【布袋寅泰】『HOTEI 2010/ROCK A
GO! GO! TOUR』2010年1月29日 at Ze
pp Tokyo

撮影:外山 繁/取材:ジャガー

ギター少年であった当時の衝動に立ち返り、『MODERN TIMES ROCK'N'ROLL』というカバーアルバムを完成させた布袋寅泰。原曲の熱量そのままに、いや自身の熱も加え、それ以上に感情高ぶらせる楽曲がそろったアルバムを携えての今回のライヴは、文句なしの盛況ぶり。開演前から“布袋!”と血気盛んな声が飛び交い、始まりの時を待った。
 1曲目「BORN TO BE WILD」に始まり、前半戦はカバー曲をメインに攻める。初期衝動に重点を置いたラインナップだけあってリフの鳴りであったり、度々“猛獣”と賞賛された中村達也のドラムも冴え渡るなど、バンドメンバーとの阿吽の呼吸で放たれる一音一音が心地良い。「YOU」を皮切りにオリジナル楽曲がひしめく後半では、“たまには女子たちにラブソングを”と「DAY BY DAY」を捧げる。これには歌詞に込められた想いを取りこぼさぬようにと聴き入る人々の姿が目立った。“パーティータイム!”と声高らかに宣誓しての「人生はパーティーだ」がプレイされると、会場中のボルテージもフルスロットル。その余韻を残しつつ、本編ラストの「FULL MOON PARTY」では終始笑顔な和やかな空気感に覆われていた。
 さらにアンコールでは、この日サポートヴォーカルを務めたBunnyがメインヴォーカルを取り「THE WILD ONE」を披露。もともとの質感とは変わり、非常に興味深かった。歌声を押し出しつつ、強烈なインパクトを与える布袋のギターも聴きどころだ。筆者が物心ついた時には、布袋寅泰とは秀逸なギタリストであり、雲の上の存在ぐらいのイメージがあったのだが、こうやってライヴを体感していると、ものすごく身近な存在のように思えた。それは、いちロックファンとしての気持ちを忘れず、いの一番で楽しむ姿がステージ上でうかがえたからだろう。
 約2時間半をあっと言う間に駆け抜け、これだけのボリューム感があったにもかかわらず、会場の熱い声援は鳴り止むことを知らない。すでにステージ中央にバンドメンバーらと揃い組になっているところで、その声に応えるべく急遽「ジョニー・B.グッド」がプレイされることになった。“Go Johnny Go Go”とサビでの大合唱は今日一番の盛り上がりで、こんな粋な計らいを平然とやってのけるロックスピリット、カッコ良すぎる!

セットリスト

  1. BORN TO BE WILD
  2. テレグラム・サム
  3. ALL DAY AND ALL OF THE NIGHT
  4. THE JEAN GENIE
  5. ハートブレイクホテル
  6. LOVE IS THE DRUG
  7. SWEET DREAMS(ARE MADE OF THIS)
  8. すべての若き野郎ども
  9. フランケンシュタイン
  10. YOU
  11. DAY BY DAY
  12. BORN TO BE FREE
  13. 人生はパーティーだ
  14. PEEK-A-BOO
  15. BARBARELLA
  16. バンビーナ
  17. FULL MOON PARTY
  18. BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY
  19. ボルサリーノ
  20. THE WILD ONE
  21. C’MON EVERYBODY
  22. RADIO!RADIO!RADIO!
  23. ジョニー・B.グッド
布袋寅泰 プロフィール

ホテイトモヤス:日本屈指のロック・ギタリスト兼シンガー。1988年、氷室京介をも擁したBOØWYを解散。同年、アルバム『GUITARHYTHM』でソロデビューを果たす。この求道的なスピリットに満ちた硬派ロックアルバムは、当時としては珍しい全編英詞による極めてアーティスティックな作品であった。翌89年には吉川晃司とCOMPLEXを結成し、1stアルバム『COMPLEX』をリリース。計2枚のアルバムを残し、90年に惜しまれつつ解散。その後、ようやく実質的なソロキャリアをスタートさせ、「ビート・エモーション」「さらば青春の光」「スリル」「ポイズン」と、作家性と大衆側に接近したポップ性が見事に同居した楽曲を続々とリリース。ストイックなロックミュージシャンであると同時にヒットメイカーとしての才能も開花させていった。布袋寅泰 オフィシャルHP

OKMusic編集部

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