【凛として時雨】『TOUR 2010 “VIR
GIN KILLER”』2010年11月1日 at 新
木場STUDIO COAST

撮影:河本悠貴/取材:高木智史

 正直何度も同じアーティストのワンマンを観ていると、“こういう流れか”と予定調和を感じてしまうことがある。だが凛として時雨の場合、それは感じない。いや、感じないというか、感じる前から鮮烈で刺激的なライヴを繰り広げられ、そんな心の余裕なんかぶっ飛ばしてくれる。観始めると思考はまっさらになり、ただ音像に体が支配され、その快感が忘れられない…彼らがこれを意図していてかは分からないが、まさに“VIRGIN KILLER”な状態になってしまうのだ。本ライヴは初のオリコンウィークリーランキング1位を獲得した4thアルバム『still a Sigure virgin?』を引っ提げてのツアー4本目。緩やかな暗転にもオーディエンスは即座に反応し、凛として時雨への期待感、熱望ぶりがうかがえた。ノイズ音のSEで一瞬沈黙した会場をTK(Vo&Gu)の空間を切り裂くようなヴォーカルが轟き、オーディエンスは感情を呼び覚まされたように一気に飛び散り、声を上げ、爆発。その後は彼らの鳴らす轟音、プログレッシブな展開に支配されるのみだった。「this is is this?」「replica」というような最新作の世界観は鮮やかで、ドラマチックで、彼らの狂気なライヴの中でも恍惚として聴き入ってしまう。その他にも激上がり必至の定番曲、ドラムレスのアコースティックナンバー「eF」、ピエール中野の超絶ドラムソロと、凛として時雨の危険で甘美な世界は無尽蔵に広がるのだった。ファイナルまであとわずかだが、ライヴを体感した観客が抱くこの何ものにも代え難い衝撃もまた無尽蔵に広がっていくのだろう。

セットリスト

  1. 現在ツアー中のため、セットリストの公表を控えさせていただきます。
凛として時雨 プロフィール

要注目の轟音ツイン・ヴォーカル・トリオ。
02年にTK(gt&vo)、345(ba&vo)、ピエール中野(dr)が埼玉でバンドを結成。05年に自主レーベル<中野レコーズ>を立ち上げ、1stアルバム『♯4』をリリースした頃からじわじわと人気が広がり、<COUNTDOWN JAPAN 06/07>に出演したことでその人気は全国区に。さらに、08年<FUJI ROCK FESTIVAL 08>に出演し朝のホワイトステージで轟音をぶちかまし、洋楽ファンの度肝を抜いて評判となった。3人とは思えないほど重厚なサウンドの美しさはもちろんだが、ハイトーンでシャウトする男女の掛け合いも実にスリリング。パンク、プログレ、ハードコア、ミクスチャーなど様々なスタイルを混合し轟音として吐き出す激しさは、爆音好きの老若男女に広く愛されている。凛として時雨 オフィシャルHP(アーティスト)
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