【チャットモンチー】チャットモンチ
ー NHKホール 2009年4月17日

取材:高木智史

3rdアルバム『告白』を引っ提げた&初ホールツアーの東京公演、NHKホール2デイズの2日目。ライヴバンドとしてのチャットモンチーと、エンターテイナーとしてのチャットモンチーの2者を垣間見たライヴだった。まずは前者。もうこれに関しては経歴などは説明する必要はないだろう。ホールというどこか厳かな場所だが、そんなことは関係なくライヴのノリが体に染み付いてしまっているチャット自身とファンはスタートから大興奮。クラップと歓声がホールの反響により大音量で沸き、それに応えるように1曲目はアッパーな「8cmのピンヒール」を一斉に鳴らす。橋本絵莉子の高音域のヴォーカルもこの日は叫びのようにも聴こえ、エッジーなギターとともに熱いエモーショナル感を帯びていく。福岡晃子のベース、ステージングはライヴを観る度にどんどん野性的になっている。ひとつひとつの楽曲でもそうだが、こんなにベースが全快に前面に出ている曲を持つバンドはそういないんじゃないだろうか。高橋久美子のドラムもそうで、全快で叩き鳴らす。ホールといういつもと違う場所であることから、これらの3人のはっきりとした“個”をより強く感じたのだった。 また、中盤ではステージにスクリーンが降ろされ、このツアーの会場地にちなんだ写真を写し、メンバーがそれにまつわる話をしたり、アンコールの始めにはセットを南国風に変え、幼い女の子から40オーバーの男性まで総勢8人をステージに呼び込み、ファンも参加しての「ハイビスカスは冬に咲く」を演奏。観客と一緒になって楽しむ、この光景もチャットならではの温かい空気を作っていた。 そして、この後はライヴハウスツアーが控えている。夏も近づき、熱いチャットモンチーがやってくる。
チャットモンチー プロフィール

2000年徳島で結成。2005年メジャーデビュー。2006年リリースのSG.「シャングリラ」がヒット。2007年リリースの2nd AL.『生命力』に続き、09年リリースの 3rd AL.『告白』は、オリコン初登場 2位を記録。2008年には、初の日本武道館公演を開催。メジャーデビューから2年4か月での日本武道館2days公演は、女性ロックバンドとしては史上最短(※当時)で、現在のロックシーンを 代表するバンドへと成長を遂げる。2011年にDr.高橋久美子の脱退により、橋本、福岡の2ピース体制となる。2014年には、サポートメンバーを迎えた体制での活動を発表し、6th AL.『共鳴』を15年にリリース。そしてデビュー10周年の日本武道館公演を行い、2016年には郷里徳島で主催フェスを2daysで初開催。大成功を収めた。最新作は、シングル『Magical Fiction』(2017年4月リリース)。デュオ“橋本絵莉子波多野裕文”(橋本)やユニット“くもゆき”(福岡)での活動、CM歌唱(橋本)や徳島での多目的スペースOLUYOの運営(福岡)など、それぞれ多彩な活動を行っている。2017年11月23日、2018年7月をもって活動を「完結」させる事を発表した。チャットモンチー オフィシャルHP

OKMusic編集部

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