取材:ジャガー

 MC TOCが言った、“大人が本気で遊ぶと仕事になる”。自分たちが楽しめるもの、心揺さぶられるものでないとHilcrhymeの音楽として発信しない。それが彼らにとって本気で遊ぶことであり、オーディエンスを喜ばせる手段なのだ。メジャーに活動の場を広げてから初となる東京ワンマンのステージは、1曲目から「Little Samba~情熱の金曜日~」といったアッパーチューンで会場を盛り上げ、中盤「もうバイバイ」からの3曲ではベースとドラムが加わったバンド形態で振り幅の広さも見せた。ラストナンバーの「春夏秋冬」になると、ここまでの空気感を一掃。飾らない素直な気持ちが綴られたリリックと壮大なスケールに仕上がったサウンドが見事に合致し、聴き手の想像力を掻き立てる。もっと楽しんでもらいたいとの気持ちから1曲追加してのアンコールを含め、本気の彼らを強く感じることができた。
Hilcrhyme プロフィール

ヒルクライム:ラップユニットとして2006年に始動。09年7月15日にシングル「純也と真菜実」でメジャーデビュー。2ndシングル「春夏秋冬」が大ヒットし、日本レコード大賞、有線大賞など各新人賞を受賞。ヒップホップというフォーマットがありながらも、その枠に収まらない音楽性で幅広い支持を集めてきた。また、叩き上げのスキルあるステージングにより動員を増やし続け、14年には初の武道館公演を完売。「大丈夫」「ルーズリーフ」「涙の種、幸せの花」「事実愛 feat. 仲宗根泉 (HY)」などヒットを飛ばし続け、24年7月15日にメジャーデビュー15周年を迎える。ライミングやストーリーテリングなど、ラッパーとしての豊かな表現力をベースに、ラップというヴォーカル形式だからこそ可能な表現を追求。ラップならではの語感の心地良さをポップミュージックのコンテクストの中で巧みに生かす手腕がHilcrhymeの真骨頂である。耳馴染みのいいメロディーと聴き取りやすい歌詞の中に高度な仕掛けを巧みに忍ばせながら、多くの人が共感できるメッセージを等身大の言葉で聴かせる。その音楽性は、2018年にラッパーのTOCのソロプロジェクトとなってからも、決して変わることなく人々を魅了している。Hilcrhyme オフィシャルHP

OKMusic編集部

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