【The Birthday】The Birthday 横浜
BAY HALL 2009年1月7日

撮影:新保祐樹/取材:土内 昇

先日、某バンドのヴォーカルと呑んだ。その時に彼は“俺たちはパンクバンドです”と豪語したが、“でも、本物のロックバンドはそんなこと言わないんですよね”ともらした。そして、“ロックが何かってのも説明できない”とも。The Birthdayのライヴを観ながら、その時のことがずっと頭の中にあった。 チバ ユウスケ(Vo&Gu)の“A Happy New Year!”という声でスタートしたライヴは、最新アルバム『NIGHT ON FOOL』を引っ提げたツアーの初日だからといって手探り状態になるはずもなく、いきなり緊張感の高いサウンドが観客を飲み込んでしまっていた。チバの暴力的かつセクシーなヴォーカル。イマイアキノブの切り込み、いななき、歌う饒舌なギター。ヒライハルキのボディブロウを食らったように下腹に響くベース。クハラカズユキのクールでタイトなドラム。そんな尋常でない4つの音が合わさるのだから、ガレージロックやブルースロックの影響を強く感じさせる楽曲が尖らないわけがない。特に「ビート」は最新アルバムの曲だというのに音源以上の鋭さと強烈なグルーヴを持ち、その毒性の強いルーズなサウンドでもって客席を深く酔わせていた。 客出しのBGMが鳴る中をダブルアンコールに応え、メンバーも観客も完全燃焼しきったライヴ。改めて痛感したのは、これこそロックバンドのライヴであり、その佇まいがロックだったこと。もっと言えば、それはグラインドしているロックンロールだった。つまり、ロックを言葉で説明するなど無意味なのだ。
The Birthday プロフィール

元ミッシェル・ガン・エレファントのチバユウスケ(vo&g)と元フリクションのイマイアキノブ(g)を核に結成。その後、元ミッシェル・ガン・エレファントでチバと共に活動していた盟友・クハラカズユキ(dr)と、結成当初は弱冠23歳であった元てるる...ヒライハルキ(b)を迎えた本格派ジャパニーズ・ロック・バンド。
06年8月に1stシングル「Stupid」、同年9月に2ndシングル「KIKI The Pixy」を立て続けにリリース。始動直後の勢いが感じられるシンプルでストレートなロック・チューンは我々音楽リスナーを瞬く間に虜にしてしまった。翌月の10月には、誰もが待ちの望んだデビュー・アルバム『Rollers Romantics』を発表。「純粋に音楽を愛している……」という4人の初期衝動と溢れ出る感情を剥き出しにした名作がココに誕生した。
07年1月にリリースされた3rdシングル「NIGHT LINE」では、気持ちいい程の疾走感に満ちた8ビートのロック・ナンバーを展開。今後も彼らの創作意欲は留まることを知らないようだ。公式サイト(レーベル)
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OKMusic編集部

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