
  12. ・People)
  13. B.F.F.
  14. WHY
  15. DANCER INTRODUCTION ―血は流されたー
  16. Sweet Angel
  17. Baby I See You feat.
  18. VERBAL (m-flo)
  19. Silent Ocean
  20. FREE
  21. Destiny
  22. SENSATION
  23. BAND INTRODUCTION ―RE:BORN―
  24. 18.X.O.X.O.
  25. Don’t wanna let go
  26. Cry no more
  27. Last Love
  28. 終わりなき哀しみ
  29. I miss you
  30. Aitai
  31. Endless Love
加藤ミリヤ プロフィール

1988年6月22日生まれ、愛知県豊田市出身。ハスキーなクリスタルボイスを持ったシンガー・ソングライター加藤ミリヤ。13歳で「ソニーミュージック・オーディション」オーディションに合格し、作詞・作曲を本格的にスタート。03年9月、Reggae Disco Rockersが発売したアルバム『Reggae Magic』の1曲にゲスト・ヴォーカルとして参加、04年5月には童子-Tのシングル「勝利の女神 feat. 加藤ミリヤ」にフィーチャリング参加するなど、デビュー前からクラブシーンを騒がす存在に。

04年9月8日、<Sony Music Records/MASTERSIX FOUNDATION>から1stシングル「Never let go/夜空」でメジャー・デビュー。BUDDHA BRANDの名曲「人間発電所」を大胆サンプリングした「夜空」は話題を呼び、先行アナログ・シングルは即日完売。追加プレスのオーダーも殺到し、現在も入手困難な伝説の一枚となる。メジャー・シーンで活躍を続けつつ、コアなクラブ・シーンからの支持も厚いのが彼女の特徴だ。05年3月に発売した3rdシングル「ディア ロンリーガール」は、現役女子高生だったからこそ生まれたリアルなメッセージが同年代に共感を呼び、スマッシュ・ヒットを記録。9月に発売した4thシングル「ジョウネツ」でUA「情熱」(96年)を大胆にサンプリングして話題を呼ぶと、10月にリリースされた1stアルバム『Rose』が、オリコン週間チャート初登場2位を獲得した。

06年9月に発売した7thシングル「I WILL」では、初の本格派バラードに挑戦し、沢尻エリカ主演の映画『オトシモノ』主題歌に起用される。恒例となったc/wでのサンプリング楽曲には、RIP SLYME「One」をサンプリングした「So gooood」を収録。07年2月には、映画『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』の主題歌に大抜擢された「Eyes on you」をリリース。ポップなメロディに恋する女の子のストレートでポジティヴなメッセージを綴ったディスコ・チューンが話題に。先行アナログも限定発売され、クラブ・シーンで大ヒットとなり、現在もロング・セールスを記録中。3月には、4枚のシングルを含む2ndアルバム『Diamond Princess』をリリースし、初の全国ワンマンツアーも大成功を収める。

07年10月、若旦那(湘南乃風)トータル・プロデュース、MINMIトラック・メイキングによる「LALALA feat. 若旦那(湘南乃風)/FUTURECHECKA feat. SIMON、COMA-CHI&TARO SOUL」をリリース。初のオリコン週間シングルチャートTOP10入りを果たし、5日後には、若旦那と共に二人の母校である明治学院高等学校で凱旋ライヴを開催した。08年2月には、「19歳の今だから歌いたい」とあの名曲をモチーフに「19 Memories」をリリース。19歳のリアルを歌った意欲作となり、11月に発表した自身初のベスト・アルバム『BEST DESTINY』では、オリコン週間ランキングで堂々1位を記録。20歳4ヶ月26日での1位獲得は、シンガー・ソングライターのベスト・アルバムとしては宇多田ヒカルのもっていた21歳3ヶ月を抜く最年少記録を打ち立てた。オフィシャルHP
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OKMusic編集部

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