撮影:Tsukasa Miyoshi/取材:高木智史

 遂に始まったニューアルバム『ANTINOMY』を引っ提げたツアー『AUTONOMY』。もはやBRAHMANのライヴでしか感じることのできない、ライヴ前のファンの高揚感や焦燥感がすでに霧状の熱気となり、この日も会場に立ち込めていた。そして始まる。人の渦があちこちにうごめき、前に前に押し迫る感情剥き出しのオーディエンスの群れ。毎度のことながら、それに圧倒され、ただその光景を直視するだけの自分がいたのだった。オーディエンスの向かう先にいるメンバーの4人は凄まじいエネルギーを放つ。稚拙な言葉で申し訳ないのだが、それは衝動的な抗うようなものではなく、訴えるような、念じるようなものに感じ、TOSHI-LOWの一声一声、他の3人のメンバーが鳴らす一音一音が心に心地良く鳴り響いていた。曲が鳴らされている間には緊張感が体に張り付き、曲間にそれがフッと一瞬緩む。その瞬間に寒気とは違う感覚でブルッと体が反応し、血が巡っていることを確認する。BRAHMANのライヴはそんな生きていることを確認させてくれるのだ。今ツアーは現在も続いているため、曲順や細かいことまでは書けないのだが、セットリストにはBRAHMANが入念に考え込んだであろう思慮深さを感じ、その構成、表現には、ただ感動があった。ライヴをする者も観ている者も心が叫び、汗をかき、生きていることを感じる。どんな大作と呼ばれる映画などよりBRAHMANのライヴの方がドラマがあると言えるのではないだろうか。

セットリスト

  1. 現在ツアー中のため、セットリストの公表を控えさせていただきます。 
BRAHMAN プロフィール

ブラフマン:1995年、都内を中心にライヴ活動をスタート。96年に『grope our way』を発表(現在廃盤)。1stアルバム『A MAN OF THE WORLD』がインディーズ史上、異例の60万枚以上のロングセールスを記録。シングル「deep/arrival time」でメジャーデビューを果たす。徹底した激しいライヴスタイルとその存在感は他の追随を許さないバンドとして、熱狂的にオーディエンスやバンドから支持されている。21年Zepp ツアー『Tour 2021 -Slow Dance-』と連動したコンセプチュアルな作品「Slow Dance」を9月22日にリリースする。BRAHMAN オフィシャルHP

OKMusic編集部

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