撮影:YUKI KUROYANAGI/取材:土内 昇

時に重厚に、時にキャッチーに…と変幻自在に繰り出される妖怪鋼鉄音楽に対して、魂を燃やして全身全霊で挑むオーディエンス。激しいスピードナンバーでヘッドバンキングし、華やかなポップチューンでは和扇子を満開に咲かす、そんな満員御礼の客席に瞬火(Vo&Ba)も“客席がカッコ良いライヴがロックなんです”と述べていた。もちろん、そのオーディエンスの熱い魂を食らう陰陽座も負けていない。特に20分を超える組曲「九尾」では、黒猫が妖艶な歌声と鬼気迫るヴォーカルで九尾の狐を演じ、“人間vs九尾の狐”の死闘をツインリードギターで描き、ドラマチックな音像の中に観る者全てを引き込んでいた。バンドも客席もロックであり、魂が尽きるまで燃え上がったJCB HALL公演。アルバム『金剛九尾』を引っ提げたツアーの千秋楽でもあったわけだが、最高のかたちで有終の美が飾られたと言えるだろう。
陰陽座 プロフィール

オンミョウザ:1999年、大阪にて結成。“妖怪ヘヴィメタル”という惹句を掲げ、人間のあらゆる感情を映す“妖怪”を題材とし、道なき道を切り開く信念を“ヘヴィメタル”の名の下に貫く。正統的ヘヴィメタルを音楽性の基盤としながらも、男女ツインヴォーカルとツインリードギターによる変幻自在な表現により、日本文化に徹底的に拘った唯一無二の世界観を結成時から現在まで淀みなく展開。自主製作で2 枚のアルバムを発表した後、 2001年にシングル「月に叢雲花に風」でメジャーデビュー。以降、精力的な音源制作はもちろん、すでに全都道府県を2 周しているという事実が物語るように、生粋のライヴバンドとしても歩を緩めることなく邁進中。安易な“変化”よりも“進化”と“深化”を信条とし、“上”ではなく“前”に向かって着実に歩み続けることを最大の理念として実行する、極めて希有なバンドである。陰陽座 オフィシャルHP

OKMusic編集部

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