【VAMPS】『VAMPS LIVE 2008』 2008
年10月28日
HYDE(L'Arc~en~Ciel)とK.A.Z(Oblivion Dust)によるロックユニットVAMPS。新機軸のプロジェクトというよりも、HYDEのソロワークスの進化形として捉えた方がいいかもしれない。彼らは1stシングル「LOVE ADDICT」を発表すると、なんと約10万人を動員するZEPP全46公演を展開! そして、いよいよ前代未聞のツアーの最終公演のステージに立った!! 幕に映し出されている時刻が6:59→6:60→6:61~6:65と時を刻み、開演予定時刻の19時6分、つまり6:66、聖書で獣の数字とされている“666”となった時、ゆっくり幕が開かれる。オープニングを飾ったのはスリリングな「MADE IN HEAVEN」。幾本も伸びるグリーンのライトで作られた柵の中で、牙を剥くように感情的にプレイするメンバー…特にJu-ken(サポートBa)のアクションは激しく、すでにビーストと化している。また、HYDEとK.A.Zはもちろん、Arimatsu(サポートDr)もJin(サポートKey&Manu.)もただならぬ存在感を見せ付け、VAMPSというバンドのグルーヴ、エナジー、パッションを、歓喜の声をあげる客席に叩き付けるのだった。 前述したようにVAMPSはHYDEのソロワークスの進化形。従って、その後もHYDEのソロ名義の楽曲…それもハードなロックナンバーばかりが畳み掛けるように繰り出されていく。しかもVAMPSバンドの野獣的なプレイによって、よりエモーショナルに、エキサイティングに、ヒステリックな音像となり、より深く、熱くオーディエンスを陶酔させていたことも追記しておきたい。中盤はHYDEがアコギを手に伸びやかな歌声を聴かせた「PERFECT MOMENT」などのミディアムナンバーで、幻想的な空間を創り上げていたが、キャッチーなサビが観客のテンションを蹴上げた「HELLO」から再び戦闘態勢に! 続く、アッパーな「HIDEAWAY」で場内をヒートアップさせると、K.A.Zの重厚なギターリフとHYDEの暴力的なヴォーカルが交錯するヘヴィチューン「MASQUERADE」が高揚する感情を掻き回す。本編ラストは「Lucy in the Sky with Diamonds」。ビ?トルズの名曲をサイケデリックに、パンキッシュにカバーし、そのディープな毒でもって観る者の意識を支配する様は圧巻! アンコールはシングルナンバー「LOVE ADDICT」と映画『NANA』の主題歌のセルフカバー「GLAMOROUS SKY」で客席の興奮度をMAXにまで高めると、アグレッシヴな「MIDNIGHT CELEBRATION」でもってメンバーも観客も完全燃焼し、ライヴは大団円を迎えた。 VAMPSは始動したばかり。これからどんなサウンドを聴かせてくれるのだろうか? すでに来春に2ndシングルのリリースが発表されているし、MCではアルバムのことを口にしていただけに、ますます目が離せない存在となった。
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