【シド】シド 国立代々木競技場第一
体育館 2008年5月1日

取材:ジャガー

4thアルバム『センチメンタルマキアート』を携えてのツアーも今日がファイナル。1ヶ月の間隔が空いたものの、その勢いは留まるどころかさらに加速し、圧巻のステージングで観客を魅了した。 始まりは、混沌とした世界と美しさを共存させた「証言」。高らかに響くマオの歌声は、心地良く響き渡り、ほんの少しの緊張感を与える。そこから、ポップでかわいらしい「夏恋」で雰囲気をガラリと変え、気分を高揚させたかと思えば、ジャジーな「蜜指?ミツユビ?」や「妄想日記」がエロチシズムな大人のムードをふりまき、内からあふれ出す熱を爆発させた。今まで以上に楽曲の色も豊かではあったが、彼らの表現力にも目を見張るものがある。また、会場の規模を活かした華やかな照明、映像といった舞台演出は、彼らをより美しく彩り視覚・聴覚ともに観客を楽しませた。 アンコールのMCでは、神妙な面持ちでマオが語り始める。アルバムを制作していくにあたって、今までの自分たちを振り返ったこと。そして、さらに上を目指すためにある決断をしたことを。“メジャーデビューします!”、そのひと言にどっと観客が沸いた。うれしい報告の後に続く「涙の温度」は、一言一句に込められた想いがいつも以上に胸に染み入ってくる。新たな目標を掲げた彼らの門出となった今日は、この言葉で締めくくられた。“メジャーデビューをする理由は、みんなをもっともっと高いところに連れて行きたいからです”。頼もしい彼らの姿を見続けていたいと心底思えたライヴだった。
シド プロフィール

シド:2003年結成。08年、TVアニメ『黒執事』オープニングテーマ「モノクロのキス」でメジャーデビュー。10年の東京ドーム公演では4万人を動員。結成10周年となった13年には初のベストアルバム『SID 10th Anniversary BEST』をリリースし、オリコンウィークリー1位を獲得。同年、横浜スタジアムで10周年記念ライヴを開催し、夏には初の野外ツアーで4都市5公演で5万人を動員し大成功を収める。16年1月、シングルベストアルバム 『SID ALL SINGLES BEST』を発表。18年はバンド結成15周年&メジャーデビュー10周年のアニバーサリーイヤーとして、計50本以上にも及ぶ全国ライヴハウス公演やアジアツアーを実施し、19年3月にグランドファイナルとして横浜アリーナ公演を大成功に終えた。20年3月にシングル「delete」を発表。11月より3作品連続配信を経て12月23日にシングル「ほうき星」をリリースする。21年には自身初の配信ライヴと河口湖ステラシアターでのライヴも控えている。シド オフィシャルHP

OKMusic編集部

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