【サンボマスター,GOING UNDER GRO
UND】『「音楽の子供はみな歌う」ツ
アー2008第5部「バンドだらけの大運
動会」』 2008年10月2日

取材:高木智史

 9月20日から10月5日まで行なわれた、サンボマスターのツアー『音楽の子供はみな歌う』の第5部。この日はGOING UNDER GROUNDとの一番だ。それも下北沢SHELTERで! 武道館や両国国技館でライヴを行なう彼らがキャパ約300人のSHELTERで行なうということは…開場後、フロアはあっと言う間にすし詰め状態となった。 まずはGOING UNDER GROUNDの出番となる。登場直後、伊藤洋一(Key)がステージ前線に立ち、吠えると大歓声が起こった。だが次の瞬間、鳴らされた美しい音色に静まる観客。松本素生(Vo)が“GOING UNDER GROUNDです”と言うと、ファンの声とともに、今度は語気を強め“いくぜー下北ぁぁ!”。ライヴは「グラフティー」から始まり、テンポの良いリズムがどんどん観客の興奮を煽っていく。もう目の前の視界はオーディエンスの掲げる腕でいっぱいだった。“7年振りのSHELTERだよ”と語っていた松本の顔は笑顔で、その言葉にファンは驚きの声と喜びの声をあげる。その後も「STAND BY ME」「ダイアリー」「My Treasure」などと名曲は止まらない。胸キュンのメロディー、熱いバンドサウンドに感化され、オーディエンスとの大合唱でライヴを繰り広げるのだった。ラストは「トワイライト」を披露し、“ありがとう、またやろうね”とうれしげに、感慨深げにステージを後にする松本の姿が印象的だった。 そしてサンボマスターのライヴとなる。山口 隆(Vo&Gu)はこの日も歌なのか台詞なのか分からないほど、言葉いっぱいに心を叫ぶ。そんなことはどうでもいい。彼は抱えたギターを夢中で掻き鳴らし、木内泰史(Dr&Cho)はブレーンバスターばりの豪快なドラムを打ち、近藤洋一(Ba&Cho)は自由なようで全ての音をコントロールする巧みなベースを聴かせる。全ての感情を己のロックに懸け、剥き出しのままぶつけてくる彼らのライヴはカッコ良いという次元をはるかに超えていて、心を奪われた。争奪戦となったチケットを奪取した者たちの熱気が会場を充満し、汗たっぷりの彼らからクラップやジャンプで汗が飛び散る。曲間、チューニングと言えど、ジャムりながら音を合わせ、次の曲に入り、熱い感情は途切れることなく、観客も終始ノリノリ。「光のロック」ではモッシュが起こり、会場が壊れるんじゃないかと思うくらいの総踊りに、もうどこまででも行ってくれという感じすら沸いてくる。アンコールは「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」での待ってましたと言わんばかりの大合唱で締め括ったのだった。

セットリスト

  1. 【GOING UNDER GROUND】
  2. intro〜グラフティー
  3. STAND BY ME
  4. 暗夜行路
  5. ビターズ
  6. モンスター
  7. ダイアリー
  8. TRAIN
  9. My Treasure
  10. Holiday
  11. トワイライト
  12. 【サンボマスター】
  13. 青春狂騒曲
  14. 離れない二人
  15. 青春のベル鳴りっぱなし
  16. very special!!
  17. 歌声よおこれ
  18. 未発表曲
  19. 週末ソウル
  20. 愛しさと心の壁
  21. そのぬくもりに用がある
  22. 光のロック
  23. <ENCORE>
  24. 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
サンボマスター プロフィール

山口隆(vo&g)、近藤洋一(b&cho)、木内泰史(dr&cho)が00年に結成。山口の狂気じみた渾身のヴォーカルと、ソウル魂が炸裂するファンク・サウンドでインディーズ・シーンの中でも異彩を放つ存在となり、様々なコンピレーションに参加。03年、オナニーマシーンとのスプリット・アルバム『放課後の性春』をメジャー・レーベルからリリース、同年リリースした1stフル・アルバム『新しき日本語ロックの道と光』が爆発的ヒットを記録した。その後、“コザック前田と泉谷しげる”やYO-KINGのシングル「審美銃」のバック・バンドをつとめたり、松尾スズキの映画『恋の門』の主題歌に「月に咲く花のようになるの」が選ばれたりと、音楽関係者やアーティスト筋にもに絶賛されている。要チェック。サンボマスターOfficial Website
オフィシャルHP

GOING UNDER GROUND プロフィール

ゴーイング・アンダー・グラウンド:中学1年生の時にTHE BLUE HEARTSに憧れ、幼馴染み同士で母体となるバンドを結成。1998年にミニアルバム『Cello』でインディーズデビューし、2001年にはシングル「グラフティー」でメジャー進出。09年に伊藤洋一(Key)が、15年に河野丈洋(Dr)が脱退したものの、3人でバンド活動を再始動させ、16年8月にアルバム『Out Of Blue』を発表した。GOING UNDER GROUND オフィシャルHP

OKMusic編集部

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