【サンボマスター】『あれから10周年
ツアーファイナル』2010年12月2日 a
t SHIBUYA-AX
撮影：塚崎裕子／取材：高木智史
10年という年月、ずっと音楽を鳴らし続けてきたサンボマスター。怒って、叫んで、葛藤して、ぶっ壊して、また葛藤して、愛に気付いて。そんな純粋な気持ちをそのまま純粋に曲、誠実に歌にして…10年。その全てを込めたツアー、そしてこれがファイナル！ 山口 隆（唄とギター）の台詞を借りれば、最近のCMタイアップ曲等で心をグッと掴まれた“血気盛んな若者たち”と、心を掴まれ続けてきた“血気盛んだった、かつての若者たち”で会場はソールドアウト。いつものSEでステップを踏みながら登場した山口はマイクを前に“いやいやいや、この師走の忙しい時期にお越しいただいてありがとうございます”と穏やかに喋り出すも、それは最初だけ。だんだん唾を飛ばし、語りが叫びに変わり…それが観客にはある意味合図になっていて、双方ボルテージがみるみる上がっていく。そこで一気に鳴らされる爆音がたまらない。曲間はほぼ山口が“サンボマスターのワンマンってこんなもんじゃねえだろ！”“一生に一度のすげえやつ、やんねえか！”と煽りまくり、それにオーディエンスは毎回怒号のような雄叫びをあげる。まさに怒濤の勢いだ。加えて10年の全てを見せ付けるべく、1stアルバムの１曲目「愛しき日々」や「夜汽車でやってきたアイツ」など昔の曲も披露し、個人的には「できっこないを やらなくちゃ」が本編ラストだったことが印象的だった。いろんなことをやってきたサンボマスターの最終的なシンプルな思いというか、僕らにとってもそれしかないというか。それを2000人を超す観客全てが歌い、サンボマスターが何ものにも負けない爆音を鳴らす。その瞬間の言葉にできない無敵感。それこそがロックンロールだと思う。
