撮影:尾見沙紀/取材:高木智史

Jackson 5の「I Want You Back」が鳴らされ、色めき立った会場はアフロ頭のファンがモアモアとその頭を揺らし踊り、クラップを起こす。その楽しげな雰囲気に小さい頃、遠足前夜に感じていたようなテンションが上がって眠れない的なワクワクする期待感を持ちながらの登場を待った。大歓声で迎えられたメンバーはまず「愛しのハニー」を披露し、オーディエンスの体をほぐす。その後には恒例のアレが待っているからだ。笠井快樹(テンパリドラム)と神田雄一朗(ウキウキベース)がリズムを取り、秋野 温(うたギター)が軽快なテンポのMCで先導する。“こんばんは、鶴です!”。場内一斉の鶴ポーズが決まり、恵比寿が大フィーバー! 絶好調で鶴史上最大のワンマンライヴがスタートを切ったのだった。彼らのライヴはなんといってもエンターテインメントにあふれている。「夏の魔物」では、その前のMCで目玉の親父(アフロバージョン!?)が登場し、キモカワイイ親父のダンスにまたもフィーバー。アコースティックバージョンでも楽曲が披露され、木村カエラの「happiness!!!」のカバーもアリで、さまざまなスタイルで魅せていく。だが、なんと言っても鶴の楽曲はメロディーが素敵だ。ダンスやファンクをベースに観客を踊らせながらも、バラードの「手紙」や歌を主体とした「桜」などではじっくり歌を聴かせるためにメロディーが立っている。自分たちのスタイルを築きながら、J-POPのど真ん中をひた走るような姿には心地良い感動を感じた。アンコールで秋野がファンに感謝の言葉を贈り、大成功のワンマンと思いきや、最後の最後「あこがれ」ではイントロのギターをハズし、またも笑いが!? 最後まで鶴に魅せられたライヴであった。
鶴 プロフィール

03年、埼玉県鶴ヶ島市の「鶴ヶ島西中学」の同級生だった秋野温(Vo/G)神田雄一朗(B)笠井快樹(Dr)の3人で結成。
同年春から下北沢や新宿でライヴを展開し、アフロとキモシャツ(鶴が命名)の70sファッションを代名詞にお客さんを巻き込んで展開するライヴパフォーマンスで話題を呼び、あっという間に人気者に。

04年8月、1stアルバム『素敵CD』をリリース。新宿JAMでのレコ発を成功させ、その日を皮切りに関東関西中心に26本の初のツアーを展開。05年にはトータル100本近くのライヴを決行し、その人気はじわじわと拡大していく。
06年、待望の2ndアルバム『浪漫CD』をリリース。渋谷タワーレコード3位獲得を筆頭に各地のインディーズチャートでも急上昇する。年末には、毎年恒例のROCKIN'ON主催イベント「COUNT DOWN JAPAN 06-07」に出演。この勢いにのって、08年夏フェス「ROCK IN JAPAN」、2年連続で「COUNT DOWN JAPAN 07-08」に出演を果たした。

08年、自主レーベルafrock recordsからワーナーミュージックジャパンへの移籍を発表。シングル「恋のゴング」でメジャーデビュー。続く2ndシングル「夏の魔物」を引っ提げたツアーのファイナルとして初の恵比寿LIQUIDROOMでのワンマンを決行。チケットSOLDOUTの超満員で大成功を収めた。鶴オフィシャルサイト
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OKMusic編集部

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